※ジェラール視點

青い海としい山々。遠くに我が城が見える絶景の丘で私はアニエスにプロポーズを試みる。

勅命とは流石にな……。

その言葉もプレッシャーにじるが。

「殿下？……お話って何でしょう？」

「ああ。王都でソフィアに會ってきた」

「まあ……で、彼はいつお戻りに？」

「それがし長引くと思う。お父様もお亡くなりになられて々とね」

「そうですか……それは大変です」

い、いかん。ちょっと暗い雰囲気を作ってしまった。修正せねば。

「あ、それでだ。彼が戻るまでは島に滯在して薬草畑の面倒を見て貰いたい」

「はい。お安い用ですわ」

「うむ。……なあ、アニエス」

「はい？」

つぶらな瞳で私を見つめる彼は、とてもしくじた。そして私がこれから伝える言葉を……想像もしてないプロポーズを聞く覚悟はできてないと思う。だが、だが、言わなくてはならない。いや、言わせてくれ。

「私は思わぬところで王太子となった」

「……その様ですね」

「この國は思ったより不安定なことも知った」

「……」

「アニエス、どうか私を支えてくれないか？」

「で、殿下？……それは？」

彼のしい瞳を見つめ、一世一代のの言葉を口にする。心臓が破裂しそうだ。

「私と結婚してください。い頃からずっと想っていた。君を必ず幸せにすると誓う……誓います！」

風が彼の長い髪を靡かせた。余りにも突然のプロポーズに彼は戸ってる様に見える。

「わ、わたくしに王太子妃が務まるでしょうか……」

「私も王太子という役目に自信はない。だが君となら一緒に頑張れる。ほら、昔から一緒に笑ったり泣いたりしただろ？」

すると下を向いてくすくすとアニエスは笑った。

「いつのお話をされてるのですか？　うふふ」

「あの頃と私は何も変わってないよ」

「殿下、ありがとうございます。お気持ちとても嬉しいです」

「で、では？」

「わたくしも殿下となら頑張れる気が致します。ただ……」

「ただ？」

彼はこのしい景を一した。

「唯一、この島が心殘りでございます」

「アニエス、島は私の領土だ。それにハーブガーデンは島の事業。君は発案者として発展させる義務がある」

「えっ？　でも……」

「確かに王太子妃となれば制約があるだろう。王室の行事があるからね。だが、時間の許す限り自由に島へ行っても構わないよ。私も領主を兼任してるから行く用事があるし」

「い、いいのですか？」

「ああ、この島をしてくれて嬉しい」

「殿下……わたくし、この島へ來て自由を知りました。生き甲斐をじました。この島と関わり合いを持てるなんて夢の様でございます。婚姻のこと、謹んでおけ致します」

「何と！？」

「ジェラール様に一生、ついていきます！」

眩い笑顔に失神しそうだ。彼は私のプロポーズをけてくれた。確かにけてくれたのだ。

「アニエスーー！」

思わず彼を抱きしめた。すると、か細い両腕が背中に纏わりついた。