《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》朝曦
ジリリリリリという不愉快極まりない音が、寢起きという不愉快極まりないタイミングで耳をつんざく。
「あぁ~、分かったから…」
そんなことをぼやきながら、年は今もうるさく鳴り続けている目覚まし時計を止める。
優しげな雙眸と癖っな頭が特徴的なこの年の名は、塚田コウジ。今はまだ、普通の高校生である
時計の文字盤を見てみると、時刻は七時半。家を出るまで、あと三十分といったところだろうか。
支度を整えるため、ゆっくりとを起こし――――――猛スピードで再び布団に潛る。
寒い、非常に寒いのである。
「さっぶ…よく凍らないな、俺…」
思わずそんなことに心してしまったが、今は未だ一月中旬。當然と言えば當然か。
すると、
「お兄ちゃーん!遅刻するよー!」
なんて聲が一階から聞こえてくる。三十分あれば余裕で間に合うのだが…。しかし、そんなことを言おうものなら、今夜の俺の晩飯が無くなってしまう。
貍寢りをあきらめて、今まで自分が眠っていた布団を畳む。そして、畳み終わった布団を押しれへと収納する。
機上に置かれたスクールバックを取り、眠い目をりながらゆっくりと階段を下りていく。
下りていくと、香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。
「遅いよぉ、お兄ちゃん。おはよ~う」
そんな聲と共に一人のが顔を出す。ビー玉のような紺碧の瞳と、小柄な軀。腰に屆きそうな長い橙の髪は後頭部で一つに結えられている。
彼は俺の妹である塚田スミレ。十一歳の小學五年生であり、我が家の料理番である。
妹の顔を確認し、顔を洗いに洗面所へ向かおうとする。が、
「オォイイイィ!」
という聲と共に鳩尾に強い衝撃が加えられる。
「ぐはぁッ……!」
呼吸ができなくなり、激痛に思わずうずくまる。
今しがた聲を発した方向を見てみる。そこには鬼のような形相をしたスミレがこちらを睨んでいた。
どうやらスミレの蹴りが見事に俺の腹に命中したようだ。すごく痛い。
「お・は・よ・う」
ものすごく威圧しながら、もう一度挨拶をされる。
「お、おはようございます。スミレさん…」
その形相に、反撃できずに挨拶を返す。どうやら、挨拶を返さなかったことが癪らしい。
「ったく、挨拶は人間の基本だよ。それを返せない人間は塚田家(ウチ)には要らないよ!」
そう言い放たれ、素直に謝る。スミレの発言に対し反駁することはできなかった。するとリビングから、
「朝から騒がしいな」
新聞を読んでいる男がコーヒーを啜りながら、そう言う。
この男は俺の親父である塚田孝則である。昔は近所の中學校で教鞭を振るっていたのだが、そこが廃校になった今は隣町の小學校に勤めている。
「はい、朝ご飯できたよ~」
痛みに腹をさする俺を目に、背後からスミレが料理を手にリビングへと向かい、テーブルの上に料理を並べていく。
朝から鮭のムニエルと、我が妹ながら気合がっている。
親父が新聞を閉じ、塚田家の全員が著席するのを待つ。俺と親父に遅れてスミレが席に著き、
『いただきます』
と、一家全員で聲をそろえて言う。
朝食を取り始めるなり、親父がテレビを點ける。チャンネルを変える度にボタンを押していたが、やがてボタンを押す指を止める。
そのチャンネルでは畫面いっぱいに、倒壊した建が映し出されていた。そのうち何件かからは炎が上がっている。
「なんだか最近多くない?」
スミレがふとそう言う。
「ああ、多いな…」
それに応じるように親父が頷いた。
畫面に映っていた家々は、地震や土砂崩れなどの災害に見舞われたわけではない。
【排斥対象イントゥルージョン】、七年前に突如現れ次々に人間を襲った生命。        
その殆どが謎に包まれている。そして、畫面に映し出されている家屋は【排斥対象イントゥルージョン】に襲われたのだ。アレに関して分かっていることは、以下の通りだ。
Ⅰ,アレらは神出鬼沒で、人間のみを攻撃すること。
Ⅱ,アレらには「障壁」があり、通常の兵などを用いた攻撃が殆ど効かないこと。
Ⅲ,アレらには「中樞」があり、それを破壊できれば倒すことができるということ。
Ⅳ,アレらは七年前に最初に現れてから、回を増すたびに現れる數が増加していること。
そして、
Ⅴ,アレらを殲滅することができる組織があるらしいということ。
最後に関しては都市伝説のようなものではあるが、一部では強く浸している。
目撃証言はかなり多いが、寫真や畫といった証拠は未だに無い。もっとも、【排斥対象イントゥルージョン】が襲ってきているときに呑気にカメラなんて回そうものなら、真っ先に命を狙われてしまうわけだが。
そんなことを考えながら、ふとテレビ畫面の右上に表示されている時刻を見る。
「やべっ!もうかんな時間じゃん!」
しニュースに夢中になりすぎてしまっていたらしい。時刻は八時を指している。
「だから早く起きろって言ったのよ…」
悔しいが、スミレの言う通りである。このままでは遅刻してしまうかもしれない。
殘った朝食を猛スピードでの奧へと掻き込み、食を流し臺へ運ぶ。
急いで歯を磨き、制服に著替えて和室へ向かう。
和室には一つの仏壇があった。母のものである。
母は十二年前に通事故で亡くなったと聞いている。「聞いている」というのは、當時四歳の俺はそのことを覚えていないからだ。
「行ってきます、母さん。」
お鈴を鳴らし母に挨拶を済ませ、スクールバックを拾って家を出ようとする。
「んじゃ、行ってきまーす」
「あ!お兄ちゃん!」
家を出ようとしたところで、スミレに呼び止められる。
「コレ、今日から必要でしょ?」
そう言って、布に包まれた弁當を手渡される。
確かに弁當は今日から必要だったが、よくそこまで把握しているものである。ちょっと心。
「ああ、さんきゅ」
スミレに短く禮を言う。
「気を付けてね」
「あいよ」
短いやり取りを終え、玄関の扉を閉めた。
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