《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》77話 俺はお前を試したんだよ。ほんとだって。俺、神だよ? ウソとか、つくわけないじゃん。

77話

ピリピリとした空気の中、至高なる絶対神『セン』に対して、あまりにも不遜な態度を向けているシグレに、アダムはイラついていた。

(ゴミが……)

片目をくり抜いてから説教してやろう、とアダムが決めたところで、

「っっ!!」

アダムは、主人に睨みつけられた。

魂ごと貫くような、鋭い視線。

言葉はいらない。

その視線だけで理解できる。

――控えていろ。

ならば、答えは決まっている。

――仰せのままに。

アダムは、何があろうとかない事に決めた。

――センは、一秒だけ外した視線を、再び、シグレに戻して、

「……ん? どうした。続けろ。言いたい事があるんだろう? 聞いてやる」

シグレは、センの目を、強い視線で睨みつけたまま、

「あるあるとか、テンプレとか……勝手に……あたしの人生をレプリカ扱いせんといてよ。別に、あたしは、誰かの人生をマネしとる訳やない! あたしが苦しんだぶんは、あたしだけのもんで、あたしは、決して、量産型汎用主人公の踏襲なんかやない! あたしの怒りとか痛みとか……ソレらは絶対に、誰かの劣化品なんかやない!!」

(ふむ……その反応も、よくみられるありきたり。量産型汎用機的な……その証拠に、さっき、似たようなのを見たばかり……)

センからすれば、魔王も勇者も、このアルファ人も、大して違いはない。

これまでに散々見てきた、『人間』でしかない。

(だが、まあ、いいさ。折れてやるよ。ガキと同じ土俵に立ってケンカをするほど若くはないんでね。……しかし、こいつ、サラっと自分を主人公扱いしたな。まあ、ネット小説的な観點で、この狀況だけを切り取って見れば、確かに、この場における主人公は、間違いなくこのガキになる訳だが……くくっ、まあ、そんなもの、どうでもいいさ)

心の中で、そうつぶやくと、

いまだ、全力で睨みつけてくるシグレに、センは言う。

「ふむ。俺を相手に、アッパレな啖呵だ。そうそう、そうでなくちゃな」

「……ぇ?」

「お前の言うとおり、人生という荷は、いつだって、スペシャルなオリジナルであるべきで、どんな時でも、それ以下ではあっちゃいけない」

「……ぁ、あれ……」

「どうした?」

「あ、あの……もしかして、さっきまでの発言って……よくある、試されたパターンのヤツ?」

「さあ、どうかな」

「ぅ、うわ、はずっ……なんか、ごっつ、はずい! 気付かんと、メッチャ、ガチでキレてもうた! あたし、ダサっ!」

わたわたしだしたシグレを見て、センは思う。

(チョロいねぇ。『面倒になったから、おためごかしで逃げた』ってだけなのに。こいつ、もしかして、『上位者は常に何か深い事を考えている』と勘違いしているタイプかな? たまにいるんだよな、そういうバカ……)

アダムもその傾向にある。

上位者に対する、過度な錯覚視點を持つバカ。

(はっ。深い事なんて、考えている訳ないだろう。こちとら、とっとと終わりたいだけなんだから。テンプレやあるあるは、単なる俺の口癖だよ、ばーか……と、本當なら吐き捨ててやりたい所なんだが、これ以上ガキの青春につきあわされちゃたまらないからな……テキトーに流させてもらうぜ)

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