「タクミ君。準備はいいのかい？」

「梓さん。車を変えたのですか？」

先輩たちが乗り付けた車は、前に乗ってきた車と違っていた。BMW MINI だ。

「これは、優の車だ」

「へぇ可いですね」

「ありがとう。それで、タクミ君。ユウキは？」

「準備は終わっているので、すぐに來ると思います。荷はトランクにれればいいですか？」

「あぁちょっとまってくれ、開ける」

トランクが開けられる。それほど広くは無いが、並べれば綺麗にるだろう。

丁度。ユウキが玄関から荷を持って出てきた。

「先輩！あっタクミ。荷をお願い。僕、沙菜ママにお小遣いを貰ってくる」

ユウキが、篠崎家から出てきて、篠崎家にっていった。

「タクミ君」

「なんでしょうか？俺に説明を求めても無理ですよ。”ユウキだから”と答えます」

「いや、それは良いのだけど、和さんが居るのなら僕たちも挨拶をしたいのだけど？」

「いませんよ。桜さんも和さんも。仕事に行っています。オフクロは午後かららしいので、まだ家に居ますが、ユウキ以外が近づくと機嫌が悪くなるので挨拶は帰ってくる時でお願いします」

「わかった。それに、お小遣いとか言っていなかったか？」

「多分、桜さんか和さんから預かっているのだと思いますよ。ユウキは、サイフの中にあれば最初の店で全部使い切ってしまう可能が高いですから、俺がある程度は預かっていますが、それでも最初に使うお金は”お小遣い”として貰って、サイフにれていないと機嫌が悪くなりますからね。いきなり、俺が渡すのは駄目です」

「難義な格だね」

「そうですね」

ユウキは、ニコニコ顔で戻ってきた。予想よりも多くお小遣いをもらえたのだろう。もしかしたら、オフクロやオヤジが追加したのかも知れない。

先輩の車に乗り込んだ。

運転席には梓さんが座って、助手席には優さんが座った。梓さんの後ろにユウキが座って、優さんの後ろに俺が座る。

最初の目的地は、沼津港だ。シーラカンスが展示されている深海魚水族館に向かう。

車の中では、ユウキが梓さんや優さんに話を聞いている。

俺は相槌を打っていればいいだけで話が進むのは楽だ。

沼津までは、バイバスを進めばいいだけだ。道にも迷わないだろう。ナビが必要になるとしても、沼津にってからだろう。

「先に、食事をしよう。タクミ君もいいよな？」

「あ！僕、深海魚が食べたい！」

「ユウキ。この前、５丼を食べたばかりだろう？」

「それは、清水港の丼兵衛の選べる丼？」

「そうそう、タクミが好きでよく一緒に行きますよ。先輩も行くのですか？」

「好きに組み合わせができるからな。優はエビが嫌いでね。海鮮丼だとっているだろう？あそこなら選べるからな」

「そうですよね。でも、タクミ。深海魚はなかったよ？」

「ゴソやアブラボウズやコショウダイは、ユウキも好きだよな？」

「うん！この前は有ったけど、たまにしか無いよね？」

「あれは、深海魚だぞ」

「え？そうなの？でも、いい！食べたい！ダメ？」

「はぁ・・・。先輩方もいいですか？深海魚水族館の近くに、深海魚を出す店があったと思うから、そこに行けば、深海魚もそれ以外も食べられると思います」

先輩方の承諾も取れたので、ユウキの希通りの店に決まった。

車を駐車場に停めて、店に向かった。

食事時にはしだけ早かったので店は空いていて、すぐに座れた。

ユウキは、文句を言いながら深海魚丼を食べている。梓さんは、優さんが嫌いだと言っているを換しながら食べている。

その後は、深海魚水族館を見て回って、ホテルにチェックインした。何か、仕掛けられているのかと危懼したが、ダブル一つとシングル二つを予約していた。その後は、優さんがホテルの周りを散策したいと言い出したので、付き合った。自分が住んでいる町とそれほど違いはないので、見て回る必要も無いのだが、ユウキが喜んでいたので、良かったと思う。

夕食は、ホテルの近くのファミレスに行って食べた。ユウキのワガママだ。晝に魚を食べたからが食べたいと言い出したのだ。梓さんが、面白がってファミレスにしたのだが、優さんが喜んでいたので、梓さん的には満足出來る結果だったようだ。

ホテルに帰ってからも騒が発生した。

ユウキが著替えを出したのは良いが詰められなくて、ホテルの線電話を使って俺を呼び出したのだ。ユウキは著替えを出して、著ていた服を詰め込もうとしたら、ごちゃごちゃして詰められなくなったようだ。俺に、ユウキは下著も一緒に詰めろと言い出した。シャワーを浴びてくるまで待っていることになってしまった。これなら、最初から俺が著替えを渡したほうが楽だ。明日はそうしようと思った。

翌日は、柿田川湧水を見て、三島に向かう。三嶋大社や佐野館を見てから、土に向かった。

最初の運転を優さんに変わったが、柿田川湧水を見るために駐車場に停めてから、梓さんが運転を代した。俺も、その方が安全だと思ったが口には出していない。優さんがしだけ落ち込んでしまったので、”運転が丁寧すぎる”とフォローをれた。

土溫泉には夕方に到著した。予定よりも早く著いた。ユウキが珍しく佐野館で展示されていた仏像の前からこうとしなかったからだ。そんなに好きなら、連れて行ってやっても良いかも知れない。佐野館で時間を使ってしまって、遅れるかと思ったが、三嶋大社の駐車場にすんなりれたり、工事中で土産を買う場所がなかったり、土への道が空いていて、予定していた時間よりも早く著いて、ホテルの鍵をけ取る前にバイキングで食事をすることにした。

土溫泉でのホテルは、ユウキが選んだホテルだ。予約は先輩方がしたと思っていたが、どうやら和さんが手を回したようだ。それなら安心出來ると思っていた俺の謝していた気持ちを返してしい。

「本當ですか？」

「本當だ」

俺は、部屋の鍵をけ取って、梓さんに確認した。

渡された部屋の鍵は、和室６畳で２名用の部屋だ。先輩たちの部屋はツインのようだ。どっちがいいと聞かれて返事が出來なかった。ユウキが、和室がいいと言ったので、梓さんと優さんがツインで、俺とユウキが和室に決まった。

和さんに文句を言おうと思って、電波がる場所を探した。

「そうだ。タクミ君。和さんから手紙を預かっている」

「え？」

和さんからの手紙を渡された。

”タクミ。ユウキは初めてだと思うから優しくしなさい。責任なんて考えなくていいからね。桜さんも、タクミならOKだと言っていたわよ”

手紙を握りつぶした。あの親は何を考えている。ユウキの気持ちを蔑ろにするのか？

「タクミ！どこ行っていたの？早く部屋に行こう。僕、お腹いっぱいで疲れたよ」

「あれだけ食べれば當然だな」

「しでも休めば大丈夫だよ。それに、後で溫泉にも行く！先輩とも約束したよ！」

「わかった。わかった」

ユウキが同じ部屋なのを意識しないのに、俺が意識するのは間違っているだろう。

気にする必要も無いだろう。いつものユウキだな。

「ねぇタクミ！溫泉で、エステとかけていい？僕、やってみたい！あと、整とか足つぼとかヘッドセラピーとかも興味がある！」

「いいよ。どうせ、先輩の奢りだ。全部けてしまえ！その後、カラオケでも行くか？」

「いいの！行こう！」

開き直って楽しんでやる。

梓さんと優さんはカラオケには來なかった。二人で、足湯に浸かりに行った。風呂やリラクゼーションを堪能したユウキは、カラオケの途中で眠くなってしまった。部屋にって、布団に潛り込んで寢てしまった。

翌朝、朝から風呂に行きたいと言い出すユウキを送り出して、著替えを詰め込んだ。

風呂から上がって來たユウキに、服に著替えさせてから、朝ごはんに向かった。先輩たちは、朝ごはんは軽く食べるだけのようだ。ユウキはガッツリと食べているがいつもと同じなので気にしない。

土から、天城峠に向かう。

運転は、梓さんが擔當する。しだけほっとした。

晝をしだけすぎた時間に、道の駅”天城越え”に到著した。ここは、梓さんのリクエストだ。”山葵丼”と”豬ラーメン”を食べたいらしい。

目的のを食べて上機嫌になっている梓さんの運転で、白浜海岸に向かう。

夕方前には到著出來るだろうから、途中で早めの夕ご飯を食べる予定になっている。今日は、ペンションに泊まる予定になっているので、途中で夜に小腹が空いた時につまめるを買っていく予定になっている。