《雪が降る世界》第13話 〜夏休み2〜
「なんかあったか?電話、珍しいな。」
「あぁ、璃久に會ってみたいって言う人がいるんだけど。呼んだのはそっちじゃなくて、璃久大好きって人がさ。」
「うん?」
「さっき…亡くなったから。」
「「えぇ?!」」
うわ、こいつらの前でよくそんなことを…。常識が違うから。
「で、どうしろと?」
「その子がここを出る前に、あってあげてほしいなーって。家族もいるからさ。」
無茶苦茶言うなこいつ。親に會ってくれって…。なかなか新しい。長らくそんなことなかったからなんだとか思ってたが。
「いや…無理。その人知らないし…。」
「あはは、やっぱりそう言うと思った。」
「こまひでぇ。」
んんん?俺はひどくなくないか?知らねぇ人だぞ?加お前分かってるか?
「…こまって呼ばれてるの。なんか可いね。」
「黙れ。…さすがに生きてる奴には會ってやるよ。どこにいるんだ?」
「4階の、奧から2番目。」
と、來てみたが…。初めてだな4階。ヤバい階としか認識していない。…澪もここに移しないといけないかもしれないって言われた時期もあったな…。
あれ、面會オッケーなのか?まぁなんかあったらちゃんと事を説明すりゃいいわ。
加春瀬七海はさすがに澪に止められてた。いろいろ悟ったんだろーな。
──コンコン…
「こんにちは…う…わ…。」
すごい數の、點滴。澪以上だ。何本もつけている、というよりは、準備してある方が。
え、どうしよう。このまま帰るか?
「あれ…面會なんて久しぶり…。誰?」
その狀態で喋れるもんか?
「あ、えっと駒井…。澪の」
「あ、雙子のお兄ちゃん。びっくりした?でもこれはそこまで大掛かりなことはやってないから。安心してね。」
「こま?…ごめん、澪?の反対押し切って俺だけきた。」
「七海…。大丈夫なのか?あ、そういやそうだったな。」
部屋にるなりその子を見る七海。耐つけられてんのかな。
「ウルリッヒ…?」
はい?急にどうした。何それドイツ語?
「あ、すごい…!うん。」
「待って何」
「いや、前に読んだ本…テスト週間にこまの家で読んだ本。あれに、書いてあったのによく似てたから。あと、そこに書いてある。」
気持ち悪いまでの記憶力さすがかよ。つかそこじゃない。
ウルリッヒって何?Wikipediaー。
…よくわかんねえ。理系だけど。
「初めてだ…。実際にこんな人に會うのは…。」
「あはは、滅多にいないからね。」
なんで嬉しそうなんだお前。意味不明。
これからかな。俺の中で何かが切れたのは。
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