「あー、暇だなー」

 今日はいつも多忙な私たちにとっては珍しく1日オフの日で、キアラをって買いにでも行こうと思ってたのに、「今日はユウさんが來るからアキラちゃんも一緒に行かない？」と言われて、反的に「行かない！」と斷わっちゃった。

 しかもついムキになって、「私とアイツとどっちが大切なんだよ！」とか言ってキアラにキツく當たっちゃって、それからなんとなくお互いぎこちないじになった。

「はぁ～、なんであんな事言っちゃったんだろ…」

『 スターエッグプロダクション』の自室の布団の上で、ゴロゴロ右へ左へ転がっては、あの時の自分の言に嫌気が増すばかりだった。

「今頃、2人で新曲を書いてるのかな～…」

 って、あれ？

 2人？

「もしかして、2人っきりで個室に篭って作業してるんじゃないのか！？」

 私としたことがうっかりしてた！

 あのケダモノをキアラと2人っきりにしておいたら、一何をするかわかったもんじゃない！

「待ってろキアラ！ 今行くからな！」

 部屋著なのも忘れて急いで部屋を飛び出し、練習用の音楽スタジオを一つ一つ順番に當たって探していく。

 3つ目のスタジオのドアを開けると、案の定心配していた通りケダモノとキアラが至近距離で見つめ合っていた。

「ちょっとアンタたち！！ 何やってんのよ！！」「へ？ 」

 キアラがケダモノのお面をがすように首に手を掛けていて、ケダモノの口元がし見えていた。

 ままま、まさか！ ききききキスするつもりだったんじゃないだろうなッ！！？

 こんのケダモノがぁーッ！

 私のキアラに手を出すどころか、口を付けようなどとぉーッ！

 ケダモノに向かって突進し、その勢いのまま顔面に目掛けて両足を突き出す。

「ち、違うんだ！ これには訳がーッ！！」「問答無用ーッ！！」

  私の渾のドロップキックがケダモノの顔面に綺麗に決まった。

「あッ、あ゛あぁぁぁーー！！！」「ゆッ、ユウさーーん！！」

 ドロップキックをモロにくらったケダモノは、3メートルほど回転しながら後ろに吹っ飛んで壁にぶつかり、そのまま壁に向かって土下座するような姿勢で崩れ落ちた。

「危ないところだったな、キアラ」「…… 」

「キアラ、大丈夫か？」「どうしてこんな酷いことをするの、アキラちゃん！！」

「え…？ だって…」「ユウさんが何をしたって言うのよ！？」

「キアラに手を出そうとしてたじゃんか！」「そんなことしてないでしょ！？ いきなりって來て理由もなくユウさんを蹴り飛ばして！ そんなに気になるんだったら最初から一緒に居ればよかったでしょッ！？」

「私はキアラが心配で… それで…  」

「私が心配だったら… 出てって…」「え？」

「もう出て行ってよッ！！」

 そう言って泣き出したキアラに何て聲を掛けていいかわからなくて、私はその場から逃げるように離れた。

 通路をフラフラと歩いている途中で、になにか冷たいものがれた気がしてって見ると、自分がいつの間にか泣いていることに気付いた。

 自分の部屋に戻りそのままベッドに倒れ込むと、のモヤモヤが気持ち悪くて布団をグチャグチャにして蹴っ飛ばした。

 私はただキアラが心配だっただけなのに、どうしてこんなになっちゃったんだよ！？

「アイツだ… アイツが全部悪いんだ！」

 枕に顔を押し付け、ただ大聲で泣き喚いた。