《俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です》第十三章 ハッキング 第一話 兆候
未來さんから打ち合わせがしたいと連絡がった。和さん経由でも、オヤジ経由でも、俺に直接でもなく、ユウキ経由だ。
例の件が片付いたという事だ。場所をどうするのかと聞いたら、”子供部屋”に行くと言われた。
なんとなく、事を察して、ユウキに日程の調整を頼んだ。放課後や土日なら俺は、いつでも大丈夫だが、未來さんは違うだろうと考えた。
ユウキは、喜んで引きけてくれた。
そして、明日の19時に未來さんが、家にやってくる。迎えは、珍しくユウキがやると言っているので任せる。話を聞いたら、梓さんが車を出してくれるのだと教えてくれた。足は確保されたので、俺は話をする場所を確保する。ユウキから聞いた話では、込みった話になるだろうと言われた。聲が他にれない場所で話をしたいと言われたので、リビングではなく音響の設備が整っている”離れ”で話を聞くことになる。
ユウキの口ぶりだけだけど、未來さんも、この家の実を知っているようだ。
約束の時間よりも、30分ほど早く3人は到著した。優さんは、用事があってこられないと言われた。
「流石は、”ダメな大人”たちが作っただけはあるわね」
未來さんは、離れに案して最初に言ったセリフだ。
俺も、ユウキも苦笑するしかなかった。
離れには、テーブルを持ち込んでいる。ローテーブルだ。椅子まで用意するのが面倒だった。
話は長くならないと言われた。なので、食事前に話を終わらせてしまう。
未來さんが、資料を見せてくれた。
「ふぅーん」
ななめ読みで資料を把握する。
施設に來た人たちは、業者の関連會社で契約違反をしたわけではない。一部、関連會社で人手が足りなくて、関連會社の協力會社に作業をお願いした部分があり、管理が出來ていなくて申し訳ないと”憾の意”を表明していた。簡単に言えば、謝っていない。
ルータの設定変更は、問題が発生したときに速やかに対応を行うために必要だった。説明不足だったのは認めるが、セキュリティを考慮して設定をおこなったポートも通常ポートと違う設定にしているとハッキングの危険はないと判斷した。と言い訳が書かれている。
サービスで起していたプログラムは言い訳が出來ないようだ、ソースコードの開示は出來ない。容は、メンテナンス時に必要なだとしか書かれていない。
遠隔作ができるプログラムも同じようにメンテナンスで必要になるで、円に業務を推敲するために必要になっているだと書かれていた。
メンテナンスを考えてのサービスだったが、認識違いと説明不足と確認不足だったのを認めて、OSの代金を含めて、費用は一切に必要ないと言い出している。
海野さんと未來さんは、契約違反を全面に対決姿勢を打ち出していた。業者は、俺たちが行ったサポート料を施設毎に5萬円支払うと打診してきた。中央からも、訴え出るようなことはしないほうがいいというありがたいお言葉を貰った。海野さんは、県から依頼が無い限り中央からの業者の依頼は必要ないと突っぱねる事に功したようだ。他にも、何か渉で手にれたようで、業者からの詫び料は、俺たちへの報酬に回す事に決まった。ちょうど、ショッピングカートがき出していたので、施設のホームページ作料として隨意契約を結ぶ形となった。俺の會社が、電脳倶楽部に報酬を流す事になりそうだ。
未來さんは、俺の會社の顧問弁護士の肩書を持っているので、津川先生との渉もお願いした。1割が會社の取り分となって、1割の半分が弁護士の報酬と決まった。俺が持っている會社は、俺が學生の間は、損金がでなければいいと言われているので、問題はない。
未來さんから、説明をけて、全てを承認した。
その後、俺がリビングで食事を用意して、ユウキが離れに運んでいる。梓さんが、未來さんに相談したい容があるとのことだ。
食事の後に二人だけで話をしたいと言われた。俺は、やることがあったので、基地に籠もって、ユウキはリビングで二人の話が終わるのを待っていた。1時間くらい経過してから、話が終わったようだ。未來さんは、森下家に顔を出して帰るのだと言っていた。梓さんも、未來さんを送っていって、そのまま帰っていった。
久しぶりに、落ち著いたので、ユウキと一緒に風呂にって、寢室でゆっくりと寢た。
翌日の學校も放課後まで無事に過ごした。
放課後に、津川先生が生徒會室に來てくれたので、顛末を説明した。
「そうか、助かったよ」
「いえ、未來さんからも連絡が來ると思いますが、電脳倶楽部に後払いですが報酬が出せます」
「それは、戸松先生に言ってくれ、俺は俺で報酬を用意する」
「わかりました」
その足で、戸松先生に面會を申し込んだ。都合がいいことに、時間が空いていると言うので、戸松先生の研究室に移して、顛末の説明を行った。
「ん?篠崎。それだと、電脳倶楽部は、50萬を超える収になるのか?」
「そうですね」
「うーん。篠崎。し、保留にさせてもらえるか?」
「かまいませんが?報酬がないですか?」
「逆だ。逆!多すぎる。外部からの、金で一度に50萬だと上に報告をする必要がある。面倒だし、説明しなければならない」
「はぁ」
「戸松先生。寄付にしてしまえば良いのでは?」
「寄付?あぁそうだな。篠崎の會社から、電脳倶楽部に寄付の形にすれば、上に報告する必要はないな」
「寄付で良ければ、それで対応します。経理上の問題が発生するようなら、そのときに相談します」
打ち合わせが終わってから、オヤジに連絡をいれる。稅理士は、オヤジの紹介だからだ。寄付で大丈夫だと言われた。むしろ、寄付のほうが良いらしい。
後日、學校に地元のテレビ局から打診が有った。
施設のネットワークやパソコンのメンテナンスを、高校生が行っているというのは、かなり、レアな狀態らしい。學校は、優さんや梓さんの事があったので、斷ろうとしたら、學校名と倶楽部の紹介だけで、生徒は作業風景を撮影するだけで、個々の名前は出さない取り決めになった。
地方ローカルのニュース番組で取り上げるだけのようだ。
タウン誌の取材もけた。セキュリティ・キャンプでの活躍と今回の問題を紐付けた記事になっていた。
TVの放送とタウン誌の発売の時期が重なった。
それから、小規模な施設や商店からの問い合わせが學校に屆くようになった。
3ヶ月もすると狀況は落ち著いた。電脳倶楽部が擔當する施設が増えたのだ。部活の一環として、作業料は取らない方針に決まった。ただし、適正価格の提示は行う。學校で開催する行事の時に、人手を出してもらったり、資材を提供してもらったり、手伝いをお願いすることになった。ショッピングカートは継続する。馬鹿にできない売上になっている。施設が増えて、商品が増えたこともあるが、タウン誌で紹介された事で、アクセス數が増えたのだ。
システム開発の話が転がり込んでくる事がある。俺が対応出來そうな話なら、対応するが、無理そうならオヤジの會社に流した。
充実した日々だったが、問題は発生していた。
今日は、問題を聞くために、電脳倶楽部に來ている。
「篠崎先輩」
「それで?」
「はい。僕たちが管理している表のサイトに大量のアクセスがあり、どうやらハッキングのようなのです」
「その結論を導いた理由は?」
「はい。まず、僕たちが管理している表に出しているサーバは、表からのアクセスは殆どありません」
「そうだな。決められた端末のアクセスできない仕様になっている」
「はい。それなのに、このログを見て下さい」
見せられたログは、確かにハッキングを試みている狀況のようだ。
「ふーん。アドレスが違うのだな」
「はい。なので、対応に苦慮しています。除外しても、すぐに次のIPでアクセスがあります」
「ポートもめちゃくちゃだな。もうし詳しいログがしいな」
「はい。僕たちも、そう考えて、今、間にルータを挾んで、パケットも記憶するようにしました」
「わかった。ハッキングの予兆だと思うから、暫くは除外する方法で対処しよう。それでも、止まらない場合はカウンターアタックを考えよう」
『はい!』
ハッキングにしてはツールだよりになっている気がする。偶然なのか?それとも、電脳倶楽部學校が管理していると知っての攻撃なのか?
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