《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》79話 三つの選択肢

79話

「重要な質問をする。ちゃんと考えて答えろ」

「ぇ……ぁ……はい」

「今なら、まだ帰れる。第一アルファと繋がっている今ならば、送り返す事は可能。だが、もう數分もすれば、それも不可能になる」

かつて、センが引き取って育てた『朝日』は、

出會った時、すでに、転移してから數日が経過しており、

ルートが斷絶されていたため、第一アルファに送り返す事ができなかった。

だが、シグレは違う。

今ならば、まだ、彼を返そうと思えば返せる。

「最初にハッキリと言っておく。俺は、お前をテキトーに召喚した。特に理由もなく、ただ、『この召喚式でならば、どんなものが召喚できるか』と思い、ちょっとした実験をしただけ。本當にそれだけだ」

あまりにもふざけた話。

しかし、センは、シグレに、悪びれもせずに言う。

「だから、帰りたいと願うなら返してやる。それが、俺の果たすべき唯一の責任だと考える。このまま帰れば、お前は、お前という『人間』のままでいられる。しかし、殘りたいというのなら話は別だ。俺のドレイになってもらう。召喚されるというのはそういう事だ」

「えぇ……ど、ドレイ……そのパターンは、ちょっと……それ以外の選択肢ってないん?」

「ある。もっとも過酷な選択肢。――俺から解放されて自由になる」

「最高の選択肢があるやん。それがええ」

「自由になると言う事は、俺の庇護下から外れるという事だ」

「……」

「俺のパシリをするなら、最低限の安全は保障してやる。これは、この世界において、お前が有する最大の権利。もっと言えば、天元突破の僥倖だ。自分で言うのもなんだがな」

(神様の庇護下……生存率だけを考えるんやったら、間違いなく、それが一番やろうな。けど……)

「召喚した者としての責任は果たしてやる。俺のパシリをれるというのなら、この俺が、『究極超神センエース』の名にかけて、この先、死ぬまで、お前を守ってやる。だが、それすら拒絶するなら、後は知ったこっちゃない。――『自由』に、のたれ死ね。俺は何も困らない」

「……」

「『1、帰る』『2、パシリ』『3、自由』 選択肢は三つ。好きなのを選べ。オススメは1だな。というか、個人的には、1を選んで消えてくれるのが、最も楽でありがたい。実際のところ、すでに高能なパシリが一人いるから、他はいらねぇんだよ」

能と言われて、後ろのアダムが、ピクっと耳を跳ねさせた。

ニィっと口元がほころび、顔がし赤くなる。

アダムがじていたのは、兇悪な高揚

脳が痺れる。

心が、ポカポカとして、芯から暖かくなる。

「勝手に呼んでおいて、とんだワガママを言っているのは分かっている……が、事実、俺は別に、お前がしい訳じゃないんでね」

「ホンマに々とハッキリ言ってくれるなぁ……まあ、そら、あたしなんかしくないやろうなぁ。こんな、なんもできんヤツ……」

己を卑下する言葉を吐きながら、しかし、その目は死んでいない。

見てみると、額にし汗をかいている。

「えぇーっと、どうしようかな……」

その、考えている様子を見て、センは、ポリポリと頭をかいた。

(選択肢に悩んでいるのではなく、決斷の仕方に悩んでいる顔。……はっ、まあ、正直、聞かなくても分かっていたさ。もし、お前が、俺と同じ狂人ならば、間違いなく、死ぬのも覚悟で3を――)

「じゃあ」

そこで、シグレは、センを指さして、

「番外の選択肢、『神様に挑戦する』……を選ぼうかな」

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