《悪役令嬢の影武者を嫌々演じて十年、憎っくき本に『ざまぁ』したけど? 本當の悪役はアイツだった……!?》26
早めに馬車を呼んで正解だった。シェリーに幻滅した僕はさっさと帰りたかったのだ。
「じゃーねー、王子様!」
「ああ、では……また」
シュルケン公爵邸の前にある大通りへ出ると、前方から公爵家の使用人らが多くの食材を抱えて戻ろうとしていた。彼らは馬車を見て道の端っこへ寄り、僕たちが帰るのを待つ姿勢を見せた。重たい荷を持ちながらだ。不憫に思った僕は手招きして彼らを先にお屋敷へと向かう様、促した。
「あら、待たせればいいのよー」
「いや、でも」
ふと、その時気がついた。
あっ? あの娘は⁈
玄関口でバッタリ會った娘がそこに居る。そして彼は僕を見るなり、サッと使用人の影に隠れてしまった。
ま、まさか⁈ 僕がシェリーだと思ったあの娘は別人だったのか? 信じられない! でも似てる、似てるよ、そっくりだ。姉妹なのか? いや、姉妹が使用人と食材を持つなどしないだろう。彼は使用人だ。だとしたら納得がいくぞ。あのしおらしい娘はシェリーじゃなかったんだ!
「お坊ちゃん、さ……乗って下さい」
バトラーに促され僕は馬車へ乗り込もうとする。使用人らは軽く會釈しながら走ってお屋敷へとって行った。僕はシェリーに似たあの娘を目で追いかけた。
やがて馬車が走り出す。
ああ、何たる勘違いなんだっ!
「如何されましたか?」
「うん……なあ、バトラー。正直、僕はシェリーと結婚したくないと思ったよ」
「何と! 滅多な事を仰にならないで下さい。この婚約は両家繁栄のため、國王陛下がお決めになられた慶事です。それに一回や二回會ったくらいで。もっと回數を重ねればシェリー様の良いところも見つかるでしょう」
「そうはとても思えないな……でもこれは政略結婚だ。僕も理解してるよ。彼を好きになる様、努力しないとね」
「そうですとも、お坊ちゃん」
「ところで、玄関口で會った使用人風の令嬢なんだが……」
「シェリー様? ですか?」
「いや、彼はシェリーではない。シェリーに似た使用人だった」
「そうなのですか?」
「さっきの使用人の中にあの娘が居た。気になる。僕らと同い年ぐらいで使用人とはおかしいだろ。バトラー、調べてくれないか?」
「はあ、別人でしたか。しかし、お調べするのは良いですが……何故、そこまでお気になされるのですか?」
「よく分からない。でも気になるんだ」
あれから僕は毎月、親睦という名のもと、シュルケン公爵邸へ足を運んでいたが、會う度にシェリーが嫌いになっていった。と、同時にあの使用人をいつも探していた。不謹慎だと自分でも思っている。だが、彼と話がしたい。それは淡い心だろうと子供ながら自覚していたーー。
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