《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》2話 第1チート『ニー』

2話

「……あの神様、ムチャクチャや……」

気付いた時には、薄汚れた路地裏に立っていたシグレ。

遠くに大きな時計塔は見えるが、現段階だと、それぐらいの報しかない。

「まいったな……ここ、どこやろ……」

どうしたものかと思い悩んでいると、

「ここはセファイル王國だよ、シグレ」

「え、誰?」

キョロキョロとあたりをうかがってみるが、誰も見當たらない。

シグレは、いつでもダッシュで逃げだせるよう、腰をおとして膝をらかくする。

バリバリの警戒態勢をとって、

「えと、あのぉ……さっき聲かけてきた人ぉ、どこおるん?」

「頭の上にいるよ」

「へ?」

そこで、シグレは、頭に手をばしてみた。

プルプルしたのがそこにいた。

「うわ、なんか乗っとる」

両手で、そのプルプルしているモノを摑み、目の前まで持っていく。

「おぉ……なんや、これ……メッチャかわいい」

「ありがとー」

ホッペを赤くして、プルプルとふるえるスライム。

薄い黃で、ハンドボールよりし小さいくらいの手乗りサイズ。

シグレは、そのスライムを左手だけで支え、頭と思しき個所を右手でなでる。

「あんた、もしかして、20ミリオンスライム?」

「そうだよ。種族名、ゴッドエンシェントスライム。登録名20ミリオンスライム。識別ナンバー00000001。これから、よろしくね、シグレ」

「見た目はかわいらしいのに、種族名は、えらい風格があるんやな」

「正式な登録名は、一応、20ミリオンスライムだけど、主人センはニーの事をニーって呼ぶんだよ。だから、ニーも、自分の事をニーって呼ぶの」

「めっちゃ『雑に呼んどるだけ』っぽいけど、なんか、それええなぁ。語が、かわいい。あたしもニーって呼んでええ?」

「いいよー」

「さっそくやけど、なぁ、ニー。さっき、ここが、なんとかいう名前の國って教えてくれたけど、ニーは、この世界について詳しいん?」

主人がデータをコピペしてくれたから、ちょっとだけ詳しいよ。的に言うと、知らない事はほとんどないよ」

「ものごっつ膨大な『ちょっとだけ』やなぁ。ハンパなく頼もしいパートナーやわぁ」

々と手助けできると思うけど、力はないから、戦闘方面では期待しないでね」

「神様も、似たような事を言うとったなぁ。盾にはなるけど、火力は低いみたいな。ちなみに、的には、ニーってどのくらいの強さなん?」

「ニーは弱いよ。存在値89億しかないから」

「……ものごっつい『インフレった數字』が聞こえたんやけど……え、それって弱いん?」

「弱いよ。現世だと存在値50くらいの力しか出せないからね」

「その『存在値』ってなんなん? レベルとは違うん?」

「レベルを知っているなら、それと同じだと考えてもらって全然問題ないよ」

「ふぅん……そういえば、あたしってレベルいくつ? てか、ステータスオープンは使えんのかな? 異世界モノいうたら、やっぱり、ステータスオープンやろ」

「自己鑑定の魔法は、まあまあ高位の魔法だから、今のシグレじゃ使えないよ。便利魔法が使える指の中にも登録されていないしね」

「ぇえ……そうなん? ステータスオープンくらい、普通に使えたらええのに、不親切な異世界モノやなぁ……」

「でも、知りたいなら、いつでも教えてあげるよ。ニーも、一応、プロパティアイが使えるから」

「ほんまに? プロパティアイっていうんはよう分からんけど、助かるわぁ」

「ちなみに、シグレのレベルは5だよ。第一アルファ人の平均より2低いね」

「第一アルファって、たしか、地球の事やんなぁ? ふぅん、地球人って平均レベル7なんや。それって、この世界の人と比べて高いん? それとも低いん?」

「クソ低いよ。この世界の平均レベルは15だから」

「地球人、弱っ。ダブルスコアつけられてるやん……あれ? 確か、神様、地球人は高能とか言うてなかったっけ?」

「……えと……あぁ……うん、そうだね。世界の理ことわりについて、ニーが一からキチンと教えてあげるよ。幸い、時間はたっぷりとあることだしね」

スライム、説明中……

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