魔法科高校白百合學園。"魔界"に設立された名門高。合格率32%という低さにも関わらず、未だに験者が絶えない。

  白百合學園の象徴である白いネクタイに憧れ、何人、何百人の験生が挑みズタボロにされただろう。

  __俺はそんなネクタイに憧れ白百合學園にったわけではない。

「___はぁ」

  親から離れ、寮生活となるこの白百合學園に學した理由なんて特に無い。

 ただ、この白百合學園なら生活が楽そうだからという、頑張った験生に叩かれそうな理由である。

   學園にはコンビニ、レストランなど完備している。生活には困らないだろう。

   だが___

「せいぜい頑張ってくれたまえ。底辺達よ」

合格して學式してみればこの始末である。

「さて、これでHRホームルームは終わりだ。各自勝手に自己紹介でもしててくれ」  

そう言い殘し、片岡と名乗る擔任は扉を暴に開け教室を出ていく。

  この何とも言えない空気の中…。俺こと、千葉 晴生ちば はるきは窓側の席の一応隅すみで窓の外を眺めながら溜め息をつく。

  この狀況、俺が一番嫌なやつだ。恐らく、クラスのみんがそう思っているだろう。

___誰か勇者は居ないのか。  

  そう心の中で呟いたとき。

「皆さん、自己紹介をしませんか。お互いの名前を知らなくては接しずらいでしょうから」

そう聲を上げたのは篠原  盟しのはら めいである。新生代表挨拶でかなり目立っていた人。大半は印象に殘っているだろうし、名前も覚えている。

「…そうだね。お互いの名前を知らなきゃ元もこもない」

次に聲を上げたのは一人のイケメン男子生徒。

  中學時代にクラスに１人は居たであろう、元気で皆の頼れるクラスのムードメーカーみたいな人である。

「賛！このピリピリした空気変えてこ。何か嫌じゃん？」

そんな聲が次々と上がっていく。

  こんな人前で自己紹介とか俺をころしに來てるとしか思えない。

「…では私から」

一人目は言うまでもないだろう。

「篠原 盟と申します。以後、お見知りおきを」

そう言い、スカートの端を摑み華麗に挨拶をする。

「次は僕だね」

次はキャの男子生徒。

「僕は倉橋 くらはし とおる。気軽にって呼んでね。必要かは分からないけど、ぼくの屬は""。よろしくね」

「はいはーいっ！次私ねっ！」

___俺が最も苦手なタイプのだ。

「私は小塚 未央こづか みお、よろしくねー！」

坦々と魔の時間はすすんで行く。

  誰だ自己紹介始めようって言ったやつ。

ここは真面目アピールをしとくべきか、それとも俺キャですアピールをするべきか。

「次は…そこの窓際の君ね！」

そう未央と名乗るに氏名される。

  やるしかないか…。

「えーと…千葉 晴生、です。趣味も特技も特にありません。……よろしくお願いします」

辛い、もう一度言おう。辛い。

周りの反応が薄い。……辛い。

「よ、よろしくね、千葉君！」

未央…だっけか。無理しなくていいぞ。

こっちが辛くなるだけだから。

これから俺はどんな顔をして生活していけば良いんだろうか。