《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第三話 調査
ユウキは、翌日から塾に行くことに決まった。
連絡先を換していた、早苗さんと待ち合わせて行くようだ。
オヤジが帰ってきていたので、軽く説明を行った。
もう塾のパケット収集はできているようで、報を流してもらった丸投げされた。そのまま、オヤジは風呂にって、寢るようだ。オフクロは、夜勤のはずだ。桜さんは、署に泊まり込みだと言っていたし、和さんは、最近顧問になった東京の會社に行っている。
パケットを査していると、ユウキからの著信があった
『タクミ!』
「なんだよ?」
『タクミ。聞いて!いや、今日、おじさんと沙菜さんは?』
「オヤジは、さっき帰って來て、風呂ったから寢ていると思うぞ。おふくろは、夜勤」
『わかった。そっちに行く!』
「あぁわかった。夕ご飯は?」
『食べてない』
「わかった。用意しておく。簡単なでいいよな?」
『うん。をお願い。疲れたから、食べたい』
「はい。はい。塾からだと、20分くらいか?」
『うーん。30分くらいかな。早苗ちゃんを駅まで送っていくから』
「わかった」
そこで電話が切れた。
何か有ったのだろう。それにしても、きが早いな。
ユウキがをご所なので、冷蔵庫をあさっていたら、ひきが有ったので、簡単にハンバーグにする。來てから、焼いてもいいだろう。パンも有るし、付け合せに良さそうな、コーンとじゃがいももあるので、同時に調理を始める。
缶りのコーンは、半分だけ簡単にバターで炒める。殘りの半分は、コーンスープの材にする。じゃがいもは、皮を剝いて芽を取ってから、一口大に切って、焼いておく。パンは、フランスパンだから切り分けておけばいいだろう。ハンバーグの味付けをし濃くしておけば、乗せて食べるのには丁度いいだろう。
ひきと牛に浸したパンを混ぜる。たまごを落として、みじん切りにした玉ねぎを加える。
焼くときに形すればいいだろう。ユウキは、チーズも好きなので、形するときに、真ん中にチーズをれてやろう。
じゃがいもとコーンスープの狀態を見ながら、パケットを眺めている。
どうやら、SNS を使った連絡では無いようだな。頻繁にアクセスしているサイトが有るようだけど、認証が組み込まれているのか・・・。裏サイトか?
SSL が導されていないようだな。ふぅ~ん。古風な・・・掲示板を使っているようだな。
玄関が開く音がした。
ユウキが來たようだ。まっすぐにリビングにってきて、テーブルに座る。自分の定位置とでも思っているのだろうか?
「タクミ!聞いて!早苗ちゃんのいじめって勘違いから始まっているみたいなんだよ!」
ハンバーグを焼きながら、ユウキの話を聞いた。
やはり、いじめは存在しているが、塾での無視や、模試や講義の容を見せないようにするじのようだ。を隠したり、噓の話を広げたりは、”まだ”無いようだ。塾だから無視されても、困りはしないとは思うけど、休憩時間とかに一人で居るのはやはり寂しいのだろう。
ユウキが話しかけたときに、嬉しそうにしていたらしい。
肝心の理由だが、早苗さんが、そのいじめているグループの中心人の”彼氏に目を使った”が、発端のようだ。
その彼氏と言っていたが、ユウキがじたところだと、彼氏でも何でもなくて、その男が調子がいいだけの”チャラ男”だという評価だ。それを、勘違いしているのではないかということだ。早苗さんに確認したら、”チャラ男”は同じ學校なので、一度偶然塾に來るときに一緒になった事が有るようだ。早苗さんは、気持ち悪いくらいなれなれしいと嫌いしていた。ユウキの評価も同じ様なだ。
ユウキが、早苗さんと楽しく話していのを見た、いじめグループの連中が、ユウキがトイレにったところで、こと細かく、この辺りの事を教えてくれたようだ。
そして、早苗さんと付き合うなと忠告までしてくれたようだ。”チャラ男”=掲示板にかかれている”王子”で間違いないだろう。
そうなると、”ドロ貓”が早苗さんの事なのだろうか?
なになら、協定の様なが有るようだ。これは、ユウキの話しから、近づくなとか、協定を破ったとか、いろいろ言われたので間違いはなさそうだ。
実につまらない。
裏サイトも、SSLも無ければ、認証もBASIC認証だ、ハッキングなんてしないでも、パスワードも普通に平文で流れているから読み取れる。IDとパスワードが一つだけだったので、一人だけかと思ったけど、どうやら、全員が同じを使っているようだ。
調査はほぼ何もしないで終了した。
原因も、ユウキが聞いてきた容で間違いないだろう。なんと言っても、本人たちからの証言だ。裏サイトの存在も認識できた。
解決方法は、”早苗さんが辭める”のがいいように思えてしまう。塾の方は、裏サイトの監視を行っておけばいいだろう。塾なのだから、変な噂が立たなければ問題は無いのだろう。個人的には、その王子と呼ばれているヤツを辭めさせたほうが、塾のためにはなると思うが、それは塾が考えればよい事だ。
5つ目のハンバーグを焼きながら考えをまとめる。
700g近い分量を二人で食べたことになる。育ち盛りだからといえ食べ過ぎかもしれない。ユウキは、それにチーズもっている。完全にカロリーオーバだろう。脳の筋が長しない事を祈ろう。
「え?なに?タクミ。何か言った?」
俺口に出していた?
「ん?なんでもないよ。ユウキ。まだ食べるのか?」
「うーん。もういいかな?デザートも有るでしょ?」
「ないわ!」
「えぇぇぇ無いの?何か作ってよ」
「今からか?簡単なヤツでいいよな?」
「しょうがない。いいよ!」
「ユウキ・・・。まぁいいかぁ」
「やったぁ!」
牛とまぜるだけのヤツを作って出す。ぶつくさいいながら、全部を綺麗に平らげていた。
「タクミ。後で、お風呂もよろしくね」
どうやら、今日も泊まっていくようだ。著替え?この家には、ユウキの部屋がある。中二階の納戸だが、いつの間にか、オフクロと相談して、ユウキの部屋になっている。部屋と言っても著替えが置いてあるだけだ。寢るのは、リビングのソファーが好みのようだ。いそいそと自分の布を持ってきている。
ユウキが風呂にっている間、俺は作業部屋にこもって、資料をまとめる事にした。
未來さんからの正式な依頼なので、フォーマットもしっかりしたを使う。
ネット的な解決方法はない旨も忘れないで書いておく。
”いじめ”の実態に関しては、ユウキの証言で十分だろう。捜査機関でもないので、顧客が満足できればいいのだ。
難しい説明は必要ないだろう。技的な説明も殆ど省く。
技的な事は別にして、裏サイトの実態調査だけはしておいたほうが良さそうだな。
サイトのURLがわかっているから、検索エンジンにインデックスが登録されていないかや、検索避けがされているのかや、キーワードでの調査を行っておく。
偶然サイトに訪れる可能は低いようだし、知り合い同士で URL を送り合っているのだろう。
検索エンジンに関しての講釈は、オヤジに任せるとして、パケットから読み取れる事実だけを列挙しておく、ゲームサイトへのアクセスや、各種SNSへのアクセスも有るようだ。あとは、よその塾で行っている講義畫を見ているらしい事もわかってきた。
この辺りの事をまとめて、未來さんにメールで連絡しておく。
「タクミ!」
ユウキが風呂から出て落ち著いたのだろう。
「あ?」
「ジュースもらったよ」
「あぁユウキ用のヤツ?」
「うん!」
「わかった。あっユウキ寢る前にし話しがあるけどいいか?」
「うん。何?」
ユウキが、炭酸のオレンジジュースを持って、部屋にってくる。
「早苗さんの事だけど・・・」
「うん」
「他に何か言われた?」
「うーん。王子に近づくなとか言われたよ。あと、なんかURLを渡されて、これを使ってくれとか言われた」
「URL?サイト?」
「うん。でも、何も表示されなかった。あっタクミに言われた通りに、アクセスしたよ」
「そうか・・・URLは?」
「ちょっと待って、紙持ってくる!」
ユウキがリビングに降りていった。
すぐに上がってきて、部屋にってきた。渡された紙には、QRコードが一つだけ書かれていた。
「僕はどうしたらいい?」
「明日から?」
「うん」
「塾・・・どうしようか?」
「今日は、験學だったから、行きたくなかったら辭めていいって言われたよ?」
「そう?ユウキ的にはどう?」
「うーん。験対策だからね。僕には関係ないかな?電気工事士や電気通信設備工事の試験対策なら興味が有るけど、大學の験対策は・・・」
「そうだよな」
「うん。早苗ちゃんの問題が解決なら、僕は塾には行かないよ」
「そうか、わかった、桜さんと和さんには、俺から言っておくよ」
「うん。お願い!それで?」
「それで?」
「うん。ミクさんのところに行くよね?僕も行っていいよね?」
「あぁもちろんだよ。未來さんにも連絡をしているから、そのうち連絡が來ると思う」
「わかった。味しいタルト屋さんを教えてもらったから、行く時に買っていこうね」
「はい。はい」
「うん。タクミはまだ寢ないの?」
「あぁさっきのQRを調べてから寢るよ」
「わかった、おやすみ。無理しないでね」
「あぁおやすみ」
ユウキが部屋に戻っていく。
QRコードか、パソコンのカメラで読み込んでから、解析を行う。
本當に、URLが一個だけっている。
面倒だな、短URLか・・・。あぁだから、ユウキの端末では弾いたのだな。
短URLを使う程度の知恵はあるって事なんだな。なんだよ。リダイレクトされるのか?
ん?検索エンジンに飛んだか?って事は、切り分けを行っているな。
Agent を偽裝してみるか?
ビンゴ!Android 端末を偽裝したら、サイトが開いた。コミュニケーションサイトへの登録?SSLもなく、力フォーム?
まぁいいか・・・捨てメアドは作ればいいからな。こういう時のためのドメインも用意している。メアドから類推されるのも面白くないから、適當な羅列にしたメアドを作して、サイト登録用のメアドにする。これで、このメアドにメールが來た場合には、ここから流出した可能が高くなる。そこまでしているとは思えないけど、なんとなく嫌な予がするからな。
フォームに報を記述して、送信する。
あぁアプリをダウンロードしろ・・・かぁ正式サイトに飛んだから、流石に偽裝を解除しないと駄目だろうな。
なんだこれ?
コミュニケーションツール・・・じゃないな。さてどうしようか、一応、正規サイトからのダウンロードだから、一定の基準は満たしているのだろうけど、連絡用アプリとなっているが、パーミッションが”ほぼ”すべてのパーミッションを要求している。
APK のダウンロードだけして、エミュレータでかしてみるか?
駄目だな。パーミッションエラーで起さえしない。
報を抜き取ろうとしているとしか思えない。それほど大きくは無いから、大した事はしていないのだろうけど、さすがにメインで使っている端末ではかす気にはなれない。フリーSIMがっている端末を用意して、フルリセットしてから、APKをかしてみる事にした。
はぁ?
なにこれ?
そういう事だったのね・・・・。
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