《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》80話 存在証明

80話

「……ほう」

「もし、あたしが勝ったら、『自由』と『チート』をちょうだい」

「隨分とずうずうしい事を言うじゃないか。まさか、俺を、転生モノで稀によく見る『お気楽な神』と勘違いしているのか? 『何を言っても怒らない、チョロ目の扱いやすいバカ』だとでも? だとしたら……かなり……不愉快だな。まさか、この俺が、あんな程度の低い連中と同列に扱われるとは……」

センは、聲に、怒気を絡めて、

「禮儀と言う概念そのものを知らない下等種族に禮儀を求めるほど、俺は狂っちゃいないが、最低限度の禮儀は知っているはずの『日本人』が相手なら話は別だ。『敬語を使え』などというしょーもない事を言うつもりはないが、もし、無禮にも、俺を『軽く』見積もってきたというのなら、相応のツケを払わせるぞ」

「いや、お気楽系の神様とは全くちゃうと思っとるよ。今もブロント語とかいれてきたりして、口調の方だけは、若干、砕けとるっぽいけど……ずぅっと、雰囲気がハンパない……正直言わせてもらうと、神様、目がちょっと怖いねん」

「畏れを抱いていながら、それでも、踏み込んでくるか……なるほど、狂人だ。俺と同じ……あるいは、それ以上」

そこで、センは、

「……くく」

楽しそうに笑って、

「サイコパスめ……いいだろう。お前の挑戦をけてやる。もし、俺に勝てたら、とびっきりのチートをくれてやる」

「やたっ」

「で? 『何』で俺に挑戦する? 言っておくが、どのジャンルであれ、俺がお前に負ける事はありえないぞ」

「そら、そうやろ。神様なんやから。……逆に、ガチの勝負であたしに負けられても挨拶に困るわ」

「ふむ……では?」

「それでな? できれば、勝負方法も考えてくれたらありがたいんやけど……どうやろか? フェアでさえあれば、なんでもれるから、決めてくれへん?」

「自由を求めていながら、力もみ……その上、それらの手方法すら他人任せ、か。いかにも第一アルファの子高生らしい、クソワガママっぷりだ。はっ……まあ、いいさ。タダで力を寄こせと言ってきていたならば一蹴していた所だが……この狀況は、ある意味で、大きな覚悟の証とも捉えられる。いや、むしろ、ドストレートな狂か? 『てめぇの命運』をオールベットしなければいけない勝負の方法を、相手に丸々ゆだねる。狂気の沙汰ってのは、やはり、面白い。――その無謀、買ってやる」

言いながら、センは、アイテムボックスに手をばした。

そして、取り出す、十個のサイコロ。

右手に五個、左手に五個持った狀態で、センは口を開く。

「1から6までで、好きな數字を言え」

「え? 特に好きな數字とかはないけど……じゃあ……5」

「5だな」

確認すると、センは、バっと、両手を広げて、いっせいにサイコロを転がした。

十個のサイコロは、コロコロとランダムに転がり――そして停止する。

「うわぁ……さすが神様」

十個のサイコロは、全て、5の目を出していた。

「こんなん出來てもうたら、スゴロクとか全然おもろないなぁ」

「スゴロクをやる気などないから何も困らない。さて、ご覧の通り、俺は、確率すら平伏させている。――相手がこの俺ともなると、運の勝負すら出來ないってワケだ」

「……うわ、困ったなぁ……正直、『運にをゆだねる気まんまん』やったんやけど、それすら無理となると……うわ、アカン……どうしようもないやん。……いくら神様やからって、ちょっとチートすぎやわ……」

「そこで、こいつだ」

言いながら、センは、アイテムボックスから、特に変哲もないサイコロを取りだした。

「こいつは、『Dアイデンティティ』。ただのサイコロに見えるが、クオリティ1000の究極超神だ」

「おぉ~、言葉の意味はわからんが、とにかくすごい自信や」

「こいつは、誰のどんな干渉もけ付けない。この俺ですら、こいつの出る目を確定させる事は出來ない」

センの言葉に、黙ったままで直立しているアダムが茫然としていた。

(な、なんと、凄まじい神……あのサイコロの価値は、エックス五個分……いや、十個分よりも重い)

「これが、全部で17個ある」

そう言いながら、センが取りだした黒い袋。

揺らすと、ジャラジャラっと音がした。

「究極のなんたらやのに、17個もあんねや」

「17個で一セットなんだよ」

その黒い袋を手渡されるシグレ。

ジャラっと揺らしてみる。

大して重くもない。

ったじも普通やね」

一つ取り出して、々な角度から眺めてみる。

りも合いも、特に変わった所はない。

極々平凡な六面サイコロ。

「ほんまにコレやったら、神様でも好きな數字を出したりでけへんの?」

「ああ」

「ふぅん……凄いっちゃ凄いんかもしれんけど、ハナから確率作とかできんあたしからしたら、百均のと、なんちゃ変わらへんなぁ」

「高みに立って初めて分かる価値がある。蕓ってのはそういうものだ。Dアイデンティティはそういう領域に在るアイテムなんだよ」

「教養が大事とかそういう話? あたし、そういう覚、全くわからへんねんなぁ。ピカソの絵に何億も出すとか、絶対にでけへん」

し違うんだが……まあ、いいさ)

「……で? これでどうするん? やっぱりスゴロクする? DXともだち作りゲームとかやったら、まあまあ得意なんやけど」

「悪いが、子守りには飽き飽きしているんでね。パッパと終わらせてもらう」

そこで、センは、黒い袋を指さして、

「六面のサイコロ17個。出目の最高値は102。ソレに近ければ近いほど、質の高いチートをくれてやる」

「おぉ! めっちゃええやん、それ!」

「ただし、これは『施ほどこし』じゃない。ゲームだ」

「ゲーム……つまり、『負け』があるってことやな?」

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