《俺の得能は「平凡」だった。》九話 才兼備の
「じゃー、私たちの過去の話をしますね。」
俺が聞いたのはとても可いの子の挫折のはなしであった。
「おかあさぁーん。」
ひとりのの子が母親に向かって走り出した。この子の名前は黒姫可憐。生まれつき得能をもって生まれた天才である…はずだった。彼の得能は「無能」だったのだ。周りからの目は一気に変わったがこの子の母親。黒姫奈々はこの子をとても可がった。もちろん自分の子だからである。どんな得能をもって生まれたとしても自分の可い可い子供なのだ。そして奈々にはもう一人子供がいた。可憐のお姉さんにあたるのだが、あまり外に出ないインドア派な子だ。姉妹格は違うがとてもいい子達であった。夫は、県外に出張中である。
とても裕福ではなかったがとても幸せな家庭だった・・・。
「お家に帰るわよ。」
「うん!」
手を繋ぎ信號を渡っていた。信號は青だった。青だったのだ。しかし、現実はそう予想できるものではなかった。トラックが信號無視で突っ込んできたのだ。居眠り運転である。トラックが突っ込んできたのを見た可憐は膠著した。その瞬間可憐は浮遊を覚えた。飛ばされたのだ。トラックにではない。奈々にだ。奈々は、最後に可憐の顔を見て「さよなら」そう言ってトラックにはねられてしまった。即死だった。可憐はそれを間近で見てしまった。何もかもが真っ暗になってしまった。立てない。その時、可憐の意識は何処かに消えてしまった。
可憐が起きたのは3時間後。病院での目覚めであった。目が覚めて最初に目にしたものは姉の泣き顔だった。靜かな姉が顔をめちゃくちゃにして泣いていた。それを見て可憐も泣いた。その時、母が死んだと言うことを現実だと知った。
現実は甘くないのである。いつ死ぬかも分からない。そう言う世界なのである。死ぬというのは當たり前のことだ。だけど、その死をまだ小さかった可憐はけ止めることができなかった。その時から、可憐は元気で活発なの子の印象は消えてしまっていた。家から出ず、ずっと勉強をしていたのだ。「無能」の彼には何もできないと皆は思っただろう。だが、可憐だけは自分が勉強をすれば母が生き返るとそう思い込んでいたのだ。ずっと勉強だった。そういう生活をしていたら、得能が変わっていた。「才兼備」という得能だ。だけど、可憐にはそんなことどうでもよかった。
いつも何かを考えている妹を見た姉。黒姫明日香は、苦手だが、妹のために明るく居続けた。無理やりでもいい。それが妹のためになるのならと。
「これが全部ってわけではないけど、こんなじよ。聞いてみた想は?」
「びっくりしました。そんなことがあったなんて。」
「もう10年以上も前なんだけどね。それでも可憐ちゃんはまだ切り替えられてないのよ。だって母親が目の前で死んだんですもの。私がその狀況にたったらそうなってたと思う」
「でも、明日香さんは黒姫のために明るく接し続けたんですよね。それはすごいことですよ。自分もきついはずなのに妹のために頑張れるって。當たり前だけどそれが凄いです。」
「ふふ、ありがと。でもね、私じゃこれ以上無理だわ。あの子を変えるのは心のを埋める何かなの。私はもう埋められない。
でもね、伊織くん。あなたならできると思うの。」
「俺…ですか?」
「あなたと會った可憐ちゃんは変わったわ。元気になった。笑顔が増えた。多分あなたはまだ全然してないとか思ってるんでしょうけど、あなたと話す前から可憐ちゃんはあなたの事を気にかけてたのよ。」
「えっ?俺のことを?」
「ええ。家に帰ってきたと思ったら、「面白い人がいるの!」って私に言ってきてね。あの時はびっくりしたわ。そしてどんな子なんだろうって見てみたくなった。そして今こうして見て安心したの。」
「安心?」
「あなたなら可憐ちゃんを任せられる。」
ドキッ
一気に心拍數が上がった。
「ま、ま、任せられるってどういう?」
「言葉の通りよ。伊織くん。可憐ちゃんのあとしの隙間埋めてくれる?そばに居続けてあげられる?」
俺が黒姫の側に...俺はあいつのことは嫌いじゃない。むしろ好きの方が強い。最初の印象はカッコいいだった。なんでもできてクールなの子。そういう印象だったのだ。だけど、しづつ話すようになって、ちゃんと笑ったりバカ言い合えるやつなんだってわかった。だから俺は...
「明日香さん。俺、やってみようと思います。」
「ええ。あなたならできるわ。」
「はい。」
そう言って俺は明日香さんの部屋から出た。
(まずは學年順位2位まであげる。それが目標だ。達して謝の気持ちを伝えるんだ。)
俺の思いはこの日いっそう強まるのであった。
ニセモノ聖女が本物に擔ぎ上げられるまでのその過程
借金返済のために紹介された話に飛びついたが、それは『聖女様の替え玉』を務めるというお仕事だった。 職務をほっぽり出して聖女様が新婚旅行に出かけちゃったので、私が聖女様に扮して代わりに巡禮の旅に行くだけの簡単なお仕事です……って話だったのに、ふたを開けてみれば、本物聖女様は色々やらかすとんでもないお人だったようで、旅の護衛には蛇蝎のごとく嫌われているし、行く先も場合によっては命の危険もあるような場所だった。やっぱりね、話がうますぎると思ったんだよ……。 *** 主人公ちゃんが無自覚に聖女の地位を確立していっちゃって旅の仲間に囲い込まれていくお話です。多分。 司祭様→腹黒 雙子魔術師→ヤンデレショタ兄弟 騎士団長さん→椅子
8 175【書籍化&コミカライズ】偽聖女と虐げられた公爵令嬢は二度目の人生は復讐に生きる【本編完結】
【秋田書店様 どこでもヤングチャンピオン様にてコミカライズ連載中】 【2022年 7月 ベリーズファンタジー様にて書籍発売】 「婚約破棄だ!!!」 好きな男性と無理矢理引き離されて、婚約したはずだった第一王子に公爵令嬢リシェルは一方的に婚約を破棄される。 無実の罪を押し付けられて。 リシェルには本來別の婚約者がいた。 心に決めた婚約者が。 けれど少女リシェルに、「聖女」の神託が降り、彼女の人生の歯車は大きく狂ってしまう。 無理矢理愛しい人との婚約を解消され第一王子ガルシャの婚約者とされてしまうのだ。 それなのに現実は殘酷で。 リシェルは聖女の力を使えず、聖女の力が使える少女マリアが現れてしまった。 リシェルは偽聖女の烙印を押され、理不盡な扱いを受けることになるのだ。 愛しい人を聖女マリアに奪われ。 マリアと王子の失策を背負わされ拷問に近い暴力の末。 親しい人たちとともにリシェルは斷頭臺へと送られ殺される。 罪狀らしい罪狀のないまま執行される死刑に。 リシェルは誓う。 悪魔に魂を売ってでも怨霊となり末代まで祟をーーと。 ※番外編はじめました→https://ncode.syosetu.com/n2164fv/ 【注意】以下ネタバレです【物語の核心ネタバレ注意】 ※よくある逆行もの。前世の知識で俺tueeeのご都合主義テンプレ。 ※ざまぁもありますが主軸は一人で何でも背負ってしまうヒロインがヒーローに心を開いていく過程の戀愛です ※人を頼る術を知らなかった少女がヒーローと出會い人に頼る勇気をもち、今世では復讐を果たすお話 ※10萬字ちょっとで完結予定 ※アルファポリス様にも投稿しています
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