「信義さん？ どうかしましたか？」

「.......」

僕は橫目で僕の頬を突いているを見る。

ー全く覚えがない。しかしこのは僕のことを知っている。

そもそも、僕とこのとはどんな関係があったんだ？

僕よりも、10センチは小さい。

そして穂波と同じ短めの髪。

不思議そうに尋ねておきながら、一切表が変わっていない。

変わっただ。

學校でも見たことはないし、もしかすると、中學生だろうか？

「一ついいか？」

僕はに尋ねる。

「......?」

その問いに対し、は首を傾げた。

相変わらず、表に変化はない。

「まず、指を離してくれ」

「.......」

は黙って、指を離す。

(以外と素直だな)

そして、はし俯き、こう呟いた。

「......幻滅しました」

「......は？」

突然放たれる罵倒に、驚きが隠せない。

ーというかなんで？

「......もういいです。今のあなたには興味がありません。さっさと思い出す• • • •か消えて下さい」

「思い出す......！？」

僕は彼の発言を復唱し、意味を考える。

そして、彼は言葉を続けた。

「あっ、一応自己紹介だけはしておきます。新しい信義さん• • • • • • •、どうも初めまして。僕の名前は、木霊こだま朱莉あかり。ちなみに......」

この時、一瞬だが嫌な予がした。

そして、その勘は見事に的中することになる。

「僕はあなたの彼ですよ」

そして、尚の表は変わらなかった......。