高校にり、彼と再會した。最初はどう接したら良いか分からなかった。

僕だけ一方的に覚えていて、あっちが覚えてなかったらどうしよう、とか々考えた。

しかし、いざ話しかけてみると、彼は気さくに話してくれた。そして中學の陸上記録會での出來事も覚えていてくれた。

そして彼は何故か僕に謝った。ワケを聞くと「勉強に集中し過ぎるあまり、無想な対応をしてしまって悪かった。｣との事だった。

僕は「いや全然全然。僕も暇だったんで丁度良かったっすよ。」なんて言ったりして、場を和ませた。

僕は彼と仲良くなるにつれて、んなことを知った。彼の勉強沒頭癖と、溫度変化に非常に弱いのは生まれつきであること。

そして彼は昔から本の蟲であり、そんな彼を見た彼の両親は、彼の飽くなき知識を満たすために、書斎兼彼の一人暮らしの部屋を一つ借りたこと......などなど。

知れば知るほど彼が凄い存在であることが分かった......と同時に、これだけ知ってもまだ彼に関することは氷山の一角だけかもしれないと思った。

しかし、僕は自分から無理に聞くスタイルは取らなかった。そんな野暮な事はしたくない。

彼が話したい時と、僕が知りたい時が一致した時だけ、彼に関することを教えてもらう。そんな関係。

翌日、僕がいつも通り登校し、いつも通り、下足箱で靴を履き替えると、いつも通りでは無いイベントが起こった。

「颯ハヤテ！」

僕の名を呼ぶ方向に目をやると、そこには好事家の華ミカが立っていた。

「なんだ......ミカか。」

「なんだとは失禮ね！ なんだとは！」

「なんか用？」

「聞きましたよ〜......結構長いことアミと仲良くやってるそうじゃないですか〜......」

「それがどうした？」

「どうしたもこうしたも！ いやはやアナタは樸念仁ですか？ 男が長いこと仲良くしてるということは......」

「なんだ？ 僕の濃い沙汰でも期待してるのか？ それなら期待に添えないぞ。」

「まぁまぁ、そう隠さなくても〜！」

「隠すも何も、そもそもアミは対象じゃない。飽くまで友達。」

「ほほ〜？ 飽くまで男間の友だと？」

「そうだ。スクールゴシップのネタ集めは余所でやんなさい。俺はなんにも火種なんて持ってないから。」

「はぁ......つまらない男。」