《悪役令嬢の影武者を嫌々演じて十年、憎っくき本に『ざまぁ』したけど? 本當の悪役はアイツだった……!?》17
「ご卒業おめでとうございます、シェリー様」
會館へ連なる長い廊下で一人の紳士が片膝ついてわたくしに禮をとった。タキシード姿の彼は馬鹿の実兄、ジャック様だ。しいゴールドヘアーに目鼻立ちが整ったかなりのイケメンに周りの生徒たちから歓喜の聲が聞こえてきた。
「お兄様、ありがとう……」
彼の差し出された手をそっと握り、わたくしは會館へと場する。何もかも予定通りだ。
一方で馬鹿の姿は見えなかった。來賓や父兄、それに卒業生とは別の通路から會館へ向かったのだろう。まぁ、エミリーがついてるから大丈夫だと思う。というか、今のわたくしは影武者を演じる事で一杯だった。
會館へ足を踏みれるとオーケストラがポップな音楽を演奏している。その中央ではダンスホールが七のスポットライトに照らされていた。
あの場所で最高のダンスを披しなければならないのね。張するわー。
「シェリー、暫く一緒に踴ってなかったけど大丈夫かい?」
「ええ、大丈夫と思いますわ。でもお兄様、お手らかにね」
「あぁ、大會ではないから楽しんで踴ろう」
「はい。では後ほど」
一旦、ジャック様と離れて卒業生の集まっているダンスホールへ向かった。ちょうどわたくしの取り巻きも側でスタンバイしている。準備は整った。
続いて父兄や教師の面々が會館へってくる。口近くの壁側に幾つものテーブルが並んでおり、バイキング形式の豪華なお料理やお飲みが配置されていた。そこで皆がグラスをけ取っている。
そのドリンクお酒コーナーにアイツが居た!
「ウエルカムドリンクどうぞ~」
ええっ⁈
遠くてよく見えないけどアレは確かにわたくしの影武者だ。妙に想が良くそれなりに働いてる様だけど酒の擔當とは聞いてないわよ⁈ アイツにそんなのやらせたら危険極まりないでしょ? ったく、後で見に行ってやるから!
わたくしは々心拍數が上がった。
やがてオーケストラの演奏が止まり急に靜かになる。その中でマイクから聲が聞こえてきた。
「來賓、父兄の皆様、本日はお忙しい中お集まり頂き心より謝申し上げます。私、卒業生代表のエリオットと申します……」
王子様の挨拶でパーティーが始まったのだ。
その挨拶がひと段落して歓談の時間になると、お料理やお飲みを求めてバイキングテーブルに皆が殺到して行く。
「シェリー様、わたくし共がお料理を取って參りますから」
取り巻きにそう言われたけど、わたくしも同行する事にした。だってアイツが気になるから。
「ワイン如何ですか~」
「お水、頂けますか?」
「……あ」
あ、じゃない! つか、お化粧濃いじゃん⁈ アンタわたくしの影武者でしょう? 何やってんの? それにちょっとお酒臭いわ、まさか飲んでる? 飲んでるのね⁈
「お水でございまーす。シェリー様? うふふ」
コ、コイツー! ちゃんとやってよー!
後は野となれご令嬢!〜悪役令嬢である妹が婚約破棄されたとばっちりを受けて我が家が沒落したので、わたしは森でサバイバルすることにしました。〜
「すまん、我が家は沒落することになった」 父の衝撃的ひと言から、突然始まるサバイバル。 伯爵家の長女ヴェロニカの人生は順風満帆そのもの。大好きな婚約者もいて將來の幸せも約束された完璧なご令嬢だ。ただ一つの欠點、おかしな妹がいることを除けば……。 妹は小さい頃から自分を前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢であるとの妄想に囚われていた。まるで本気にしていなかった家族であるが、ある日妹の婚約破棄をきっかけに沒落の道を進み始める。 そのとばっちりでヴェロニカも兵士たちに追われることになり、屋敷を出て安全な場所まで逃げようとしたところで、山中で追っ手の兵士に襲われてしまった。あわや慘殺、となるところを偶然通りかかった脫走兵を名乗る男、ロスに助けられる。 追っ手から逃げる中、互いに惹かれあっていく二人だが、ロスにはヴェロニカを愛してはいけない秘密があった。 道中は敵だらけ、生き延びる道はたった一つ。 森の中でサバイバル! 食料は現地調達……! 襲いくる大自然と敵の兵士たちから逃れながらも生き延び続ける! 信じられるのは、銃と己の強い心だけ! ロスから生き抜く術を全て學びとったヴェロニカは最強のサバイバル令嬢となっていく。やがて陰謀に気がついたヴェロニカは、ゲームのシナリオをぶっ壊し運命に逆らい、計略を暴き、失われたもの全てを取り戻すことを決意した。 片手には獲物を、片手には銃を持ち、撃って撃って擊ちまくる白煙漂う物語。 ※この物語を書く前に短編を書きました。相互に若干のネタバレを含みます。またいただいた感想にもネタバレがあるので読まれる際はご注意ください。 ※続編を別作品として投稿しておりましたが、本作品に合流させました。內容としては同じものになります。
8 54島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪
罪を著せられ島流しされたアニエスは、幼馴染で初戀の相手である島の領主、ジェラール王子とすれ違いの日々を過ごす。しかし思ったよりも緩い監視と特別待遇、そしてあたたかい島民に囲まれて、囚人島でも自由気ままに生きていく。 『王都よりよっぽどいいっ!』 アニエスはそう感じていた。……が、やがて運命が動き出す。
8 78よくある?異世界物語
目が覚めると草原の中にいた僕。どうやら異世界にいるらしいことに気づいた僕は持っていた神様からの手紙を読みステータスを見て驚いた。武術に魔術その他使いやすそうな名前が並んでいたからだ。しかし、そんな僕にも一つとても大きな問題があって?
8 99初めての戀
美男美女。リア充達のハーレム物。 とは程遠い。年齢=彼女いない歴。要するに童貞が主人公の物語。 僕が初めて人を好きになったのは高校二年の春。まさかまさかの一目ぼれだった。 しかし、それは一目ぼれではなくて必然だったんだ。 運命的な出會いのはずなのに、運命はとうの昔から動いており、僕だけがそれを忘卻の彼方に置き去りにしていた。そう、忘れてしまっていたのだ彼女のことも、あの子との約束をも。 そしてあの人のことも---。 ある日を境に見るようになった夢、性別を超えて仲のいい幼馴染、心の闇を隠しムードメーカを演じる親友、初対面なのに目の敵にしてくる男子生徒、そして僕が戀に奧手だったのも、全部意味があった。 それらに気が付いたのはもちろん偶然じゃない、必然的に一目ぼれした彼女と出會ったからである――。 それでも君が好きだから。 必ず君を迎えにいくよ。 戀に不器用な男子高校生と一途に彼を想い続ける女子高生の、青春をかけたドタバタラブコメディー。 【更新頻度】 H31.2月より週一を目処に更新致します。
8 160愛される王女の物語
第2王女は生まれた時に母をなくし、荒れ果てた後宮で第1王女とその義母に虐められていた。 周りは彼女を助けない。國民はもちろん、國王や王子さえ… それは彼女の生存を知り得なかったから。 徹底的に義母が隠していたのだ。 國王たちは後宮に近づくこともしなかった。 いや、近づきたくなかった。 義母とその娘に會いたくなくて、出來るだけ関わらないようにしていた。 では、そんな中で育った誰も知らない第2王女を偶然に出會い見つけたら…?
8 160過労死した王妃、2度目の人生は『破天荒』に歩む!
ポワナータ國の王妃エリスは執務中に倒れそのまま亡くなってしまう。その直後に神に出會い夫である國王が裏切っていた事を知る。エリスは神から人生をやり直してみないか?と言われ承諾、現世に舞い戻る。『王妃も貴族もまっぴらごめん!今度は思うがままに生きてやる!』公爵令嬢の仮面を脫ぎ捨てたエリスはいつしか『破天荒令嬢』と呼ばれ歴史に名を殘していく事になる。
8 95