《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》7話 不自由な勇者
7話
(やべぇ……そういえば、金いるんだよなぁ、こういう店って……)
ハルスは焦っていた。
(……どうする……いつもは、俺ってだけでOKだったし、俺の顔を知らんヤツの店でも、冒険の書を出せばどうとでもなったから忘れていた……くぅ)
極めて愚かだが、しかし、ハルスは第一王子の冒険者。
五歳の頃から、ずっと、重鎮として生きてきた。
ゆえに、當然、これまで、酒場で金を払う事などなかったのだ。
(くそ、くそぉ……魔王城を攻めるって時に、金なんか持ってかねぇから、當然、手持ちなんか無し……くぅ……)
ハルスのアイテムボックスは容量がない(この世界においては最大クラスだが)ため、『決戦』に挑む際は、厳選しないといけなくなる。
失ったとしてもさほど痛くはない『売れば金貨數十枚~數百枚になるクオリティ3~5のレアアイテム』を、ハルスは、全部合わせると三ケタ以上保有しているが、そのほとんどは王城の寶庫に置いてある。
金は、無駄に重いため、『本気の戦場』に向かう時は當然持っていかない。
つまり、現狀のハルスは詰んでいる。
――ちなみに、大概の店は、冒険者だとタダになる。
冒険者が利用した。
というだけで充分なハクがついて、一食分の元など余裕で取り戻せるからだ。
常連になれば、それこそ最高。
冒険者用達の店には、誰もイチャモンはつけられない。
輩やからは遠のき、結果、上客が増え、場合によっては稅金も減る(持つ者は、もっと持つようになるシステム。弱者は『資源の一つ』でしかない)。
(慣れってのは、恐いぜぇ……つぅか、自分が魔人になったのを忘れて、普通に店にるとか、バカすぎるだろ、俺……。ほんと、どうする……今の俺の所持品は、全部、金には代えられねぇ超貴重品ばかり……『三匹のカースソルジャー殺し』という命題を抱えている現狀では、絶対に失う訳にはいかない至高の切り札達。なくとも、一食分の代金を払うために売り払うなんざありえねぇ……くそぉ……どうする……)
頭の中で必死に考えながらも、テンパっているせいか、口では、
「訂正しやがれ! 俺は、あまりにも高貴が過ぎて、庶民のルールを、うっかり忘れていただけだ! うっかりなんざ、誰にでもあるだろう! そうだろう?! つまり、俺がスゴすぎるのがアダになった! それだけの話だ! ご理解、OK?」
「いいから、さっさと金を払え。さもなくば、衛兵にさしだす」
「このガキャァ……人の話を聞きやがれぇ」
「魔人は人間と変わらないと聞いていたが……やはり、ただのモンスターか。慈悲などかけるべきじゃなかったな。客を選ばない俺のポリシーは、こういう時に痛い目をみるが、まあ、仕方ない。それが俺のルールだ」
ごちゃごちゃ言っている店主の言葉は完全にシカトして、
(くそが……抵抗できねぇ以上、衛兵につき出されるのは、かなりやべぇ。仮に、アホが絡んできたとしても、屯所に、まともなヤツが一人でもいたら、その時點でアウトだ。そいつには何もできずに取り押さえられちまう……セイラに目をつけてくれれば……いや、それだって、同じことだな)
言いながら、頭の中では、
(あらためて思うが、不自由すぎるだろ、今の俺ぇ………………さ、最悪、頭を下げて皿洗いでもするしかなくなるか? ……いや、雇わねぇだろ、魔人なんざ……おお、やべぇ、々考えてみたが、マジで詰んでやがる……こうなったら、マジで、どれか売るしか……現狀の所持品の中で、最も低ランクなのは炎流……でも、これは、いろんな意味で売れねぇし……)
ちなみに、何度か炎流をチラ見せしてみたが、反応はなかった。
まだ『達し』がきていないだけという可能もあるが、
そもそも『そういう繋がり』はない可能も高い。
(やべぇ……やべぇ……)
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