《豆腐メンタル! 無敵さん》阿久戸志連宣戦布告②
「本當に悪習であったなら、なぜここまで存続しているんでしょう? 今までにも、同じ疑問を持った人はいたはずです。しかも、たくさん、たくさんいたはずなんです」
「大數の論理か? そんなもので誤魔化される俺じゃ、ないッ!」
「違います。あたしは、事実を述べているだけです。今日現在まで、日本中の學校で実施されているこの號令の事実を。地方によって掛け聲が違ったりはしますけど、どこでも今日もされている『授業前の挨拶』という號令の事実を」
「今までは、“まだ”軍隊式がに染み込んだじじいどもが、この國を仕切っていたってだけだろう。號令に抵抗の無い、じじいどもがな。だから、これから、なんじゃねぇのか? 日本でも、この號令が廃止されるのはッ!」
「そうかも知れません。でも、そうじゃないのかも知れません」
「貴様ッ! 俺を馬鹿にしているのかッ!」
あくまでも冷靜な無敵さんに対し、宗像のボルテージは上がっている。アツそうな男だから、さらにアツくしてやって、思考のオーバーヒートを狙ってやろうって算段か?
ここまでの會話で俺がじたこと。それは、無敵さんの『肯定』と『否定』の高度差だ。弱い肯定に弱い否定。やんわりとした口調で冷靜に。かと思えば強い否定は力強くてはっきりしてる。そして、またどっちつかずの曖昧な反応。
宗像は気付いていないようだが、これでかなりイライラさせられているようだ。宗像は、もう無敵さんの中にはまっている。俺はそう判斷した。でも、まだ弱い。もっと、なにか決定的な一打がしいところだが……。
「じゃあ訊きます。宗像くんは、なぜ號令を廃止すべきだと思うんですか? 國會で意見陳述をしているつもりで、その拠を提示してください」
「は? な、なんでそんなところで?」
やりやがった! 浮足立ったところを、すかさず一撃かましやがった!
宗像は一瞬呆気に取られてしまい、うっかりけ手に回っている。それは、攻守代の瞬間だった。
「なぜって? 挨拶など無駄なんでしょう? 廃止するのであれば、當然、然るべき手順を踏まなければなりません。學校での國家斉唱にしても、以前、國會で議論されたでしょう? あれだけ強く言う宗像くんであれば、もちろんそれなりの意見を持っているんじゃないですか?」
「ま、待て! それじゃあ順序が逆だろうッ! 俺はホズミに『この號令の必然を示せ』と」
「確かに。じゃあ、あたしがその『必然』を説明出來たなら、宗像くんも廃止すべきだとする拠を語ってくれますね?」
「うっ……」
しん、と教室が靜寂に包まれた。誰かのが、ごくりと鳴った。
くだらない。ホント、こんな議論はくだらない。こんなことに、なんの意味があるんだろう?俺と同じく、みんなが多分そう思っているはずだ。
だけど、この教室に張りつめた張は、くだらないけどくだらなくない。聞いてもしょうがないけど聞いてみたい。そんな“二律背反”に陥った、みんなから生じた空気なんだろう。それでも、この結論を見てみたい! と。
「――、分かった。ただし、無敵さん。お前が、俺を納得させる説明が出來たなら、だッ!」
宗像がぐわっと前髪をかきあげた。その宗像に、俺は思う。それは“正しい判斷だ”と。
今までの反応で、宗像に『號令廃止』にまで至る明確なビジョンがなさそうなのは分かっている。多分、無敵さんもそう思っているだろう。従って、宗像がこの場をやり過ごすには、そう言うしかないはずだ。例え一時しのぎであれ、まだ敗北には塗れない。ここは時間を稼ぐの一手に逃げるのみ。俺でもきっとそうするだろう。
つまり、ここが勝負どころということだ。無敵さんが『號令の必然』さえ説明出來れば、それで勝利が確定する。
だが、しかし。拠があやふやな神論を主張したところで、宗像が納得するとも思えない。もちろん、俺だってそうだ。
「……お前、ホントに大丈夫なのか?」
心配になった俺は、小聲で隣の無敵さんに問いかけた。無敵さんは。
「えっ? そ、それは、エ、エッチ、の、こと、ですか?」
「はぁっ!?」
あまりにも理解が不能な返答によって、俺の間抜けな大聲が教室中に鳴り響いた。
【書籍版8/2発売】S級學園の自稱「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ來られてバレバレです。
【講談社ラノベ文庫より8/2刊行予定】 権力者の孫娘にして超人気聲優アイドル・瑠亜の下僕みたいな立場に甘んじていた俺。 「アタシと幼なじみなこと、光栄に思いなさい! ッシャッシャ!」 しかし、しかし……。 彼女がやった「あること」がきっかけで、俺はぶち切れた。 お前とはこれまでだ、さらばブタ女。 これまでずっと陰に徹して、ブタの引き立て役だった俺。 ようやく普通に生きられると思っていたが、「普通」はなかなか難しい。 天才が集うS級學園の特待生美少女たちに、何故か次々とモテてしまって――。 これは、隠れハイスペックの主人公がヒロインとの「絶縁」をきっかけにモテまくり、本人の意志と関係なく「さすがお前だ」「さすおま」されてしまう物語。 ※ジャンル別日間・週間・月間・四半期1位獲得 ※カクヨムにも投稿
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