《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》刪去
しばらく校を歩くと、一際大きな扉が目を引いた。その扉には大理石調のドアプレートに『學園長室』と彫られている。
浜曷は扉の前で、もう一度自分の著ているスーツを整えると、背筋を正してからコンコンコンとノックを三度し、
「學園長。塚田コウジを連れて參りました」
と、威容な聲で言った。
すると扉の向こうから「りなさい」とややしゃがれた聲が帰ってきた。
「はっ!」
浜曷はその聲に見事な敬禮をし、ドアノブを回した。
扉の向こうには大きな機があり、その奧の椅子に無髭を蓄えた初老の男が腰掛けていた。おそらくあの人が學園長だろう。それ以上に目を引いたのは、暗い顔で機の上に腰掛けていただった。綺麗な白髪を左側頭部で結わえており、城嶺と同じ制服にを包んでいる。は浜曷の姿を確認するとそのサファイアのような真赤な両目を輝かせ、浜曷に抱きついた。
「伽お姉ちゃん!!おかえり!!」
浜曷はやれやれとため息をついた。
「學園長、こちらが塚田コウジです」
浜曷はを學園長へ向けると、緩んだ表を再びくし、背中に鉄パイプでも突っ込まれているかのようなまっすぐな姿勢で、そう説明した。
「ふむ…歓迎するよ。塚田コウジくん」
學園長は立ち上がり、コウジの前に來ると手を差しべ、コウジと固い握手をわした。
「私は聖アニュッシュ學園二代目學園長、篠崎孝明(しのざきたかあき)だ」
「俺は塚田コウジです。よろしくおねがいします」
學園長は笑顔で頷いた。
「さて、學園への學手続きの前に一つやらなくてはならないことがあるんだ」
「やらなくてはならないこと?」
コウジは首を傾げた。
「ああ。HUMMING、こっちへ來なさい」
篠崎がそういうと、さっきのが浜曷に隠れるようにこちらを見てきた。
「…………アレ、やるの?」
「うん、やらなきゃダメなんだよ」
篠崎は優しく、宥めるような聲でそう言った。
「……………わかった」
はゆっくりとコウジの元へやってきた。は、その瞳でコウジをじっと見た。
「彼は『HUMMING(ハミング)』。君と同じで、特別な力を持った者だよ。人見知りだけど、仲良くしてやってくれ」
「なるほど…。よろしくね」
仲良くしろと言われ、挨拶代わりに握手をしようと手を差しべたが、今度は篠崎の後ろに隠れられてしまった。
「ははは、まだし警戒しているのかもしれないね」
人見知りとは言え、こうも警戒されるとし傷つくものだ。
「では學園長、我々は退出した方が良いでしょうか?」
浜曷が篠崎に問うた。
「そうだね。悪いけど二人ともし席を外してくれ」
篠崎が答えると浜曷は「はっ」と敬禮をし、城嶺を連れて部屋を出た。
「それで、やなくてはならないことってなんですか?」
コウジは焦らされていた先刻の言葉の答えを求めた。
「ああ、そうだそうだ。まず、彼の能力の説明をしよう。彼の能力は『記憶作』だ。自他を問わず記憶を消去、復元、書き換えることができる」
「『記憶作』……ですか。凄いですね」
そう、強い。この能力を使い、例えば「自分が総理大臣である」と全ての日本人の記憶を書き換えれば、國のトップに立てるのだ。今すぐにでもテロを起こせそうな能力だ。
「ただ、彼の能力には一つ條件があるんだ」
「條件?」
條件という言葉が引っかかり、思わず聞き返す。確かにコウジの能力にも、今確認できているだけで、右手でれたものを消し、左手で新しいものを作るという條件はある。HUMMINGにもそういった能力の條件があるのだろうか。
「その條件は『両手をつなぐ』ことなんだ。「れる」じゃなくて「握る」こと。だから彼はそう易々と他人の記憶を書き換えられなかったんだ」
學園長の言葉にコウジは納得した。この條件はかなり厳しいものだ。日本國民全てと両手を繋ぐのはかなり時間と力が必要になってくるし、初対面の人間に「両手を繋ぎましょう」と言われて素直につなごうとする人は決して多くはない。何より彼自が人見知りであれば難易度はさらに上がるだろう。
「そして、これから彼の能力を使って『君の記憶を消す』のだよ」
「……………………へ?」
突然言われたその言葉にコウジは嘆のあまり変な聲が出てしまった。
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