「やっと部活行けるぜぇ～」

満面の笑顔えみを浮かべ、雄一は、ため息と一緒に

口から放り出した。

今日の科目はやけにめんどくさかった。

クソババァ先公の古文の授業と

激コワ先公の數學の授業が重なった日は、まじで

に疲労がたまる。

やけに長くじる廊下を歩き、育館まで行き、

適當に準備をやり、基礎打ちにとりかかった。

俺、雄一、香、久子が所屬するのはこの

バドミントン部だ。

子は1年、二年合わせて28人いるのだが、

男子は二年は俺と雄一の二人、一年は村上卓也の

たった一人の後輩だけだ。

卓也は、しお茶目な部分もあるが、

俺たち先輩にはちゃんと敬語を使える良いやつだ。

「スマッシュ打とうぜ、タクト」

俺はいつものように雄一と楽しく部活をしている。

いや、違う。

部活の楽しみはもう一つある。

それは、香がバドミントンをしているときの

あの揺れるを見ることだ。

（俺もやっぱ変態になったなー）

だが、どこを探しても香が見當たらない。

「おいタクト、お前ミス多いぞ？

どうしたんだ？」

「いや、なんでもない。

ちょっと今日は調子が悪いみたいだ。

雄一が心配そうに俺に問いかけるが、気にするな

とその場をごまかす。

休憩時間になると、俺はすぐさま久子に聞いた。

「なあ、香見てねえか？」

久子は、し考えたかと思うと、辺りを

見渡し、それから答えた。

「見てないね～、

どこ行ったんだろ､､､」

「そうか、じゃいいや。ありがとな」

俺がその場を立ち去ろうとすると、久子が

腕を引き、止めた。

「そう言えばさぁ～、さっきトイレに行ったとき、

松下先輩が   タクトのこと探してるっぽかったよ」

！！！

俺は驚きの表を隠せなかった。

松下先輩、名前は松下奈々子。

現在三年生、元バドミントン部の先輩だ。

顔は、モデルやってるんかい？！というほど、

誰が見ても可いといえるほどの人で、

とても心優しい完璧なだ。

俺は、久子にお禮の言葉を言うとすぐに

育館を出て松下先輩を探してた。

雄一にどこに行くか聞かれたが答えずに

それまま走った。

なぜなら、俺は松下先輩のことが本気で

好きだったのだ。

他の男は「人だな～」で終わってるかも

しれないけど、俺は、そうじゃない。

本當に心から松下奈々子のことをしているのだ。

考え過ぎるかもしれない。

ただ、ちょっとした話かもしれない。

でも、俺はもう松下先輩が引退してから顔も

見てないし、話してもいない。

もう一度、もうしだけでいいから、松下先輩と

言葉をわしたい。

その一心で松下先輩を探した。

と、行く途中、俺の教室で音が聞こえた。

ガシン、ガシンという何が何かを叩く音だ。

「ま、どうせまた擔任の先生がストレス発散

してるんだろ」

たまにこんな音が聞こえた時、教室をのぞくと

いつも擔任の先生が機を毆っている。

相當ストレスが溜まっているのだろう。

だが、今回はし音の質が違ったような､､､

まあいいや。

とにかく、松下先輩に早く會いたい。

俺は教室を見ないで走り続けた。

廊下の角を曲がったところで、誰かに

呼び止められた。

「あ、タクト君」

振り向く前から俺はこの聲の主がわかっていた。

（松下先輩､､､）

の鼓が徐々に早くなるかと思うと

もう止まらない。

嬉しさと張が混ざり合って何だか変な

気分になったきた。

俺はゆっくりとを後ろに向けた。

「久しぶりね、タクト君」

「お、お久しぶりです！」

喜びのあまり、緒不安定になりそうだ。

こんな嬉しいこと、最近あっただろうか。

だが、何だか先輩は元気がないみたいだ。

顔も悪い。

「私が今から言うこと、真剣に聞いてくれる？」

心配そうに、不安そうに俺に問いかける。

「は、はい」

ツバをごくりと飲み込み、先輩の言葉を待つ。

「私と､､､付き合ってくれない？」

へ？

俺は頭が真っ白になり、中がじゅわじゅわと

溶け出してくるじがする。

ま、マジすか？

しばらく沈黙が続いた。