《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》5話 冒険者の価値

5話

そこで、シグレは、ぽりぽりと頬をかいて、

「なんか、聞いただけやと、この世界の冒険者って、國家公務員試験一種の行政くらい価値がありそうな資格っぽいなぁ……そんだけの地位が與えられるって事は、冒険者試験って相當難しいんやない?」

「毎回、數百萬人が試験をけるけど、合格するのは數人だよ」

「公務員試験どころやなかった。たかが冒険者が、ハンター気取りかい……」

シグレは、渋い顔になって、

「そんな激烈に難易度が高そうな試験に、あたしなんかがかる? チートはあるけど、召喚系ばっかりやから、素の力テストとかあったら、その瞬間に終わりやで。あたし、本気出しても、七キロくらいしか走られへんからね。壽司も握られへんし」

「だから、最初に言ったでしょ。冒険者を『目指す』べきだって」

「なるほどな。冒険者に『なる』べきやなくて、『目指す』べき……ね」

「足場を固める方法として、他にも、フーマー大學園に學するっていう手もあるんだけど――」

「學校はええわ。散々行った。あたし、前の世界では、學校っていう機関に10年も通っててんで? 流石に、もうええやろ?」

「なら、やっぱり、冒険者を目指した方がいいかな。これからシグレが何をするかは知らないけど、何をするにしても、冒険者っていう分は役に立つからね。たとえば、お金を借りようとした場合、今の『教會に登録したナンバー』すらないシグレだと、闇金みたいな所から借りて全力で踏み倒すしかないけど、冒険者なら、國が、正式に、いくらでも貸してくれるんだよ。それも、無利子無擔保の『ある時払い催促無し』でね」

「……は、ハンパない信頼やな」

「そう。冒険者っていうのは、最高のステータスで、究極の分証明書。あって損をする事はない、無敵の資格なんだ」

「それは、確かに、魅力的やな……」

「あと、ダンジョンとか跡とか、そういう所には、普通、七面倒くさい手順で申請をだして、長い時間をかけた審査を突破して、キッチリと國の許可を取らないとれないけど、冒険者なら、証である『冒険の書』を見せれば一発だよ。この世界には『外國人斷り』の國が二つあるんだけど、そこにも余裕でれるし、一般人だと『學』しない限り國できないフーマーにも自由に出りできる。フーマーの場合、冒険者の監視はつくけどね」

『犯罪者になるのも上等』という構えならば、

冒険者でなくとも、力さえあればある程度の事はできる。

が、目立てば目立つほど、各方面から目をつけられて、どんどん行は制限されていく。

グランドセフ○オートで消せない☆がどんどん増えていくみたいなもの。

最悪、フーマーの上層部がく。

そうなれば、確実に消される。

ルールをシカトし、空を飛んで國するという事も、理的な意味では不可能じゃないが、ほぼ確実にバレる上、不法國は、問答無用で死罪となる。

そして、『目をつけられたら々と鬱陶しくなる』というのは、冒険者であっても同じ。

ある程度までなら許容されるが、冒険者だからと言って、

『度をこした好き勝手』をやっていれば、やはり、フーマーの上層部がく。

冒険者になれるほどの頭を持つ者ならば、その程度の事は知っている。

ゆえに、みな、節度のある行をとる。

勇者もサーバンも、好き勝手やっているように見えて、最低限のラインは守っている。

『愚か』でさえなければ、冒険者は、『自由』でいられる。

キチンとした秩序の下にある『強大な力』を持った者。

それが冒険者。

だからこそ、冒険者は尊ばれる。

「あと、事業を始めるのも楽だね。お金の問題だけじゃなくて、冒険者がオーナーだって言うだけで、集まってくる人材も、客のりや質も全然変わってくる。輩に絡まれる事はまずないし、納める稅金も、ほとんどタダみたいになる。他にも、冒険者になる利點は數え切れないほどあるよ。もっと言えば、『冒険者になれるだけの力』があるなら、『冒険者にならない理由』は一つもないんだよ。『試験をけられないほどの犯罪者』なら、試験會場で捕まるだけだから、もちろん話は別だけどね」

「本當の自由を求めるなら、冒険者やないとアカンって事やな……この世界を楽しむためには、冒険者になる事が絶対條件。ふむ……よっしゃ。ほな、當面の目標は、『冒険者になる』に決定や。そうときまったら、々と準備せなな。んー、どんな試験なんやろ、ちょっと楽しみやな……あ、ちなみに、その試験って、どのくらいペースで行われてんの?」

「年一だよ」

「まあ、想定やな。……で、時期は? その試験は、いつ行われるん?」

「來週だよ」

「近っ。なに、この速の展開! もしかして、この世界、アニメなん? やんごとない尺の都合でもあるん?!」

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