《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第二話 旅行計畫
リビングにると、先輩たちがいつもの位置に座っている。
「君。制服は、吊るした方が良くないか?シワになるよ?」
「あっそうですね」
クリーニングから返ってきた制服は、そのまま吊るせる狀態だから、いいけど、今日著ていたは、ハンガーにかけないとダメだろうな。ハンガーは・・・あるな。
ユウキのスカートを挾んで、上著をかける。俺のズボンと上著も同じようにする。俺のシャツは、ユウキが著ているから、ユウキのシャツはどうしよう。キャミソールも一緒になっている。
「ユウキ。シャツは洗濯だよな?」
「うん。キャミソールも一緒!」
「わかった、洗濯カゴでいいよな?」
「お願い!」
「はいよ。あっ先輩し待っててください。部屋に置いてきちゃいます」
「あぁ」
二人がなにか微妙な顔をしているのが気になるが、突っ込んだら負けなような気がする。
洗濯をカゴにれて、ユウキが使っている部屋に制服を吊るしておく。
1階に戻ると、話し聲が聞こえてくる。
「ユウキ。シャツだけなのか?」
「え?そんなわけ無いですよ。パンツは履いていますよ?」
「ユウキ・・・それは、シャツだけって事だよ。ブラは?」
「しているようなじです」
「してないね」
「うん」
「いつも、そんな格好なのか?」
「え?うん。寢る時は違いますよ!」
「寢る時?」
「うん。寢巻きを著ますよ!」
「・・・ユウキ?」
「はい?」
「どこで寢ている?」
「部屋ですよ?當然ですよ!」
「梓。何を言ってもダメみたいよ」
リビングのドアを開ける。
ユウキは気がついていたのだろう、先輩たちだけが振り向いて、しだけびっくりする。
「飲みは、コーヒーでいいですか?」
「あっスムージ頂戴!」
ユウキは、スムージがいいようだから、後回しにして、先に先輩たちのコーヒーを作る事にする。
コーヒーを作りながら、先輩に聞いてみる
「先輩。原先生って知っていますか?」
「なんだい。急に?」
「いや、今日帰ってくるときに、原先生に聲をかけられて、相談したい事があるって言われたのですよ。な?」「うん」
ユウキは、どこからか・・・あぁ先輩の土産か・・・ケーキを食べ始めている。
「ユウキ。紅茶の方がよくないか?」「うん!この前の奴!」
ジャスミン茶の事を言っているのはわかる。
お湯を沸かし始める。コーヒー用に沸かしたお湯ではし足りないだろう。
「原先生なら、僕よりも、優の方が詳しいよ」
「え?そうなのですか?」
「そうね」
「でも、あぁそうですね。優先輩は、製図も取っていたのですよね?」
「そ。それで、原先生の何を聞きたいの?」
「どんな先生なのかな?という事と、俺に頼み事をするって事は、そっちだと思いますが、建築科はパソコンをあまり使いませんよね?」
お湯が湧いたので、先にコーヒーを作り始める。
豆は、オヤジが買ってきているを使う。最初、全に回しかけて、し時間を置いてから、均等になるように、お湯をゆっくりと注いでいく。
「そうね。多分だけど、建築科のサーバーじゃないかしら?」
「やっぱりですか?」
「それ以外だと、業者が絡む話になるでしょ?」
「はぁそうですね。ちなみに、サーバーにはどんながっているか知っていますか?」
「うーん。建築科の過去問とか、あぁあと、進路相談とかも有ったと思うわよ」
「え?過去問はいいとして、進路相談は、學校のサーバーにれる約束になっていると思いますけど・・・」
「そうね。でも、確か、建築科は、自前のサーバーに保管していたと思うわよ」
「そうですか・・・」
厄介な匂いがしてきたな。単純な事ならいいのだけどな。
新しく沸かしたお湯もできたので、ジャスミン茶をいれる。
お茶の匂いがしてきたのだろう、ユウキが立ち上がって、カウンターキッチンの所に來て、コーヒーとジャスミン茶をけ取って居る。前かがみになる制で、男とはいえシャツだけで、暑いのだろう。上のボタンと下のボタンは外している。
要約すると、ないとはいえし膨らんでいる部分が見えてしまっているし、下著ははっきりと見える。指摘しても、何も良い事はないので、そのまま渡して、カップとコーヒーシュガーとミルクを持って、席に座る。
「あっすみません。今日は、そんな話ではありませんね。それで、決まったのですよね?」
「あぁそれで、最終確認をしてもらおうと思ってな」
先輩たちは、幾帳面にまとめられた計畫書をテーブルの上に広げた。
1日目
深海魚をメインに扱っている水族館に行ってから、ホテルにチェックイン
沼津のホテルに泊まるようだ。
翌日に、柿田川湧水を見て、三島に向かう。三嶋大社や佐野館を見てから、土に向かう。
2日目
土溫泉。大江戸溫泉ホテルに宿泊。ユウキがここがいいと言ったらしい。夕ご飯と朝ごはんはバイキングだという事だ。
3日目
チェックアウト後に、天城峠に向かう。道の駅”天城越え”に向かう。目的は、天城わさびの里。晝ごはんになってしまうだろうが、晝ごはんを食べてから、白浜海岸に向かう。
ペンションを借りる事にしてあるらしい。
4日目
朝ごはんをペンションで食べてから、135號東伊豆道路を熱海方面に向かう。 ”ライオンもキリンも居ない”型園に向かう。その後、頑張って、熱川まで移する。
熱川のホテルに泊まる。
5日目
チェックアウト後。午前中に、熱川にある、バナナとワニの園に向かう。ここは、優先輩が何故か強く行きたいと言ったらしい。
135號を熱海方面に向かう。途中に、伊豆テディベア・ミュージアムや伊豆オルゴール館や、怪しい年博館に立ち寄り、熱海に向かう。熱海のホテルに泊まる。
最終日
チェックアウト後に、殿場アウトレットモールによって、時間があれば、三島スカイウォークによってから帰る。
本當に、伊豆を一周するじになっている。
予算は心配するなと言われている。その分、ユウキのために使ってやれと言われたので、土産代として持っていく事にした。大量の土産代が必要になるだろう。
「コースや日程はわかりました。それでホテルの部屋なのですが」
「あぁ大丈夫だ。人數を考慮して取っている」
「そうですか、わかりました。梓先輩を信用します」
「大丈夫だ。僕が責任持って予約した!」
「そうですか・・・」
なにか、怪しい雰囲気があるが、雰囲気だけで問い詰めても、かわされるのが落ちだろう。當日になればわかるだろうし、なるようになるだろう。
それに・・・。
「ユウキ。和さんとオフクロに計畫見せるのだよな?」
「うっうん。さっき、先輩から送ってもらって、送ったよ」
髪のをっている。
「本當か?」
「もちろん!」
「なにか言っていたか?」
「ママは、大丈夫って言ってくれた。沙菜さんからは、まだだよ」
「そうか、まぁ和さんが大丈夫って言っているのなら、オヤジも、桜さんも文句は言わないだろう」
「うん!タクミもこれでいい?」
「あぁユウキがいいのなら、俺は別に大丈夫だからな」
「よかった!梓先輩。優先輩。お願いします」
いいか・・・。
ユウキが楽しみにしているみたいだからな。
「さて、それじゃ、僕たちはお暇させてもらうよ」
「え、あっはい」
「あっ僕が先輩たちを送っていくね!タクミは、洗いをお願い!」
「あぁ解った。それじゃ、また何か有りましたら連絡します」
「うん。わかった」
「原先生の事で、なにかあったら聞いてね。なんなら、私も一緒に話を聞くからね」
「えっあっそうですね。その時には、ご連絡します。あっユウキ!外に出るなら、これ著ていけよ」
リビングでくつろぐときに、著ているロングパーカーを投げ渡す。
ユウキの長でも、膝上くらいまでの長さになる。
「ありがとう!これ、タクミのだよ?」
「ユウキのは、部屋だろう?取りに行くの面倒だろう?」
「うん。ありがとう!」
ロングパーカを著込んで、先輩たちと外に出ていく、今日は、俺の家の駐車場には二臺の車が泊まっているので、先輩の車は、ユウキの家の駐車場に置いてある。裏側にある駐車場だから、し歩かなければならない。
帰ってくるまで、多分10~15分くらいかな?
走って帰ってくる事を考えて、さっき飲まなかったスムージを飲みたがるだろうから、準備しておこう。
--- 外を歩く3人の
「ユウキ。今更だけど、本當に良かったのか?」
「え?何がですか?」
タクミのパーカーを著て、ご機嫌になっているユウキが答える。
「はぁまぁいいか。・・・ホテルの部屋。ダブルを二部屋しか取っていないぞ?」
「大丈夫ですよ!ママと沙菜さんが、言ってくれた部屋なのですよね?」
「・・・あぁ」
「じゃぁ大丈夫です!」
「うん。ユウキが大丈夫なら、僕たちも問題ないよ」
「ねぇユウキ」
「なんですか?」
「今、著ているの?タクミ君のだよね?」
「そうですよ!」
両手を広げて、見せる。
そでが長いようで、全部が出ていない。
「それが寢間著なの?」
「この季節ならそうですね。タクミは、作務で作業したまま寢る事がありますが、著替えさせますよ」
「え?あっそう。それじゃ帰ったら、タクミに返すのね」
「そうですよ?」
ユウキにとっては質問の意図がわからない。首をかしげて、肯定するだけだ。
先輩たちにとっては、男、それも、高校生になっている二人の行いが不思議に見えてしまう。しかし、タクミとユウキからしたら子供の頃から、繰り返されてきている日常なのだ。
「ユウキ。今日は、タクミの所に泊まるのか?」
「その予定です。制服も、タクミの所だし、著替えも置いちゃってありますからね」
「そうか、寢る所は?この前、ソファーで寢るとは言っていたからな気になってな」
「部屋にベッドがありますよ」
「(タクミの)部屋のベッド?」
「そうですよ?」
「そう言えば、著替えも、一緒に部屋に持っていたよな?」
「うん。部屋に置いておけば、困らないですからね」
「そう言えば、ユウキのお母さん」「ママ?」
「あぁホテルの事は、なんて言っていた?」
「うーん。いつもと同じだから大丈夫だって、あっ!それでね。ママから、先輩たちに、伝言があった!」
「伝言?」
「うん。娘とタクミをよろしくって!よかったら、旅行の最中に困らないように、連絡先を教えてしいって言っていたよ」
「そうか、たしか、ユウキのお母さんは、弁護士だったよな?」
「そうだよ。ミクさんの先輩?先生?みたいなじだよ。あ!それで、連絡先は、送りますね」
ユウキは、スマホをポケットから取り出して、転送した。
「ありがとう。後で、連絡しておくよ」
「お願いします。あっ!駐車場です!また、連絡しますね」
「あぁおやすみ。ユウキ」
「おやすみね。ユウキ」
「はい。おやすみなさい。優先輩。梓先輩!」
ユウキは、先輩たちが乗った車が、見えなくなるまで見送ってから、タクミの家にダッシュで戻った。
--- 車の中の會話
「ねぇ梓」
「なんだい?」
「制服・・・クリーニングって、篠崎の名前で両方出してあったわよね?」
「あぁそうだな。それに、タクミも、ユウキの制服をまとめて、部屋に持っていったな」
「そうだったわね」
一息ついてから
「今日の格好・・・タクミ君。絶対に、見えているわよね?」
「だろうな。ユウキが、優よりも小さいって言っても、見えているだろうな」
「えぇぇぇ私、そんなに小さくないよ!?それに、ショーツも見えているわよね?この前のじからだと、普段は、お風呂上がりは履いていないみたいな事も言っていたわよね?」
「あぁ今日、僕たちが行くから、履いたってじだろうな」
「一緒に寢ているような事も言っているし、ダブルで大丈夫なのだろうな」
「そうね」
「ツインにしようかと思ったけど、ユウキから、渡された、和さんからのメールには、しっかりと”ダブル”と書かれていたからな。男親の方なら、確認するけど、親の方だからな。僕たちは、ダブルで問題はないからな。それに、家族風呂を付けられる所は付けてしい・・・か、一度、和さんに會って話がしたくなるよ」
「私もだよ」
二人は、タクミとユウキが親公認で一緒に住んでいると思っている。
この時點では、関係も無ければ、芽生え始めたに気がついていない狀態なのだ。母親たちは、それを危懼して、一気に近づけさせる計畫を立てていて、ユウキから聞かされた、今回の旅行計畫を使う事にしたのだ。
ユウキが、タクミの事を好きなのは間違いない。和も、何度か聞いている。はぐらかしたりしているが、間違いない事は解っている。問題は、タクミの方だ。父親たちの”子供家”計畫が告げられる前に、認識させておきたいと言うのが、母親の気持ちだったのだ。
そして、梓が、和に連絡をして、告げられるのは「タクミとユウキをくっつけてしい」だ。
盛大な勘違いに、気がついた梓と優は、まずは謝罪してから、その計畫を手伝う事にした。ホテルの部屋のグレードを上げる。予約したペンションを、小さい二人用のペンション2つに変更した。それらの資金を、母親たちが出し、旅行計畫は思わぬ方向に進んでいく事になる。
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