《僕はまた、あの鈴の音を聞く》No.18 うれしのつむぎ その1
突然、ホームルームの終わりを告げるチャイムが教室に鳴り響く。
「はい。そういうことで皆さん、是非嬉野さんと仲良くしてくださいね」
そして、先生が教室から出ると同時に、クラスが一點に注目した。
「嬉野さんってどこから來たの?」
「ねえ、さっき言ってた來たかったからってどういうことなの?」
「紬ちゃんって呼んでもいい?」
「宇宙人っていると思う?」
突如僕の橫に出來た固まりを近くで眺めていると、その固まりの中から神崎がひょっこりと現れた。
「信義。教室出ないか?」
「......わかった」
そしてひとまず、僕と神崎は教室を出た。
「どうだ、目が覚めただろ?」 
この學校、校舎とは別に育館がある。
そして僕らは今、その道中にある広いスペースにいた。スペースとは言っても、外であることには変わりないので冬場はとても寒く、特に用もなければ來ることがない。
よって、この場所は隠れて會話をするのに適していた。
「まぁ、良くも悪くもというじだ......。で、あいつはなんなんだ?」
「あいつ?」
「転校生。嬉野って言うやつ」
「嬉野紬は嬉野紬だろ?」
ーそういうことじゃないと言おうとした途端、神崎は言葉を続けた。
「そういえば彼、『ここに來たかったから來ました』なんて言ってただろ?」
「ああ、言ってたな」
「正確にはし違うんだなー。それが......うーむ......」
神崎は突然、考え込むように親指と人差し指で顎を挾んだ。
「どうかしたか?」
「教えてやっても.......うん......やっぱり、それはお前が直接聞いた方がいい.......かもな......ぶっ」
神崎が、軽く笑いながらそう言った。
「なんだよそれ」
「まぁ後のお楽しみということだよ。おっと、授業始まるし行こうぜ」
神崎が教室に向かって走り出す。
「お、おい!」
僕はこの時、嬉野紬が僕の事を知っているという事について聞きそびれてしまった。
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