《雪が降る世界》第57話 〜絶〜
「うわぁぁぁコウモリーーー!」
「ちょっと、天井から足が…!もうほんとに嫌、加前行って。」
「はぁ?何があんの?」
「やっばぁ…。時夏は大丈夫なんだ…。」
「うん。霊ゼロだし。」
「いやいやまだ理的に危ないのあるじゃん。」
「俺ほぼ毎日階段から落とされてたし水被らない日の方がなかったから普通。」
「…ごめん。」
ガマ、怖い…。
「なんか彼氏の気分!」
あぁそっか。俺と七海が加にしがみついてるから…。
「時夏にしよ。」
「うん。」
「えっ。」
「えっ。俺結構頼りないよ?」
「この狀況だから許せ。」
「そりゃ…2人がいいなら別に…。」
「待って待って…。聲と匂いがエライことになってる…。」
さぁ七海には何が見えているのか…。俺にはただの暗い窟でコウモリがすごいってことくらいしかわからんが。
ここのガマは七海によるとアメリカ兵が何とかって…。だいたい予想はできるんだけど程度が地域でいろいろあるらしくて今いるのは割と酷かったとか。
「背筋がゾワゾワするな。」
「だって思いっきり抱きつかれてるもん…。こまは見た目外國人だから…。」
「もっと早く言って…!」
「それどころじゃねぇ…!」
「こんな可い七海見ることないよね時夏。」
「ほんとだよ。…大丈夫?」
「なわけあるか。倒れそう。」
「もうちょっとだから頑張って!」
「あぁ…。」
さすがに見えるとキツイよな…。マニアだったら喋るくらいしそうなのに。
「幽霊の聲聞こえてんだろ?何て言ってる?」
「えぇ…?んー…。なんかめっちゃ語ってんだよね…。なんだろ、熱いって言ってんのかな。方言が俺の知ってるやつじゃない。」
「熱い?」
「火の熱さだろうな。
いやそうじゃなくて。聞かせんな。」
「ごめんごめん。抱えてやろうか?」
「…。」
「えっ、無視?!」
「うるさい…。最近運してないからちょっと重増えたんだよ…!」
乙か。そもそも七海細かったしいいじゃん。
「ものは試しだ!」
「は?ちょ、何やって、うわぁっ。」
……。
「暴れんなってー。」
「おろせ!酷い絵面だろ?!」
「暗いから大丈夫ー。それに全っ然重くねぇ。何キロ?」
「…60いくかいかないか、くらい……。」
「痩せてんなー。185cmくらいだろ?」
ねぇ5cmでいいから分けて。
「黙れ。」
「170は?」
「もう名前じゃねぇのかよ。四捨五して50だ…。」
「切り上げ?切り捨て?」
「切り上げ!」
なんでこんな所にまで來て型の話してんだ馬鹿…!
「ちょっともうその辺にしとこ。」
「そうね。祟られそう。」
はぁ…やっと終わった…。あのガイドさん話が長い…!七海なんて説明と霊の聲が混ざって無駄に想像できたとか言って今トイレに篭ってるし。…大丈夫か?
「七海ー。集合かかってるよー。」
「あ、後で合流する…。」
「いや今から船乗るんだが。」
「わかった…ちょっと待って…。」
數分後、真っ青になった七海が出てきた。
…船酔いとかしなきゃいいんだけど。
「こんな追い討ちある?」
「ここまで來ると可哀想以外のなんでもないよね。はい、ビニール袋。酔い止め飲んだ?」
「飲んでるけど全く効いてない。」
「…橫になっとく?まだ時間かかるみたい。」
生憎救護室的な所は既に人が何人かいて七海が寢れる場所はなく。俺としては軽い酔いなら譲ってしいんだが…。
「…座っとくよ。優先順位ってのがあるだろ?」
「見たじお前が1番心配なんだって。」
「ん…?なんで?」
「さっきも戻してたし顔悪過ぎだし病人だから!」
「はは…。大丈夫。」
「どこがだよ。」
「頼んでみる。」
「え、時夏、別にいいって。」
「駄目、元気な人絶対いるから。」
…まぁ確かにな?昨日寢不足ですって人多そう。
「ありがとう…。」
「どうやったんだ?ほぼ子だったのに。しかも他クラスの。」
「ただの寢不足なら座って寢ろって言った。」
「強…。でも助かったな。」
「これで楽になればいいけど…。」
「なんか時夏のおばあちゃんが日に日に増してる気がする。」
「そ、そう?」
「なんとなくね。」
養護の先生が思ったより大変そうで、俺がしだけ手伝った。七海もいたからさすがに1人でやるのは厳しいかなーって。まさかあんな経験がここで生かされるなんて。
次の場所に著くまでずっと救護室にいた。
それはそれで先生にすごく謝られたが…加以外はあんまり賑やかなのは得意じゃないから割と好都合だったりする。
海なら明日でもゆっくり見れるはず。
「七海、著いたよ。調子どう?」
「うん…。復活。」
「よかった。降りよう。」
「…みんなずっとここにいたのか?」
「え?當たり前じゃん。」
「そう、か…。ごめん…。」
「何が?」
「ほら…外、見たかっただろ?」
「明日見れるから気にすんな。」
今からは琉球…?の資料館に行く予定。
グロさもないし危なくないし、なんとかなるかな。ただ…。
「これ行って意味あんのか…。」
「去年七海にいっぱい聞いたよね。」
「生で見た方がいいから。」
「んーまぁそうだね。」
高1の前期期末の勉強中、琉球出てきたからこと細かに教えてもらった。今でもはっきり覚えてる。
「2時間くらいか…。全部は難しそうだな。」
「え?でもそんなびっくりするほどの規模じゃなくね?」
「そりゃ見るだけなら。説明読んでたら時間食うんだよ。」
「俺真面目に読んだことねぇなー。」
「だから脳筋なんじゃない?」
「だってあんな字の羅列見続けるの苦しくね?」
「なんかこいつが理系なのわかった気がする。今をもって。」
「同。」
無駄に疲れた…。資料館には他の修學旅行生もいて一般客もいた。普通に素のまま行ってたから…。
「七海のファン多すぎ!やめてほしいわ!」
「それはお前もだろこま!」
「俺は何もしてなかったのが悪いけど七海変裝って、眼鏡しかなかったじゃん!ファンは気づくって!」
「落ち著いて落ち著いて…!このホテル他のお客さんもいるから…!」
あんなに話しかけられるなんて思ってなかった。人混みに紛れようとしたのにうまくいかなくて。…七海が長高いから。
秒でバレたよね。
「結局何も見れなかったな。先生も間にれてなかったし。」
「そもそもこんな遠くまで知られてんの?やばくね?」
「…こまも七海も自分の価値分かってないよねほんと。」
「こんな完璧な相方だと。」
「は?俺みんなが思ってるほどできる奴じゃない。」
「口うぞ。」
「んぐ…。努力家と天才は違うんだよ。」
「黙れ天然。」
「そっくりそのまま返す。」
「ふたりとも寢てくれ。」
「は?なんで?」
「いいから寢ろ。」
加に布団を押し付けられ、に負けた。それは七海も同じようで。
「ん…。」
その後のことは何も記憶に殘っていない。
目が覚めるとロビーの椅子に座っていた。目の前にあるのは多分夜ご飯。
「あ、起きた。早く食べよ。」
「うーん…。腰痛い…。」
「どんまい。」
「…これ何?」
見たことない料理で食べるかどうか迷う。
?いや赤みがない…。魚?にしては香りが初験だ。
「それね、ミミガーって言うらしいけど味しかったよ。」
「へぇー、類?」
「豚の耳なんだって。」
へ?耳…?
「一気に食失せた。」
「あはは、ちょっと分かる。じゃあくらい食べとけよ?」
「あぁ。これは知ってる。」
見たことあるやつに似てるしいけると思ったら。
「ん…?味しいけど…なんか違う…。」
「まぁいいじゃん細かいことは。」
「うん…。」
後で春瀬に聞いてみると、あの料理はウミヘビを使った有名な料理らしい。容にいいとか健康にいいとかで。
知る前に食べといてよかった。
ちなみに七海は全く食べれなかったそうだ。
「あんなもんって言ったら悪いけど、ミミガーの時點で発狂するかと思った。」
「ガマとセットにしてしくはなかったね。」
「それな。」
俺はまだ頑張った方だ。多分。
【書籍化決定】愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜
何よりも本を愛する明渓は、後宮で侍女をしていた叔母から、後宮には珍しく本がずらりと並ぶ蔵書宮があると聞く。そして、本を読む為だけに後宮入りを決意する。 しかし、事件に巻きこまれ、好奇心に負け、どんどん本を読む時間は減っていく。 さらに、小柄な醫官見習いの僑月に興味をもたれたり、剣術にも長けている事が皇族の目に留まり、東宮やその弟も何かと関わってくる始末。 持ち前の博識を駆使して、後宮生活を満喫しているだけなのに、何故か理想としていた日々からは遠ざかるばかり。 皇族との三角関係と、様々な謎に、振り回されたり、振り回したりしながら、明渓が望む本に囲まれた生活はやってくるのか。 R15は念のためです。 3/4他複數日、日間推理ランキングで一位になりました!ありがとうございます。 誤字報告ありがとうございます。第10回ネット小説大賞ニ次選考通過しました!
8 58クリフエッジシリーズ第二部:「重巡航艦サフォーク5:孤獨の戦闘指揮所(CIC)」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一二年十月。銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國では戦爭の足音が聞こえ始めていた。 トリビューン星系の小惑星帯でゾンファ共和國の通商破壊艦を破壊したスループ艦ブルーベル34號は本拠地キャメロット星系に帰還した。 士官候補生クリフォード・C・コリングウッドは作戦の提案、その後の敵拠點への潛入破壊作戦で功績を上げ、彼のあだ名、“崖っぷち(クリフエッジ)”はマスコミを賑わすことになる。 時の人となったクリフォードは少尉に任官後、僅か九ヶ月で中尉に昇進し、重巡航艦サフォーク5の戦術士官となった。 彼の乗り込む重巡航艦は哨戒艦隊の旗艦として、ゾンファ共和國との緩衝地帯ターマガント宙域に飛び立つ。 しかし、サフォーク5には敵の謀略の手が伸びていた…… そして、クリフォードは戦闘指揮所に孤立し、再び崖っぷちに立たされることになる。 ――― 登場人物: アルビオン王國 ・クリフォード・C・コリングウッド:重巡サフォーク5戦術士官、中尉、20歳 ・サロメ・モーガン:同艦長、大佐、38歳 ・グリフィス・アリンガム:同副長、少佐、32歳 ・スーザン・キンケイド:同情報士、少佐、29歳 ・ケリー・クロスビー:同掌砲手、一等兵曹、31歳 ・デボラ・キャンベル:同操舵員、二等兵曹、26歳 ・デーヴィッド・サドラー:同機関科兵曹、三等兵曹、29歳 ・ジャクリーン・ウォルターズ:同通信科兵曹、三等兵曹、26歳 ・マチルダ・ティレット:同航法科兵曹、三等兵曹、25歳 ・ジャック・レイヴァース:同索敵員、上等兵、21歳 ・イレーネ・ニコルソン:アルビオン軍軽巡ファルマス艦長、中佐、34歳 ・サミュエル・ラングフォード:同情報士官、少尉、22歳 ・エマニュエル・コパーウィート:キャメロット第一艦隊司令官、大將、53歳 ・ヴィヴィアン・ノースブルック:伯爵家令嬢、17歳 ・ウーサー・ノースブルック:連邦下院議員、伯爵家の當主、47歳 ゾンファ共和國 ・フェイ・ツーロン:偵察戦隊司令・重巡ビアン艦長、大佐、42歳 ・リー・シアンヤン:軽巡ティアンオ艦長、中佐、38歳 ・ホアン・ウェンデン:軽巡ヤンズ艦長、中佐、37歳 ・マオ・インチウ:軽巡バイホ艦長、中佐、35歳 ・フー・シャオガン:ジュンツェン方面軍司令長官、上將、55歳 ・チェン・トンシュン:軍事委員、50歳
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