《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》75話 あるある
75話
『田中時雨』
中三の冬に両親が亡くなり、超金持ちの伯父に引き取られる。
シグレの伯父は、
異質なAIを使った『創作』の『鑑定サービス』でIT長者になった東大出。
とある有名なネット小説投稿サイトで実験し、
『ほとんど読まれていない作品』を対象に、大量かつ極めて細かく、
『キャラクターの値バランスが、リアリティ指數の範囲である。+15點』
『クライマックスに向けてのフラグ建築數と伏線量が、
興発度の指定ボーダーに達していない。-57點』
などと高速オート採點した上で、自分のサイト上に、
『本當に面白いランキング』として発表したところ、
反論・反も多かったが、それ以上に、
『確かに、これが本當のランキングだ』という聲が大きく、
彼のシステムは、一気に注目を集めた。
今では、ハリウッドの腳本査でも、そのシステムが採用されており、
彼の総資産は異常な域に達している。
シグレの伯父は、潔癖癥の完全自己完結型人間。
シグレに対しての興味は、道端の石コロとピッタリ同列。
シグレの伯父は、その人生において、『己』以外を一切必要としていない。
――自分さえいれば、世界は完する。
そういう人間。
『一応は弟のガキだ。大學でるまでの金は出してやる。しかし、それ以降は関わってくるな。俺の家にもくるな。面倒事は全部自分でなんとかして勝手に生きろ。來年から高一なら余裕だろ。俺は中一の時から自立していたぞ。俺と同じ事をしろとは言わんから、俺の邪魔だけはするな』
※
「――なるほどな。ココではないドコかに行きたがっていた理由は分かった。しかし、お前の容姿で、ハブられるものか? AAA+の容姿など、そうそういないぞ」
「え、えへへ、そんな褒めても、なんちゃ出ぇへんで?」
「何もいらんから、さっさと答えろ」
「あ、はい……えと……あんまり言いたナイんやけど、あたしのクラスでイジメがあってなぁ……対象は、あたしやなくて、気の弱いじの男子やって……なんか、クラス全が、『その人をイジメな、空気が読めてない』みたいな妙な雰囲気になってなぁ」
「ふむ、まあ、人間関係あるあるだな。第一アルファだけではなく、どの世界でも起こっている當たり前の日常風景だ。それで?」
「……さすが、神様。達観しとるなぁ……」
センの言葉をけて、シグレは、一瞬、何か言いたげな顔を浮かべてみせたが、
かるい皮をはさむだけで、
「ぇと、ほんでな。あたし、イヤやってん。イジメに參加するんが、どうしても。……あ、正義ぶっとるんやないで? そこは間違ぇられたらイヤやからな? その男子を助けたかったとか、そんなんは一切ないから。ただ、その男子を攻撃しとる『周りの連中全員』がものすご汚いモンに見えて……そんで、なんていうか……ほんま単純に、本気でイヤやと思ったんや。あいつらと一緒の汚いモンになるんは、絶対にイヤやった……そんだけ」
そこで、シグレは肩を落とした。
「誰かて、便に手をつっこむんはイヤやろ? クソにまみれたくないやろ? それが好きなヤツかておるかも知らへんけど、あたしはそうやない。あたしは、あいつらみたいなスカトロ趣味やないねん!」
ヒートアップしてきた彼を黙って見ているセン。
(なるほどな、だいたい分かった。……『そういう』は、隠そうとしても『表』に出てしまう。そして、『その手の連中』は、『そういう』に対して酷く敏だ)
シグレのに何が起こったか、容易に想像できた。
センは黙ってシグレを見ている。
「二カ月くらい経って、その男子は學校をやめて……なんか、その男子の親が騒いだかなんかで、學校で結構な問題になって……はは、騒いだって言い方もおかしいやんな。自分の子供が甚振られてたんやから、聲を荒げるんは當たり前やで。けど、なんやろ……教師とかも、影では『モンペは面倒』とかなんとか言うとって、クラスの連中は、『俺らを悪者にしやがって』とか、本気の顔で言うとって……」
「教科書のような『あるある』だな。で?」
「で、次は、自的にあたし、みたいなじになって、でも、學校側も流石に、短期間で二回もめるんはイヤやったみたいで、頻繁に、朝禮とかで『そういうメンドーな事をしたら対処する』とか言うてきたり、『単位』とか『退學・停學』とかチラつかせてきたり……で、結果、『あたしの事は、やんわりシカト』……みたいな。たまに、後ろから、聞こえるようにコソコソっと、ムカつく口を言われてイラっとするくらいで……別に、さほどの実害とかはなくて……」
「実害がない狀態とは言えないが、まあ、それもあるあるだな。テンプレともいう」
――そこで、
シグレはグイっと奧歯を噛んだ。
先ほどまでは、若干伏し目がちだったが、スっと顎を上げて、センを睨みつける。
その目は、し充していて、
「……さっきから、なんなん? あるある、あるあるって、バカの一つ覚えみたいに。ついにはテンプレ? ……はぁ?」
その怒気に、空気がピリつく。
存在値は吹けば飛ぶほどのゴミなのに、その威圧には、確かな重量があった。
(いい圧力だ……同級生の男子なら、震えてけなくなるだろう)
センは、シグレの顔を見て、心の中でボソっとそう呟いた。
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