《異世界を追い出された俺は──元の世界でハーレム作りに勤しみます【凍結】》デートってなんぞや

「ーーてるんですね」

「ああ。ーーで寢るなんていい度だな、あ"あ?ーーで怒ったんだがーー顔しかめて寢てんだ。先公もしだけ寢かせとけって言うし」

「ほんとう、なんだかんだ言っても火矢さん優しいですよね」

頭の上でわされているらしい會話がだんだん鮮明に聞こえてくる。

また寢てしまっていたようだ。

それに、ハッピーセットの真逆も真逆、ベリーバッドセット……あの夢を見てしまった。

とりあえず、機にうつ伏せになるこの態勢はきつい。

顔を持ち上げる。

「おは」

寢ぼけ眼で窺う限り、今は給食後の晝休みだ。

俺、寢過ぎやん。

「あ、お兄ちゃん、おはようございます。一時間目から寢るなんて、夜更かししてるんですか?」

「いいや、きっかり9時間寢てる。レム睡眠とノンレム睡眠を計算した、そして8時間以上、という素晴らしい睡眠時間だ」

気遣いの浮かぶ目を直視出來ず、自分の目をこする。

すると、頭頂部を小突かれた。

「オレの講義を聞かないでぐっすりお寢んねたあ、いいご分だなおい。どういう了見だ、あ"あ?」

デフォルトよりも恐ろしい眼をたたえる顔は般若すら足で逃げ出すレベル。

勇者だって怖いものは怖い。

なんならお化け屋敷で顔面加工せずバイト出來るまである。

「スイマセンデシタ」

「このオレに棒読みか、あ"あ? おらおら! 表出やがれ! 顔の郭矯正してやんよ!」

「まあまあ、火矢さん……。短気なのは徳ではありませんよ。寧ろよろしくないです」

この鬼の形相の龍生を宥められるとは、吹留のコミュ力はカンストしているのか。

グゥウ

誰かの腹が鳴った。

というか俺だった。

「飯食ってねえ。五限目と六限目死ぬわ」

「自業自得だろ、あ"あ? と言いたいところではあるが、ほら、食え」

この後の授業まで腹空っぽだから、なんて理由で寢られたら堪ったもんじゃねー。

そう溜息を吐きながら、彼の機上にあった給食を寄越してくれた。

え、まじで優しい。

激して龍生を拝みそうになって謝の言葉を伝えるだけにとどめる。

悪目立ちはしたくないからな。

「そうそう。お兄ちゃんに用があって來たんですよ。それなのに寢てるから」

「俺? 龍生じゃなくて?」

「はい、お兄ちゃんにです。ほら、前に言ったじゃないですか。育祭の話し合いに出てほしいって。今日の放課後にでもその打ち合わせをしましょう、とまたまたデートのおいに。良かったですね、こんな可い妹とデートプランがある幸せ者で」

帰っていいですか?

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