「...ん？」

俺は理事長の扉の方へ目を向ける。

(気のせいか...？今確かに何かの"気が"したような...)

気のせい、か...。

「それはそうと...晴生、6時限目の授業は大丈夫なのか？」

「って、あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"！！！」

殘り3分...やばい、移教室...！科學が行われる教室はこの理事長室の反対校舎。しかも一回教科書を取りに行かなくてはならない。

「...諦めよう」

ワープ使いたいけどMPが限界。ワープ魔法を使ったとしても倒れておしまいだろう。

合同授業の時に魔法を連発しすぎたか...。

「ま、頭下げて許してもらえ」

雄騎は笑うのを堪えながら俺の肩をポンと叩く。

「お前らは生徒會は...確か理事長室でやるんだったな」

「そうよ。不正アクセスした時に報を見られてたのね...。し種界屬について一時間みっちり々やるの。さ、それより晴生君は授業に行きなさい」

「...はぁ」

俺は省かれるのか。悲しいな...。

俺はしぶしぶ理事長を出て、重い足取りで科學室へ向かった。

キーンコーンカーンコーン...。

6時限目の終わりを告げるチャイムが鳴る。

「あぁ…疲れた」

あの後めちゃくちゃ説教されたし。たまに居るよなぁ…自分は普通に授業遅れるくせに生徒が遅れるのは絶対に許さない糞教師。

「千葉さん、大丈夫ですか？」

「ん…。ﾝ"ﾝ"！？あ、あぁ…篠原さん」

このタイミングの篠原さんはマジで癒しだな。ありがたい…。

「大丈夫…。し太ももきついけど」

「々大変でしたね。しくらい言い訳を聞いても良かったのに」

「もうこりごりだな…」

俺は苦笑いをし、篠原さんと一緒に教室へ戻って行った。

「男子サイッテー…」

「はぁ！？そっちが勝手にぶつかっただけだろお！？」

俺達が教室へ足を踏みれた時に、子と男子の激しい口論が聞こえてくる。

あるとは思ってたけど、ついに來たか…。年に一度は絶対ある男対立の日。

ある些細なことがきっかけで子と男子の間にヒビがる…毎年恒例イベントだ。

「どうしたんでしょう…？」

「毎年恒例イベントじゃないか？」

篠原さんは討論している男の間にる。

「喧嘩は止めてください。どうされたのですか？話して下さい」

「男子が変なとこってきたの。普通に気持ち悪いんだけど。絶対わざとだよねぇ？」

「ぶつかっただけだっての！當たり所が悪かっただけだって！」

ありゃあ…。こりゃめんどくさい事になったな。てか、これあれだ。ったのアイツなのに他の男子も同罪だみたいに他の子から避けられるパターンだ。

これは…男子どんまいだな。

「ここで善悪を決めるわけではありません。意図的にったのかも、あるいは不慮の事故だったのかは分かりません。ここはお互いに謝った方がことは早く収まるのではないですか？」

「謝る？絶対嫌よ。この変態」

は男を睨み付け、自分の席へ戻って行く。

「なんだよ、アイツっ…」

男の方も舌打ちをし、席へ戻って行った。

「大変な事になりました…。困りましたね…」

これには篠原さんも頭を抱えているようだ。まぁ、俺的には放っておけば勝手に仲直りしてくれると思うんだが。

「＿＿＿かな」

その時、篠原さんが小聲で何かを呟いたように思えたが俺には聞き取れなかった。

ある廊下の一角に、二人の影があった。

「ふーん…千葉、だっけ？私は良く分かんないけど…篠原なら上手いこと接出來てるんじゃないかなぁ？」

「だと良いけどな。俺達は難易度の高い生徒會にするか。底辺ということも有効活用できるだろうしな」

「…そっか。早めに消しときたいけど相手が相手だからねぇ。まずは接してから隙を見つけてってじかな」

「そういうことになるな。リスクは高いが、やむを得ん」

「ははっ、何か楽しくなってきちゃった。ドキドキするね」

「…はぁ。ヘマして死ぬんじゃねぇぞ」

「分かってるよ。あんたもね」