《暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが》第38話 〜ドラゴン3〜
影魔法がドラゴンの部を破壊し盡くした。
脳を掻き回し、再び刀まで戻ってくる。
ドラゴンから力が抜け、完全に事切れた時、突然その巨がりを発し始めた。
普通の魔はもちろん、死んでからりなど出さない。
薄暗いボス部屋に、ドラゴンのりはし強いくらいだった。
俺は〝夜刀神〟を抜いてドラゴンから飛び降りた。
遠くから見ていたアメリアが駆け寄ってくる。
アメリアの方に攻撃が行っていないところを見ると、アメリアがいたあたりがやはり遠距離攻撃の程圏外だったようだ。
「アキラ、怪我は?」
「大丈夫だ。ドラゴンの鱗で出來たり傷しかない。」
「でも、右足の怪我、悪化してる。」
ちらりと右の太をみると、
「今はアドレナリンが出てるから大丈夫だ。」
「あどれなりん?」
「・・・後で話す。」
それより、とドラゴンがいたあたりを見た。
りがどんどん薄れていき、ドラゴンの巨が消え、代わりにドラゴンとは比べにならないが、大きな黒い貓の魔が橫たわっていた。
「・・・これがドラゴンだった魔?」
「多分な。ステータスのエクストラスキルに変ってあるから、それじゃないのか?」
「一度見たものに変出來るっていうスキル。エクストラスキルなら、ちらっと見ればステータスでさえも、ほとんど真似出來たはず。でも、強度は自分で攻撃して確かめないと真似できない。」
「ドラゴンに攻撃する程の馬鹿じゃなかったってわけだな。そのおで俺達が救われた訳だが。」
俺は、ブラックキャットという名前らしい、魔に近づいた。
名前がまんまだな。
神様がもし名付けてるなら、もうちょいマシな名前をつけてやれよ。
アメリアもそれに続く。
黒い並みに黃金の瞳を持つ魔は薄く目を開いて俺たちを見た。
まだ息があったらしい。
『・・・人間がこの階層まで來るのは初めてだ。』
薄く開いた口から音がれた。
渋めの、深く頭に響くような聲が、目の前の瀕死の魔から聞こえるとは思えなくて、俺とアメリアはキョロキョロとあたりを見回す。
『こちらだ、馬鹿者共。・・・はぁ、俺を倒した者がこのような馬鹿だとは、至極殘念。』
「誰が馬鹿だ、馬鹿貓。」
「馬鹿って言う方が馬鹿なの。」
悪口に間髪れず返答すると、ブラックキャットはしだけ目をすがめる。
笑ったようだ。
結構元気じゃねーか。
『・・・その論法でいくと、その男が馬鹿だということになるな。まあ良い。お前には魔王様から伝言をけ取っている。聞くか?』
ブラックキャットは、俺の目をまっすぐ見て言った。
俺は首を傾げる。
魔王など、まだ名前を聞いたことある程度のお知り合いだ。
むしろ、あちらが俺のことを知っていたことに驚きなんだが。
「・・・魔王?俺に何の用なんだ。」
『さあな。俺にもあの方のお心は分からん。』
「・・・アキラ、聞くの?」
アメリアは不安そうに俺を見上げた。
俺はアメリアの頭をでる。
「大丈夫だ。アメリアがいてくれれば大丈夫だろう?」
「・・・うん。」
『・・・ゴホン。』
居心地が悪かったのか、ブラックキャットはその渋い聲で咳払いをした。
その瞳には憎しみのが浮かんでいる。
やはり、どこの世界でも男がイチャイチャしているのを見ると怒りが湧き上がってくるものらしい。
『・・・〝魔族の大陸、〝ヴォルケーノ〟。そのさらに奧にある、魔王城で待っている。〟』
「・・・・・・それだけか?」
『ああ、俺がけ取った伝言はこれだけだ。』
「々謎なんだが、その伝言はどうやってけ取った?」
ブラックキャットは首を振る。
『俺達は魔王様より創られし魔の。俺達はみな魔王様の目となり耳となり、手足となる。け取らずとも、分かるのだ。』
「・・・俺の聞いた話だと、魔は神が創ったんだが。」
『では、その話が誤りだ。俺は魔王様の手によって自分が創られたことを昨日のように覚えているからな。』
「・・・。」
誇らしげに言うブラックキャットに、俺は黙った。
ブラックキャットが噓をついているようには見えない。
でも、サラン団長が俺に噓をついたとも思えない。
では、どちらが正しいのだろうか。
『さあ、男よ。俺を殺せ。』
「は?何でだよ。」
『魔王様より賜った変のスキルを見破られた俺に、戦的価値はない。あのドラゴンはよく出來ていたと思うのだが。』
どこか悔しげなブラックキャット。
俺は首をかしげた。
「今更だが、お前なんでけないんだ?」
『俺のきを最後の最後まで止めた重力のせいに決まっているだろう。無理に抗ったために骨が軋んで立ち上がれん。』
「・・・へえ。重力だということは知ってんのか。」
『俺達の魔王様は博識であらせられる。』
再びをはるブラックキャットに、俺は頷く。
なるほど、魔王は俺達の世界から召喚、もしくは転生した人か。
この世界に科學はない。
サラン団長からも聞き、アメリアとの會話からもその事は伺える。
そもそも、アメリアが重力を知っていたことに驚きだったが、召喚、転生によってこちらの世界にきた人に教えてもらった、またはそういうのが記録として殘っている可能もあるのだ。
不思議なことではないのかもしれない。
それに、レイティスでも電燈やカメラを見た。
まだまだ市民の方には普及していないようだが、使い方も間違ってはいない。
王城で見つけたカメラの方は使い方が巧妙だった。
きっと教えた者がいるのだろう。
『分かったのなら殺せ。』
「斷る。」
『なぜだ!!』
ブラックキャットはくわりと牙を剝いた。
俺はブラックキャットがけないのをいいことに、屈んでさわさわとその並みをでた。
暖かいそのはとてもフサフサで、掌を置いただけで數センチ沈んだ。
「こんなしい並みの貓を俺が殺れるわけないだろ。」
「そういえばアキラ、貓は魔であろうとでまくってた。」
『何っ!?』
そう、俺は貓が好きである。
黒貓は災いを呼ぶなどと言われていたりするが、貓を悪者扱いするなど言語道斷!
自分の不幸は全て自分が原因だ。
という持論を持っている。
『・・・どうしたものか。これで帰っては俺は一生笑い者だ。』
「なら、俺達と行すればいい。俺のことを知ることが出來て魔王も萬々歳、俺は常にモフることが出來て萬々歳だ。」
な?とアメリアに目を向けると、アメリアはブラックキャットのに手をらせてうっとりとしていた。
返事は聞かなくても分かる。
『俺は別にいいが、同族、つまり魔は殺せんぞ?』
「そりゃそうだろ。とりあえず、一日三十回はモフらせろ。」
「私も。」
『・・・お前ら、変わってるな。・・・・・・まあ良いだろう。ついて行ってやる。』
「まあ、勝ったのは俺たちだから、最終的な決定権は俺とアメリアにあるんだけどな。」
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