《『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……》15話 盜賊を500人くらい殺してレベルを上げよう

15話

當日に試験會場で落ち合う約束をわしてから、シグレはハルスと分かれた。

シグレはすでに、ハルスに対して、生理的な嫌悪を抱いてしまったので、共に行するというのはありえなかった。

「あれの何が勇者やねん。ただのヤバいチンピラやないか」

誰にも聞こえない小さな聲で、ぶつぶつ言いながら、

「冒険者試験が終わったら、二度と會わんようにしよう。それまで我慢……我慢できるかなぁ。あの格の悪さは大概やで……うー……ぃや、うん、我慢する。冒険者の資格のために、我慢する」

決意してから、シグレは、右肩に乗せているニーに、

「さて……ここから、どうしよか。ニーの意見は?」

「いろいろあるよね。持ち込みは自由だから、アイテムを買いにいくのは必須だし、20までは上がらないにしても、レベルは出來るだけ上げておいた方がいい」

「アイテムはいつでも買えるから……やっぱり、レベル上げが優先かなぁ。確か、この世界の経験値は、人を殺してもるんやったっけ?」

「というより、重要なのは、存在値の高さで、対象は人でもモンスターでも同じなんだよ」

この場合の経験値は、『経験を経た値』というより、『相手から奪ったエネルギー値』と考えた方が適切。

ゆえに、人間も魔も関係ない。

ちなみに、レベルが上がって上昇するのは基礎ステータス(筋力や魔力等)だけであり、技はほとんど上昇しない(まったく上がらない訳ではない)。

レベルアップで魔法も覚えるが、それは、『今までは筋力が足りなくて腕立てふせが一回も出來なかった者』が、し筋トレをして、腕立て伏せが一回はできるようになりました――といった狀況に似ている。

つまり、覚えたての魔法は、『使えるようになった』というだけであり、効果の方は極めて低い。

「で、北大陸は、存在値の高いモンスターがないから、モンスターを狩っても経験値は、あんまり稼げへんと、……やるなら人って事やね」

北大陸のモンスターは、大半が、存在値3前後の『小』ばかりで、いくら倒しても経験値はほとんど稼げない。

リポップするとは言っても、その場ですぐに復活する訳ではなく、存在値1なら、復活に二時間かかり、2なら一日、7以上なら一週間以上と、それなりの時間がかかる。

モンスターは、資源という扱いなので、『バンバン沸いてくる、いわゆる狩り場』は、國に獨占されており、勝手に狩ったら猟扱いとなり死罪となる。

その點、人なら、ウジャウジャいるし、存在値も、大人の男なら、大概、10は超えている。

「ただし、當然、一般人を殺したら捕まるよ。一人や二人くらいならバレないだろうけど、何百人ってなったら、當然、國がくからね」

「重犯罪者なら、殺しても大丈夫なんやったっけ?」

「うん。重犯罪者は人間じゃないからね。國を汚す害蟲だから、むしろ、殺すのが國民の義務だよ」

「この辺で、犯罪者が溜まり場にしとる所とかある?」

「紫龍族っていう大きな山賊集団が、あの山に砦を作っているよ。規模は500人くらい」

ニーのプルプルボディから、ニュっと手が生えて、前方にある大きな山を指した。

セファイル山地のフロー山。

セファイル王國の北東に位置する高山山地の最高峰。

「500かぁ……なかなかの數やね」

「數が多いだけじゃないよ。カスが集まった『ならず者集団』じゃなくて、構員の八割以上が、帝國軍の敗殘兵なんだ。存在値の平均は23。リーダーは、元帝國の中將で、サブリーダーは、かつて、冒険者試験の最終試験まで殘った事がある強者。その二人の下で結束している秩序だった大盜賊団。それが紫龍族」

「ようするに、マシな経験値が一か所に集まってくれとると。ええ稼ぎ場があるやん」

「一応、もう一度だけ言っておくけど、経験値は、シグレがその手で殺さないとらないからね。ニーは使役されている立場だけど、だからって、ニーが殺しても、シグレに経験値はらない」

「ちゃんと分かっとるよ。神様からチートをもらっとるようなヌルい立場で偉そうに言うな思われるかもしれんけど、『イヤな部分を他者に任せて味しいとこだけとろう』なんてナメた事は考えてへん。汚れるんはイヤやけど、それとこれは話がまったく別」

「覚悟はできているみたいだね。それじゃあ、行こうか」

※ ランク魔法について(無駄に長いので、『魔法の詳しい説明はいらねぇ』という人は飛ばして大丈夫です)

最低が1で、最高が1000。

魔法は、基本的には、レベルアップで取得できる(例外は多々ある)。

『どんな魔法を、どのレベルで覚えるか』は、生まれつき決まっていて、大概は、取得した魔法の種類によって職業が決まる(もちろん例外もいる)。

『レベル5になった時點で、全系統の攻撃魔法を覚える者』もいるし、『レベル50になっても一つも魔法を覚えない者』もいる。

『覚えたての魔法は、大概、ランク1』だが、會得した瞬間からランク5の魔法が使えるという事もままある。

基本的には、使いこむ事で強化されていくが、回復魔法の効果が醫療知識によって変するように、魔法を強化する方法は々ある。

使いこむ事で強化されるとは言っても、人それぞれで、同じ魔法であっても、一回使うだけでランク2に上がる者もいれば、一萬回使ってもランク2にならない者もいる

魔法はアホほど種類があり、名稱は、大概、『漢字の語』なのだが、それ以外もたくさんある。

例外もあるが、基本的には、名稱が長いほど高位の魔法。

『炎矢』<『極炎矢』<『極炎矢』

『ホーリー』<『ホーリービート』<『ハイホーリービート』

ランク1の極炎矢と、ランク5の炎矢、どっちが火力が上かとなると、ややこしい計算が必要になってきて非常に面倒くさくなる。

――その理由の一つが、次に記す魔法の質。

魔法はランクが上がる際に、『威力が上がるだけ』だったり、『程距離がびて威力がしだけ上がる』だったり、各個人で々と異なり、同じランク5の炎矢でも、人によって違っていたりする(ランク1でもそれぞれ微妙に能が異なる)。

ランク魔法は基本『炎矢、ランク5』とランクまで含めて詠唱する事で発現するが、ランク魔法の中には、一応ランク魔法に分類されるくせに、ランクがつかない魔法もあり、それらは、『F魔法』と呼ばれていて、ピーキーな質を持っている事が多く、名前を口にするだけで魔法が発現する。

――F魔法、一例。

『俺がシャツって言ったらシャツなんだよ』(指定した質を、宣言した質に変更した――と本気で思いこめる魔法)

『メタル化』(指定した召喚獣の魔法耐を強化する魔法)

『みんな死ねばいいのに』(対象がランダムに決まる即死魔法)

『パンデモニウム・パンデミック』(世界中が大混に陥る魔法)

『だって、人間だもん』(人間になれる魔法)

『オーラドール』(ランク魔法『分』の上位互換魔法)

『不退転の自縛』(アリア・ギアスの効果が発的に上昇する魔法)

『フルパレードゼタキャノン』(屬を自由にカスタマイズできる超広範囲砲撃。込めた魔力で威力が変する魔法。相手は死ぬ)

『異次元砲』(無屬で貫通タイプの、かめ○め波。込めた魔力で威力が変する魔法。相手は死ぬ)

もちろん、これらの兇悪なF魔法は、発するために高難度の條件を無數にクリアする必要がある。

フルパレードゼタキャノンや異次元砲は、単にMP消費がハンパないだけなので、神ならポンポン使える。

特に異次元砲は數ない無屬で、かつ防力を無視できるため、非常に使い勝手がよく、『困ったら撃っとけ』と言われている神々の中では一番人気の魔法。

魔法取得方法の例外。

・強力なドラゴンや鬼などを殺した際に覚える事がある。

・特殊訓練を経る事で覚える事がある。

・ある日、突然、何の理由もないのに勝手に覚える事がある。

・命の危機に瀕した際に覚える事がある。

・きついアリア・ギアスをかければ、大抵の低位魔法は使える(一日の、八時間は必ず瞑想する。代わりに炎矢の魔法が使えるようになる。など)。

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