《島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪》42. 尾行

※ブリス視點

ソフィアの謎が分かった俺はジェントリの調査をやめて王都の外れにある霊園に來ていた。誰も居ないことを確認して、ある人の墓石の前で片膝をつく。

「申し訳ありませんでした。いずれ俺の罪は、地獄で償うことでしょう……」

陛下の命とは言え、自分が暗殺した貴族に対して弔うのはおこがましい行為だが、本土に帰った時は必ず墓參する様にしている。

後悔していたのだ。何の意味もない殺人に。

その時「ジャリッ」と、足音が聞こえてきた。複數の音だ。咄嗟に立ち上がり、反対方向へと足を運ばす。だが、正面からも足音が聞こえる。

挾まれたか。俺を狙ってるな? 誰だ?

思わず構えた。々ならやり合って逃げ切る自信がある。

「やはり、貴方が殺したのですね?」

ん? 聞いたことのある聲だが遠巻きで分からない。

足音は段々速くなる。前後に二人づつ。

四人か。これなら何とかなるかもしれない。

「ブリス監視。いえ、ブリス諜報!」

「あっ、お、お前はビソン次ーー!?」

尾行していたのか? それとも待ち伏せか?

「説明して頂きたい。何故、エマール公爵の墓石に花を添えたのですか?」

こいつ、此処でやり合うつもりか?

「おいおい、まさか王都で次殿と遭遇するなんて想像も出來なかったよ。ははは……」

「質問に答えて頂けませんか?」

「ああ、エマール様とはご縁がございましてね」

「ほう……私もかなり親しくさせて頂きましたが貴方との接點はありませんでしたよね?」

面倒くさいやつだ。

だいたい、何故ビソンが自由な行しているのか、さっぱり分からない。陛下も彼の存在に気づいてないだろう。

まあそれはさておき、ここでめるのはお互い得策ではないな。

「これ以上、詮索しない方が良い。陛下が絡んでる話だ。それとも何か? ジェラール様の部下から執拗に脅迫されたと訴えて貰いたいのか?」

ビソンはし沈黙していたが、やがて口を開いた。

「かしこまりました。今日は引き下がりましよう。だが、我々は貴方をマークし続けます。島でも王都でもだ。それをお忘れなき様……」

そう言い放ってビソンらは立ち去っていく。

「ふぅー……」

一人殘された俺は頭を整理してみた。

船便は月に數回だ。まさか同じ船に居たとは考えにくいから、あいつら前の便で王都へ來ていたのか。そこで俺を待ち伏せして尾行していた……。

なるほど。王太子にアニエスの近況を報告するのはともかく、陛下にも拝謁し監獄のあの方に対してよからぬ指示をけていると勘繰っているのか。ふん、鋭いやつだ。

だがな、肝心の俺にそんな気はないんだよ。どう切り抜けようか思案してるんだ。切れ者のお前が味方になってくれればなあ。いや、エマール公爵の件があるから無理な話か。やつは俺を許さないだろう。

懐にある陛下の書簡を手で押さえ、晴天の空を見上げながら俺は溜息を吐く。ふと、牧場のことを思い出した。

早く帰ってキースと戯れたい。畑の手れもやりたいな。アニエスや皆んなと一緒に……。

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