《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》離陸
あの手紙に同封されていた地図によれば、佐伯の家から學園まではそう遠くはなかったはずだ。
移中のヒカリはずっと無言でなんだか気まずかったが、し歩くと地図に示されていた場所へ到著した。
だが、その場所には校舎はおろか建造は何もなかった。そして、それ以上に目を引くものがそこには佇んでいた。
「……………ヘリ?」
そう、そこにあったのは一機のヘリコプターだった。
「なあ、校舎はどこだ?」
「逆にアンタはここが校舎に見えるわけ?」
率直な疑問を述べたコウジに対し、ヒカリは強い口調でそう言った。
「アンタの家に送った手紙を読み返して見なさい。ここに校舎があるなんて一言も書いてないはずよ」
屁理屈だ、とびたい気分だったが、それを堪えて質問を続ける。
「じ、じゃあ、學園はどこにあるんだ?」
「アレを見れば察しはつくでしょ?」
ヒカリはそう言って、ヘリを指差した。
「ってことは、まさか……」
「ええ、今からヘリに乗って行くのよ」
なんとなく勘付いてはいたが、信じたくはなかった事実を告げられた。
そんな話をしていると、ヘリの向こうから一人のが姿を現した。一つに結わえられた闇の髪と雙眸。長はコウジよりし大きいくらいで清潔のあるスーツから彼が真面目な人間であることが窺える。
「終わったわよ」
ヒカリは簡潔に先程起きたことを簡潔にへ説明していった。そして數分。
「ご苦労様でした、城嶺さん。急な出にも関わらず、素晴らしい果です」
がそういうと、ヒカリは嬉しそうに「當然よ」と大仰に頷いた。おそらく彼の扱い方を心得ているのだろう。
「城嶺さんは、先にヘリで待機していてください」
がそう促すと、ヒカリはそのままヘリに乗り込んでいった。
「はじめまして、塚田コウジさん。私は聖アニュッシュ學園で教諭を勤めている浜曷伽です」
浜曷と名乗ったそのは、それで、と続けた。
「これからあなたを本校の校舎へとご案しますが、よろしいですか?」
突然告げられたことにまだ決心が付かず、返答に詰まる。し間が空いて、コウジはゆっくりと聲を出した。
「もう、この街には戻ってこられないんですか?」
「いえ、外出屆けを頂ければ外出は可能です」
どうやら、街に戻ってくることは可能らしい。
「斷ったらどうなりますか?」
「我々は何もしませんが、あなたもつい先ほど経験したはずです。もう人権は無いと覚悟しておいた方がいいでしょう」
それもそうだ。もうこの街に自分の居場所はないし、あったらどこかの研究所かもしれない。
「それに、ここに留まることはあなた自がんでいないのではないですか?」
浜曷はコウジの心を言い當ててみせた。この街に住み続けることができても、それはきっと幸福とは程遠い人生になるだろう。それに、自分は常に命を狙われているようなものだ。この街に留まる意味はない。
「分かりました。行きます」と、コウジは力強くそう答えた。
「では、あちらのヘリに乗り込んでください」
浜曷はヘリを指さし、そう指示をした。コウジは言われたとおりにヘリに乗り込む。隣ではケータイをつつくヒカリがいた。
「なによ」
つい凝視してしまっただろうか、ヒカリは鋭くコチラを睨んできた。
「い、いや、なんでもない…」
すごく気まずい空気が漂う。何か話題はないだろうか。
「そ、その、さっきはありがとな……。助かったよ」
俺は彼に命を救われた。その恩はきっと風化させてはならないものだろう。俺は誠実に、謝を述べた。
「別にいいわよ。アタシはアンタを助けたかったわけじゃないの。アンタがこれ以上人を殺さないように、とっ捕まえに來ただけなの。アタシに禮を言うくらいなら、族に謝罪でもしなさい」
「そっか…。そうだよな……」
そこで會話が途絶える。さよなら會話、おかえり沈黙。
「そういえば、あの銃の扱いはどこで習ったんだ?すごく早かったけど…」
そう。先刻、ヒカリは目にも留まらぬ速さで銃を撃っていた。さぞ特殊な訓練でも積んでいたのだろう。
「別に、ちょっと練習しただけよ。それに、あんなのアニュッシュ學園ではなんの役にも立たないわ」
ヒカリは視線をスマートフォンに向けたままそう言った。
「おいおい、冗談だろ?一瞬で大の大人を五、六人を無力化出來るってのに、それが役に立たないって、話盛りすぎじゃないのか?」
流石にそれはないだろう。と、コウジは笑った。
「そうね、全く役に立たないわけじゃないわ。アンタの鼻一本分くらいには役立つかもしれないわね」
「それほぼ無意味じゃね!?」
コウジは悲鳴じみたツッコミをれた。いや、もしかするとこの発言はなんのボケでもないかもしれない。コウジはこれからとんでもないところへ向かおうとしているのかもしれない。
するとそこで浜曷教諭がやってきた。
「まもなくこのヘリは離陸します。アニュッシュ學園は千葉県銚親にあります。なので、到著するまで々時間がかかります。それまで本を読むなり仮眠をとるなりと、ご自由にして頂いて結構です」
浜曷は淡々と言うとパイロットでアイコンタクトで離陸の許可を出した。すると低い駆音とともに、ゆっくりとヘリのプロペラが回転を始めた。やがて回転の速度は上がっていき、機はゆっくりと浮上した。
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