《異世界を追い出された俺は──元の世界でハーレム作りに勤しみます【凍結】》召喚したったのは
「ぱどぅん?」
「え、な、何ですか?」
異世界の子に英語は通じなかった。
みんな、異世界人に出會ってテンパって英語を使っても、まっっっったく意味ないので気をつけるように。
「魔王ちゃん、外國の方のようですが、まるで英語の分からないご様子! 勝鬨選手、どうしたものでしょう?」
魔王という言葉の意味をまるっと無視した臺詞だ。
どうしたものか?
俺が聞きたい。
もうちょい扱いやすい位を召喚したつもりだったのに、元魔王ボクっ娘が出現するとは誰が予測しただろう。
だが、今の段階で推測することは可能だ。
俺に見逃されて命拾いした後、魔王の座を降りたか、引き摺り下ろされたか。
悪魔どもは聖徳太子など比ぶるべくもないほどの実力主義を掲げているからな。
で、居場所の無くなった元魔王として、異世界へ帰って行った俺を追いかけて來て……何をしようとしたかは読めないが。
「だが! お前が私と言っていたことは俺の脳に刻み込まれているぞ!」
「何をどうして人稱に拘るのかしら? ボクっ娘が癖ですの?」
「勘違いするな! 俺はただ、世界中のボクっ娘好きの代言をしているだけだ!」
気の所為か、子生徒たちが引き気味なような。
ふ。
ハーレムはもちろん目標だが、構員が中途半端な屬持ちなど許されることではない。
半端者を黙認することは出來ん!
「それは、その、ぼくが頼りないからって側近が私と言えって……」
普通に正論によって押し負かされただけだった。
「それはさておき。何で召喚に応じたんだ? 強力な奴なら破れる簡易な強制力しか付與してないぞ」
「綺麗に自分の発言ごと捨て置きましたわ! 流石外道勝鬨!」
「選手じゃなくなったしひでえ渾名!」
「噛みました」
「ワザとだ!」
「ワザとです」
「流れを切るな!」
と某小五と某男子高校生の會話をなぞったところでおずおず元魔王が口を挾んだ。
あれだ、威厳ってものが皆無。
前は初見だったからじなかったけれど、こう見てみれば魔王らしい雰囲気というものが圧倒的に欠けている。
魔王に攫われたお姫様の役回り、もしくは魔王に買われた奴隷の、みたいな……。
「助けてもらって、恩返し、みたいな……。魔王辭めちゃったぼくですけど、お役に立てるならって!」
「ん? 召喚主が俺だって分かったってことか? ことだよな」
「そうですけど……」
だから語尾を震わせるな不安そうな目で見るな!
この學校に來てから変なしかいなかったもんだから、耐がなっしんぐなのだ。
それは追い追い。
通常、呼ばれた側はこっちを知できない。
普通なら、だ。
威厳がないし、そんなほいほい魔王を降りるような奴が魔王になっていたということは。
「ごほん。魔王選定戦の優勝者?」
「いえ、違います」
「先代勇者を返り討ち、はないな」
「はい」
「先代魔王の推薦?」
「ですっ」
先代魔王は歴代最強と言われた男。
それのお墨付きであるということは、現在の魔の中で此奴に1VS1で勝てる奴は、いない。
要するに、
最強だ。
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