《りんご》協奏
「なんで逃げるんですか!」
「いやあああああ!こないでえええ!」
「僕はこんなにしているのに!」
「私はしていないわ!それに私たちは敵國の者同士、絶対に結ばれてはいけないのです!」
「っていう冗談はいいですからほんと止まってくださいって!」
力のない先輩なら余裕で撒けるだろうと考えていたが、予想以上にこの狀況が楽しくなってしまった。走り疲れて歩き始めた先輩を待つ始末。
「なんで、逃げたん、ですか、?」
先輩が辛そうなので、公園に來てみた。私も力がある方ではないので、し息が上がってしまった。先輩はれた息を整えながらベンチに倒れ込む。すぐ橫の自販機でコーヒーを買って渡してあげた。
「つめた〜い、はあ。」
本格的に橫になった先輩は、コーヒーの缶を首元に當てて涼を取っている。ぬるくなるな、あれ。
「ユキさん。」
「はい。」
「もう一度聞きます、なんで逃げたんですか?」
寢そべりながら、赤みが殘る顔を立ったままの私に向けてくる。
「とりあえず座らせてくれません?」
私はソーダを飲みながら、拙い言葉で思いを告げた。どうしてあの時あんなに怒ったのかわからないこと、その後どうしていいか分からなくなったこと、考えるのを放棄したくて今回逃げたこと。
「ほんと、すみません。部活も休んでしまって。」
先輩はしぬるくなったコーヒーを飲みほして、突然立ち上がった。
「全部許します。が、どうして怒ったのかはユキさんが自分で知る必要がありますね。」
投げた空き缶はゴミ箱の角に當たり、相変わらず格好悪い先輩はそれを拾いに行った。
幼女無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族の幼女になって【英霊召喚】で溺愛スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】
【サーガフォレスト様から1巻発売中&続刊決定!吉岡榊先生によるコミカライズ準備中!】 私は勇者パーティーのリリス。その勇者に裏切られて倒れていた私を助けてくれたのは魔族の四天王。そして、彼らの好意もあって魔族になったんだけど…。その時の手違いで幼女化してしまう。 「おい、邪竜を倒してこいって言ったよな?」 「けんぞくに、なるっていうから、ちゅれてきたー!」 そんな幼女が無雙する反面、彼女を裏切った勇者パーティーは、以前のような活躍もできずに落ちぶれていく。 そして、私を溺愛する父兄も「こんな國、もう知らん! 我が領は獨立する!」と宣言する。 獨立後は、家族で內政無雙したり、魔族領に戻って、実家の謎を解いたり。 自由気ままに、幼女が無雙したり、スローライフしたりするお話。 ✳︎本作は、拙作の別作品と同名のキャラが出てきますが、別世界(パラレル)なお話です✳︎ 舊題「幼女無雙 〜勇者に裏切られた召喚師、魔族の四天王になる。もう遠慮はなしで【英霊召喚】で無雙します!〜」 © 2021 yocco ※無斷転載・無斷翻訳を禁止します。 The author, yocco, reserves all rights, both national and international. The translation, publication or distribution of any work or partial work is expressly prohibited without the written consent of the author.
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