《異世界を追い出された俺は──元の世界でハーレム作りに勤しみます【凍結】》ぼっち反省會開きます
「なんだってんだ……」
一つ、盛大に溜め息を吐く。
こんなに疲れる育祭があっていいのか、いや駄目だ。
あの後は結局、先生方の大慌てな指示に従ってお開きとなった。
生徒も親さん方も興しっぱなしでそれどころではなかったのだ。
著替えてから教室で夕禮をしている時、クラスメイトからの視線が痛かった……。
だが、某魔法使いの小説のようにオブ○ビエイトすることはできるには出來るけれど、あちらの世界では忌とされている。
人の記憶や神に関與するわけだからな。
ソレを知っているし使える、といってほいほい使うのも……律儀に守る必要も無いが一応忌魔法など控えたいのだ。
その無けなしの良心の結果、得られたものは先生からの呼び出し。
當たり前か。
いきなりドンパチ始めた生徒が居たら事聴取するのは至極當然である。
ええー。
行きたくなーい。
どうしたものか。
上手い言い訳が思いつくようなら勇者俺が罪人として追っかけられてないっつーの。
辛うじて、明日の放課後に生徒會メンバーを含め招集、ということになった。
抵抗の果である。
それはさて置き、先生より怖ーい人の無言の圧力の方が明日の心配事だったりする。
アイツが大人しく帰ってくれてこれ以上被害、もとい異世界の報の拡散が進まなくて良かった、と安堵したのも束の間。
龍生の視線が痛いのなんの。
「たーだいまー」
共働きの両親から合鍵は貰っている。
校庭で広げたシートやらなんやらを片付けているのだろう、まだ帰ってきてはいなかった。
ガチャリと開けて、家にると無意識に再び溜め息がれる。
ちょっとばかし現実から逃避していたが、目下のところ1番の難関は両親にはなんと説明したものか、ということ……。
この年にしてーーと言って良いほど若くはないがーー胃にが開く心配をしなければならんとは。
ラノベ主人公にに憧れている主人公諸君!
安易に異世界で勇者になってはいけないと忠告しよう。
うはうはハーレムの前に障害が立ちはだかるのは主人公の宿命だ。
「どうしたもんか……」
意味のある言葉は何も浮かばなかった。
親に言うのか?
子供の妄言と吐き捨てるような人達ではないと信じているし、何より先程の実演が裏付けとなる。
証拠として、勇者時代の武裝を見せるのもアリだな。
1つ懸念事項があるとすれば、全て俺の見せた幻覚、集団で幻覚を見せたってことで神病院に放り込まれる、てな展開になる事だ。
……なるようになるか、きっと。
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