付カウンターには３人の付嬢がおり、晝なので冒険者もなく２人の付嬢の前に１人ずつ冒険者風の男が立って何やら話し込んでいたのでシーロは空いている付嬢の前に立つ。

付嬢をしているだけあって３人とも見た目が良く、冒険者の対応をしている２人は人族とエルフで人のナイスバディなお姉さん。

「それはもう、ボーンとね」

そしてシーロが向った付嬢は犬耳が特徴の可い系でもお淑やかな獣人族の付嬢だ。

シーロは獣人族を間近でみるのは初めてだったので犬耳をガン見してしまったが、付嬢はそれを無視して営業スマイルを浮かべ業務を行う。

「・・・冒険者ギルドへようこそ。本日はどのようなご用件でしょうか」

「登録をお願いします」

「はい、ではまずステータスを確認いたしますのでこの水晶に手を翳して下さい」

犬耳にりたいな。

素直なシーロの気持ちである。

詰所に続きここでも水晶が出てきたが冒険者ギルドの方が大きめの水晶で臺座付きの高級品というじの水晶だ。

シーロは言われるままに水晶に手を翳すと水晶は無のを放った。

「はい、もう大丈夫です。児も付いていませんので登録を続行しますね。お名前はシロー様で間違い有りませんでしょうか」

名前がシーロではなく、シローになっているのには理由がある。

その理由は後々説明をするとして、今は冒険者登録を進める事にする。

「はい、間違い有りません」

「戦闘は前後衛のどちらになりますか？　それと使用される武は何になりますか？」

「前衛で剣になります」

質問にシーロが答えると付嬢はカウンターの向こう側のシーロから見えないカウンターの影でカタカタと音を立て作業をする。

恐らくキーボードのようなを使ってシーロの報を打ち込んでいるのだろうと考察するシーロだが、この世界にキーボードなんてあるのか？とも疑問に思う。

幾つかの質問を終えると冒険者と冒険者ギルドについての説明をしてくれるという。

「冒険者にはランクがあります。ランクは下からＧ、Ｆ、Ｅ、Ｄ、Ｃ、Ｂ、Ａ、Ｓの８種類あり、各ランクで三段階あります。つまりランクＧの場合は、Ｇ－、Ｇ、Ｇ＋の三段階です。シロー様は登録したばかりですからランクはＧ－になります」

犬耳の付嬢は一息つくと説明を再開する。

「冒険者の主な仕事は魔討伐、アイテム採取、商人や要人の護衛です。これらの仕事は依頼としてそちらのボードにり出されますが、依頼の難易度によってランクが設定されております。

そして冒険者は自分のランクより１つ上のランクまでは依頼をける事ができます。Ｇ－のシロー様はＦ＋までの依頼をける事ができますが、冒険者は全て自己責任で依頼をける事になりますので、死んだり大怪我をして冒険者を続ける事ができなくなってしまいましても當ギルドは一切の責任を負いません。

また、依頼を失敗しますと違約金をお支払い頂く場合も座いますので依頼をける場合はよく考えてからけて下さい。

ランクアップは冒険者としての実力と人柄、そして當ギルドへの貢獻度によって判斷されます。當ギルドへの貢獻度は依頼を完遂する事で上がりますので頑張って依頼をけて下さい。

依頼には『常時依頼』と『臨時依頼』と『指定依頼』と『急依頼』があります。

常時依頼は注の必要はありませんので、完了條件をクリアしてから申しれをして頂ければ構いません。

臨時依頼は魔討伐、アイテム採取、商人や要人の護衛など々ありますが、誰かが注しますと他の方は注ができなくなりますので早い者勝ちとなっております。

指定依頼は依頼主がパーティーまたは冒険者個人を指定する依頼となっておりますが、臨時依頼は拒否する事もできます。ただ、報酬が多くギルドへの貢獻度も高くなりますのでおけする方が多いです。

急依頼は魔の大量発生など急時に発せられる依頼です。冒険者はこの急依頼を拒否する事はできません。後からお渡ししますギルドカードには急依頼を知らせる機能もありますので知らなかったでは済みませんのでお気をつけ下さい。

冒険者への依頼仲介料と冒険者が持ち込むアイテムの売買益により當ギルドは運営できておりますので、冒険者が當ギルドを介さずに商人や個人との直接取引は止されておりますのでご注意下さい。もし違反が判明致しますと罰金、謹慎、降格、除名などの処分があります。

冒険者は冒険者ギルド員となりますので、國籍はございません。よって罪を犯しますと當ギルドが介し裁定を行います。つまり國や貴族が勝手に冒険者を裁く事はできませんが捕らえる事はできます。それとこの制度を利用し悪さをするのはお勧めしません。そんな事をするとこの後にお渡ししますギルドカードに記録されますので判明した時點で捕らえられます。

犯罪者を発見した場合には捕らえますと１人當たり金貨１枚の報奨金が支払われます。また、犯罪者を捕まえその犯罪者を奴隷にしますと奴隷商に買われた金額から諸経費を差し引いた金額を追加でけ取れます。

捕らえられず殺してしまっても報奨金の金貨１枚は支払われますのでその時は首をお持ちください。

それから犯罪者に賞金がかけられていますと賞金が支払われますが、この場合は奴隷として売る事はできませんし、報奨金も支払われません。但し、賞金はそれなりの額になりますので損はないはずです。

それから犯罪者を捕らえる事ができなくても有用な報にも報奨金をお出しする場合も座いますので當ギルドへ報告をお願いします。

次は――――――――」

よく言えました。

と褒めてやりたい衝に駆られるシーロだった。

あれだけの説明を噛まずにできるこの付嬢は優秀だとしだけ見る目を尊敬よりにチェンジする。

長々と説明を聞き、説明が終わると直ぐにギルドカードが渡される。

ギルドカードは掌サイズの長方形の金屬プレートで、そこには『氏名：シロー』『種族：人族』『年齢：１２歳』『別：男』『狀態：健康』『所屬支部名：カウラニ支部』『パーティー名：空白』『冒険者ランク：Ｇ－』『賞罰：空白』『所持金：０レイル』と表示されている。

「最後にギルドカードの説明です。このギルドカードには冒険者の狀態を確認する機能がありますので必ずにつけておいて下さい。

當ギルドは冒険者の所持金を預かる業務も行っておりますので、依頼報酬などをお預かりしますとギルドカードの一番下にあります所持金に表示されます。また、ギルドカードを使い買いもできますがギルドカードに表示されている金額以上の買いはできませんので覚えておいて下さい。

先ほど水晶に手を翳して頂きました時にシロー様の魔力を登録しておりますので本人以外はギルドカードを使用できませんので、セキュリティ面はご安心下さい。

先ほど説明しました急依頼がありますとギルドカードが発し音が鳴りますので、その場合は速やかにギルド會館にお越し下さい。音は任意で調整できますし消す事もできますが気付かなかったと言う言い訳はけ付けませんのでご注意下さい。

それとギルドカードの裏面には討伐記録が表示されますので討伐依頼の場合は討伐記録によって依頼の完了判斷がされます」

隨分と便利なカードだと心する。

ギルドに金を預けたまま死んだりすると預けた金はどうなるのだろうか？

ギルドのポッケに消えて行くのだろうか？

「以上で全ての説明が終了しました。ご質問は座いますか」

「急依頼が発せられた時に依頼をけていたらどうなりますか？　それと遠方に居た場合や怪我や病気でけなかった場合はどうなります？」

「基本的にはこの急依頼を発する場所の周辺にいる方にしか急依頼は屆きませんし、ギルドカードは冒険者の狀態を表示しておりますので、けない方は自で除外されます。

そして他の依頼と被ってしまった場合は急依頼が優先されます。それによって他の依頼が完遂できなくなった場合は罰則無しのキャンセル扱いとなりますので心配は不要です」

近くにいる健康な冒険者であれば急依頼は何が何でもヤレって事を理解するシーロだった。

「わかりました。全然関係ないですけど良い宿屋を紹介して頂けますか？」

「はい、宿屋でしたらギルド會館を出て左に行って頂きますと直ぐに右手側に『大熊の右手亭』と言う宿屋が座います。食事が味しく宿泊料金も良心的ですよ」

シーロは付嬢に素直に禮を言うと依頼書がってあるボードに向う。

ランク：Ｆ（パーティー推奨）

依頼名：ゴブリンの駆除

容：ゴブリンを１０匹以上駆除する

報酬：１匹につき銀貨１枚

期限：常時依頼の為注不要

罰則：なし

ランク：Ｇ＋

依頼名：ペットの散歩

容：ペットのワーウルフの散歩を１時間

報酬：銀貨２枚

期限：付から１日

罰則：なし

ランク：Ｆ＋（パーティー推奨）

依頼名：グラスウルフの駆除

容：グラスウルフを１０匹以上駆除する

報酬：１匹につき銀貨１枚と大銅貨３枚

期限：常時依頼の為注不要

罰則：なし

ランク：Ｇ－

依頼名：ナオリ草採取

容：ナオリ草の葉を１Ｋｇ以上採取

報酬：１Ｋｇにつき銀貨３枚

期限：常時依頼の為注不要

罰則：なし

シーロがけれる依頼は々ある。

ゴブリンの駆除、グラスウルフの駆除、ナオリ草採取は全て常時依頼なので注しなくても良い依頼なので先に宿屋にチェックインをしてから早速狩りに行こうと考える。

ゴブリンとナオリ草は西の森で、グラスウルフは西の森やその手前の草原に棲息していると付嬢が教えてくれたので場所は問題なく分かる。

宿屋の『大熊の右手亭』はギルド會館を出てすぐに見つける事ができた。

「っらっしゃい！　泊まりかい？」

豪快な口調の恰幅が良い熊の獣人のオバちゃんがシーロを向かえる。

宿屋の名前の由來はこのオバちゃんではないだろうか？　と思いつつ部屋を頼む。

「泊まりでお願いします」

「あいよっ！泊まりは１泊朝夕の２食付きで銀貨２枚と大銅貨５枚だよ」

「じゃぁ、１０泊しますね」

「お、連泊とはありがたいね。オマケして大銀貨２枚と銀貨２枚で良いよ。この宿帳に記帳しておくれ。字が書けなければ私が書くよ」

シーロはオバちゃんに大銀貨２枚と銀貨２枚を渡し、記帳をする。

「シローだね。私はジルって言うんだ、宜しく頼むよ」

客商売とは思えない口調だけが、人柄は良いのではないかと思う。

「これから出かけますので、夜に帰ってきますね」

「あいよっ！夕食は５時から９時までだからね。気を付けて行ってくるんだよ」

シーロはジルさんにペコリと頷き宿屋を出る。