《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》82話 102

82話

投下された17個のサイコロ。

その結果を見て、センは絶句していた。

(バカ……な……)

全てのサイコロの出目が6。

計102。

最高値。

(ぁ、ありえない……いや、もちろん、百%あり得ない訳ではないが……しかし……)

絶句しているセンの橫で、結果を見たシグレは、

「うわ、なにこれ、絶対にウソやん。……ははっ……なんや、神様。ごちゃごちゃ言うとったけど、結局、チートをくれる気やったんやんか。あ、もしかして、神様、ツンデレさん?」

などと言っているシグレの事は無視して、センは、頭の中で、

(こいつのアルファ人にしては低すぎるクソステータスは……まさか、アリア・ギアスによる代償? 必ずダイスで6を引けるように……ぁ、ありえるのか? この狀況をみこして、事前に、自へ、そのような――って、いや、バカか。混してんじゃねぇ。ナノ・スピリットがいない第一アルファじゃ、アリア・ギアスは使えない。そもそも、仮に、そんなアリア・ギアスがかかっていたとしても、Dアイデンティティには通用しない。じゃあ、まさか、本當に……? しかし、現実問題、あるのか、そんなこと? 6分の1を17回連続だぞ……この場面で、そんな確率を當てる豪運なんてものが、本當に……)

「ちょ、神様? どしたん?」

シグレの問いかけを無視して、

(偶然なのか? ……いや、しかし、それ以外……)

そこで、センはDアイデンティティを拾って、

(何かしらの不合でも起きたのか? ……いや、しかし、俺が、それなりの時間と労力をかけて創った究極超神だぞ。不合など起きてたま……ん?)

――異変をじたセンは、その、『見た目には何の変哲もないサイコロ』の、1と6の面を左手の親指と人差し指で摑み、

「オープン」

そう言うと、サイコロの上に、エアディスプレイが浮かぶ。

ウィンドウに右手でれて、サササっと作していく――その途中で、

「なぁっっ?!!!」

センの顔に、大量の冷や汗が浮かぶ。

「…………さ……障さわられている……」

ドクンと心臓が脈打つ。

「だ、誰が……ぃや、無理だ……ありえない……現世で……究極超神に障るなど……」

あまりの異常事態に、センのが震えた。

(どのレベルの力があれば可能だ? いや、そもそも、可能なのか? 俺に出來ない事なんだぞ。ど、どうなっている? ほんとうに、いったい――)

「なぁ、ちょっ! 聞いてる?!」

袖をひっぱられて、センはハっとする。

顔をあげて、シグレの目を見つめ、

「……お前か?」

「は?」

「何をした? 答えろ」

「何って……言われた通り、サイコロを振ったんやんか。それ以外の何に見えたん?」

(とぼけている顔じゃない……だが……)

センは、そこで、

「さわるぞ」

バっと手をばして、シグレの頭を摑む。

「えっ、ちょっ、なに? なんなん?!」

騒ぐシグレなど意に介さず、センは、シグレの頭を探っていく。

しかし――

「……ない。不自然な所は何も……こいつは、どこからどう見ても、ただ不幸指數が僅かに高いだけの子高生でしかない……こいつが、何かをした訳じゃない……のか……」

「ちょっ、ちょっ! まさか、今、あたしの全部を覗いてんの?! やめてや! 見られたぁないって言うたやん!」

強引にセンの手を払いのけ、三歩ほど後ろにさがるシグレ。

センは、そんな彼から視線を外し、

(こいつじゃない……だが、確実に、『誰か』が『何か』をした……どこのどいつか知らんが……この俺を相手に、隨分とナメたマネをしてくれるじゃないか……)

「見たん?! あたしの恥ずかしい事とか、全部見たん?!」

シグレは、青ざめた顔で、

「まさか、小5の時のアレとか、見てないやろうな! もし、見られてたら、忘れるまで、脳をシェイクさせてもらうで!」

「心配するな」

「ほんまに? ほんまに見てない?!」

「夜尿癥オネショは、高學年でも、クラスに2~3人は抱えているヤツがいる、頻度の高い病気だ。珍しいのは確かだが、小5でやっちまっても、異常ってほどじゃない」

「最悪やぁああ!!」

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