《悪役令嬢の影武者を嫌々演じて十年、憎っくき本に『ざまぁ』したけど? 本當の悪役はアイツだった……!?》34
「陛下、重大なご報告がございます。恐れりますが人払いを」
宮廷の執務室で陛下と二人きりとなる。
さて、私の話を聞いてどうじられるのだろう? もしかしたらこれまで黙っていた事に激怒され、解任だってあり得る。しかし私は皇室の為を思っての行だと自負してるし、陛下も分かってくださると信じている。
「余程の話なんだろうね、バトラー?」
チェアーへお座りになられている陛下はまだ若く凜々しい青年だ。そして代替わりされたばかりで國は安定していなかった。古くから居るシュルケン公爵の様な老獪で政治・経済力に長けている重臣らは、隙あらば権力を奪い取るくらいの構えを見せている。それを抑えるのに日々お辛い思いをされてるに違いない。
先代から仕えてる私としては、微力ながら陛下の力になりたい……そう願っていた。
「エリオット王子様とその婚約者であるシュルケン公爵のご令嬢、シェリー様についてであります」
「二人は定期的に會ってると聞いてるが?」
「はい。問題はシェリー様です」
「とても聡明で貴族院も首席合格したそうじゃないか。それにダンスも素晴らしいお嬢様らしいな」
「ええ、表向きは……」
「ん? 表向きとは?」
「実は優秀な影武者を使っているのです」
「な、何っ⁈ 影武者だと⁈」
私は二年前にスパイを送り込み、これまで徹底的に調べ上げた事実を淡々と報告した。そして不正學した事案を機にシュルケン公爵を斷罪すべきだと主張したのだ。
「ふーむ……」
陛下は腕を組み、暫く天井を見上げていた。初めは驚いていたが今は落ち著いて何かお考えのご様子だ。
「バトラー、この件は誰が知ってる? まさかエリオットは……」
「私とエミリー以外は知らぬお話です。勿論、王子様には申し上げておりません。ただ、疑っておられますが……」
王子様の気持ちを私なりに代弁した。公爵邸のシェリー様を嫌いしてる事、影武者のポピーと言う伯爵出の使用人にしてる事など。
「話はよく分かった。お前の皇室を思う気持ちに謝する。報告ありがとう」
「ははっ……で、いかように?」
「そうだな。現段階ではシュルケンを斷罪するのは早計だと思う。彼は言い逃れするだろう。ポピーを抹殺するかもしれない。もっと効果的な時期を待つのだ。大勢の前で斷罪し逃げられない様な絶妙な時期をな」
「それは……?」
「まだ答えは出ない。が、二人は一旦距離を置く事にしよう。エリオットも辛いだろうから貴族院へは行かず、隣國に留學させようと考えている」
「留學ですか⁈」
「三年ほどだ。実はいつ行かせようかと思案してたのだ。丁度良いタイミングだと思う。貴族院は高等部から編させれば問題ないだろう」
「はあ……」
そう來たか。全く想定外の展開だ。まさか留學とは。しかし陛下の仰る事も分からなくもない。それが王子様の為でもあると思う。無理にシェリー様に會ってストレスを溜めるより、公的に會えない狀況ならば公爵家への面目も立つ。
何よりも私の罪悪もしばかりか軽くなると言うもの。
「仰せの通りに」
こうして王子様は隣國へ留學される事となった。私は付き人から外され、公爵邸の向を探りながら陛下の仰る「絶妙な斷罪時期」を模索するお役目を頂いたのだーー
- 連載中13 章
冥府
山中で夜間演習中だった陸上自衛隊の1個小隊が消息を絶った。 助け出そうと奔走する仲間たち、小隊を付け狙う地獄の使者、山中一帯に伝わる古い伝承。 刻々と死が迫る彼らを救い出すため、仲間たちは伝承に縋る。 しかしそれは、何の確証も一切ない賭けだった。 危機的狀況で生きあがく男たちの戦いを描きます。 カクヨムにも掲載しています。
8 140 - 連載中169 章
非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果
「私とお付き合いしてください!」 「あの……私じゃだめ…ですかね…?」 ちょっと待て、相手は學園のアイドル的存在の新天円香さんだぞ!?ありえないだろ? なんで俺に告白してきてんだ? ―そ、そうだ!罰ゲームか! きっとそうなん― え? 罰ゲームじゃなく本心で俺のことを好きだって? なんで非リアの俺と學園アイドルが付き合うことになってんだよ! しかも最近ネジが外れかかってるというかぶっ飛んでるっていうか……戻ってきて!優等生な學園アイドルぅ! すれ違い系學園ラブコメ!!
8 185 - 連載中48 章
先輩はわがまま
岬次郎(さきじろう)は、一人暮らしの大學二年生。 それなりに満喫していた大學生活で、彼には悩みがあった。 それは、わがままで自分勝手な先輩、間宮御子(まみやみこ)に事あるごとにちょっかいを出される事。 しかし、そんな先輩の様子がおかしい? 果たして、先輩と次郎に何があったのか! わがままで自分大好きな年上の先輩とのドタバタ日常ラブコメディー! 毎日更新中!
8 137 - 連載中61 章
人間嫌いな俺とビッチな少女
「好きです!付き合ってください」 罰ゲームに負け、話したことすらない冴えない鍋島睦月に告白をすることになった胡桃萌、 告白のOKを貰ってみんなでネタバラシするつもりが答えはNO? 「なんで噓の告白で振られなきゃいけないのよ!いいわ、絶対に惚れさせて振ってやるわ!」 意気込む萌、しかし告白を受けなかった睦月にも何か理由があり……? 萌は果たして睦月を惚れさせることはできるのか、そして睦月は惚れてしまうのか? そんな2人の青春ラブコメディー。 *人間嫌いな俺とビッチな君→人間嫌いな俺と ビッチな少女 にタイトル変更しました。 *11/15付ジャンル別日間ランキングで2位ランクインできました。ありがとうございます。今後も頑張りますのでよろしくお願いします!
8 190 - 連載中101 章
元豚王子VS悪役令嬢
最悪な豚王子に転生したけど痩せて頑張る王子の一途な戀愛模様--- 俺は貧乏國ブッシュバウムの第一王子に転生していたんだけど體型が見事に豚で婚約者の悪役令嬢に捨てられそうなんだ…。 だから必死でダイエットに勵みます!! 見てろよ!俺は変わる!そして悪役令嬢クラウディアにギャフンのドキュンのバーンしてやる! 女神様!流行りの悪役令嬢攻略頑張ります!
8 117 - 連載中53 章
辺境育ちな猿百合令嬢の憂鬱。〜姉の婚約者に口説かれました。どうやら王都の男どもの目は節穴らしい〜
田舎の領地で育ったリリー・アレナはアズトール伯爵家の次女。木があれば登るような元気すぎる令嬢で、領民には「猿百合令嬢」と呼ばれている。幼く見える外見ながら十六歳になっていて、初めて王都を訪れて最愛の姉との再會に喜んでいた。 しかし王都で出會う男性たちは美しい姉には目もくれず、なぜかリリーの周りに集まってくる。姉の婚約者までおかしな目で見始めてしまい、一人で頭を抱える。とはいえ、リリーはそんなことでへこたれない。こっそりストレスを発散させていると、氷のように冷たい目をした男と出會った。さらに、ちょっと変わった動物たちと觸れ合って癒され、姉の美しさと優しさに元気に感動する。 ……しかし。一度は解決したと思っていたのに、事態はリリーが予想していたより深刻だった。 (アルファポリス様、カクヨム様で連載していたものを一部修正して連載しています)
8 135