《異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??》鵼的
植室へと向かう道中。
「では、あなたたちの能力が発現するメカニズムについて、簡単に説明します」
浜曷がそう切り出した。
「あなた方の能力は、世界的な発見をした科學者達から來ているものです。そして、我々は能力の基となる學者のことを『核者』と呼稱しています」
「核者……?」
コウジはその言葉に引っかかりをじた。
「はい、塚田君の能力は『アントワーヌ・ラヴォアジエ』による能力です。」
アントワーヌ・ラヴォアジエ。近代化學の父と稱される人で、質量保存の法則を発見した人である。となると、コウジの能力は質量保存の法則が由來だとわかる。
だが。
「でも、アントワーヌ・ラヴォアジエは大昔の學者ですよね?なんで今、俺にその能力が?」
そこだ。大昔の人間の発見した法則がなぜ今になって、コウジのに能力として発現したのか。そこが不可解なのだ。
「あなた方の能力を我々は『才華』と呼稱しています。そして、今の質問ですが、核者のです」
「……?」
突然放たれたその言葉を思わず口に出す。
「はい、核者となった學者の亡骸には、必ず、元に一の花が咲いていたんです」
そんなロマンチックなことが起こるのか。と、コウジは嘆してしまった。
「そして、それらの花には、ある特徴がありました。それは、伝報の中に核者のDNAが含まれていたのです」
植の伝報の中に人間のDNAが存在している。
これは絶対にありえないことである。
仮にありえたとすると、その植は永遠にその人間の形質を引き継ぐことになる。植は世代間での形質の変化がない為だ。
「また、それらの植は花や綿を飛ばすように、核者の伝報を飛ばしていたのです。そして、それと適合し反応した人間は特殊な能力がにつくのです」
浜曷は一通りの説明を終えた。
「そんなのありえませんよ!!質量がない単なる報が、人間のに作用を起こすことなんてありえません!!」
コウジはんだ。いくらなんでもそんなことは絶対に起こるはずがない。だが。
「では、あなたのその能力は何と説明するんですか?」
浜曷にそう言われ、言葉に詰まる。
「世の中にはありえないことや不可能なことがいくつも存在しているんです。現狀で能力について我々が解明できているのはここまでです」
浜曷は靜かに、そして冷たくそう言った。
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