《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》56話 発言だけは、常に一丁前な、町のチンピラその1

56話

真っ向から刃向う意志を見せた魔人を見て、サーバンは言う。

「賢さは貫けねぇ。分かっていたさ」

サーバンは、スゥっと息を吸った。

が気力で充実していっている。

筋が、ほんのわずかに、グっと盛りあがった。

サーバンは、勇者を睨む。

ってヤツは本當に厄介だ。しかし、それでも、なくしたくないと思ってしまう。不幸だよな、互いに、こんな生きとして生まれてきて」

サーバンは、勇者から目を放さない。

先のき一つでも理解できる。

サーバンは思う。

これは、死闘になる。

「……小僧、お前は後悔をするだろう。罰は死。罪は無知。お前は、俺を知らなかった。……いくら魔人でも、俺には勝てない。そして、俺は、正式に刃向うヤツを殺さなければいけない義務を背負っている。メンツという、重たい義務を、な」

サーバンは思う。

死闘にはなるが、自分が負ける事はありえない。

「ウチの組とは関係のない若造の処理。出來れば、遠慮したかった、が……こうなっちまった以上、仕事だ。誇りを背負って、処理をさせてもらう」

適切な距離を確保して、いつでもける勢を取っている。

足首をまわし、手首をまわし、首をまわす。

著々と、『生を壊す』準備を進めている。

そんなサーバンに、勇者は言う。

「確か、てめぇ、名前はサーバンだっけ?」

言いながら、ハルスは、サードアイを使ってサーバンを見通した。

これまでの、諸々の所作を見ただけでも、ある程度は分かってはいたが、

「今まで無視していて悪かったな。ただのカスだと思ってナメていたが……くく、てめぇ、いい存在値してんじゃねぇか。8點くれてやる」

「この俺が、採點されるとは、いつぶりかな。くく……思い返してみれば、初めてかもしれない、丘の上から聲をかけられたのは。それが妄想の丘なのか、現実の丘なのか、こので判斷してやろう」

「発言だけは常に一丁前だな。俺を前にしても口が減らない、その勇気満點を稱えて、9點にアップしてやる」

「……採點されるのは不快だが、高評価なのは、素直に嬉しいね。俺が高得點なのは當然な訳だが。……ちなみに、満點じゃない訳……減點の理由は?」

「俺と比べればクソすぎる。マイナス91點だ」

「……100點満點評価だったか……くくく……隨分とカラいねぇ。仮に、お前の立っているソコが、妄想の丘じゃなかったら大したモノだが、はてさて」

言いながら、サーバンは、アイテムボックスに手をばした。

『炎を纏う剣』を取りだして、構えつつ、スっと腰を落とす。

それを見て、ハルスはヒュゥッと稱賛の口笛をふいた。

「おやおや。多、存在値が高いってだけじゃなく、亜空間魔法まで使えんのか、おまけにそいつは、かなりの魔剣だな。クオリティ5……いや、もしかして……」

「クオリティ6の魔剣『炎流えんる』だ。……炎流、自己紹介しな」

命じられると、炎流の刀に、一瞬、バチっと黒い稲妻が走った。

「裝備、魔法、能力……ダニの分際で、全的に、隨分と小マシな仕上がりじゃねぇか。しだけマジで褒めてやる。プラスで20點くれてやらぁ」

「遠いねぇ、満點まで」

軽口をたたきながら、サーバンは冷靜に、ハルスとの距離を詰める。

互いの圧がれ合う所まで近づいた時、サーバンは、

「剣気、ランク3」

剣の切れ味が増す魔法を使用した。

魔力が刀を覆う。

纏う炎の質が強化される。

グワァっと熱く燃え上がる。

「くく……『街のチンピラその一』風が、本當に、隨分と、まあ、『魅せる』じゃねぇか。おもしれぇ。俺も、しだけ……魅せてやるよ」

勇者は、武を取らず、素手のまま、腰を落とし、サーバンに対して半になった。

両のワキをしめる。右腕を腰につけ、左腕を前に出す。

掌に力はっていない。

らかく開かれている。

「もし、避よけれたら、満點やるから、頑張りな」

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