《婚活アプリで出會う~馴染との再會で赤い糸を見失いました~》あの頃のつまずき
私たちが以前住んでいたのは、南関東の大きな都市。
家も近所だったから、同じ稚園へ一緒にバスで通っていた。
「里穂ちゃ~ん!」
小柄で細く白な子が、ちょこちょこした歩幅で私を追いかけてくる。
可い顔をしている遙斗は、まるでの子のよう。
「Pちゃんは小さいから、里穂の後ろをついて來るんだよ」
ピーピー泣くから、遙斗をよくPちゃんと呼んでいた。
姉が1人いる私は、ずっと妹か弟がしかったから、とても嬉しくて毎日一緒に遊んだ。
年長になったある日、遙斗と二人で、かくれんぼしているグループにれてもらった。
ところが、すぐに飽きた一人の暴な男子が大聲でび出す。
「鬼ごっこしようぜ!」
その子はみんなの意見も聞かず、勝手に遊び始めた。
「里穂ちゃん、待って」
遙斗が私の後をついて來るように走りだす。
「鬼が來るから、Pちゃんはこっちに來ちゃダメ!!」
私は遙斗を置いて逃げ回った。
足の遅い遙斗はすぐに捕まりそうになり、目の前でバランスを崩す。
「ガンッ!!」
「あっ!!」
大きな音と遙斗のび聲。
「うわぁぁぁぁん!!」
一瞬にして泣き聲が園庭に響き渡る。
すぐに先生や園児たちが遙斗の周りを取り囲んだ。その景を眺めながら、私は一歩もけないでいた。
「このシャベルに足を取られたのね。遙斗君、痛いのはここかな?」
泣きぶ遙斗に、先生は何度も尋ねる。
私はその瞬間を目撃していた。
遙斗の足がグラつき、転ぶ瞬間に雲梯うんていの方へ倒れ込んでいたのだ。
ありのままを何度も話そうとしたけど、結局できなかった。
きっと、遙斗を置いて鬼から逃げた私は、先生から叱られる。そう思い込んで、何も告げることができなかった。
次の週、手首を包帯グルグル巻きで登園してきた遙斗。それを見て怖くなり、近寄ることができなくなってしまった。
あんなに可がっていたのに、遙斗のことを庇かばうことも、言葉を掛けることもできなかったなんて。
ケガをさせてしまったのは、私のせいなんだ……。
手首に巻いた包帯の記憶は、ずっと心の片隅に殘り続ける。
小學校に上がる頃、遙斗は急に引っ越してしまい、それ以來會うこともなくなった。
けれど罪悪のようなは殘り、まるで自分に跳ね返ってくるように、小學校、中學校と男子から高長のことでからかわれていた。
それからずっと、高い長にコンプレックスを抱いたまま、今に至るまで拗らせている。
遙斗の顔は薄らいでも、痛々しい包帯の記憶はいつまでも忘れてはいない。
もし、あの時の自分を許してもらえるのなら、しばらくここで暮らすことも仕方ないのかも……。
し我慢して一緒に過ごせば、遙斗に謝罪の気持ちも伝わるし、昔抱いた罪悪も薄れるような気がしていたから。
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