《栴檀禮賛》大きな鷹と雷の如き鳥

帰宅後、僕はドッと疲れが押し寄せてきたようにじた。あの時、アキバ先輩と遭遇した直後、僕に告げられたのは「マキ先輩とアキバ先輩は付き合っている。」というものだった。

取り敢えず僕はその場を「そうだったんですか、それならお2人で夕食に行かれたらどうです?」と言ってやり過ごしたが、何だか変な気分になる。

どうして映畫館で、先輩は僕に「彼になろうか?」等と言ったのだろうか? その後すぐに冗談だと言った割には、何か本気めいたものをじた。

「マジで意味わからん。」

僕はちょっとだけ癖気味な髪をグシャグシャに搔き上げて、ベッドでのたうち回った。

「んでマキ、話って何?」

アキバは、綺麗なレストランにって注文を終えた後、レストランに來る前にマキに言われたことを再確認した。

「タイヨウさ......なんか最近アミって子に、勉強教えて貰ってるらしいじゃん?」

「あぁ、甲子園に出してもらうための、再テストかるように勉強してる補講の事ね。」

「そうそう、何であんな下級生の子に教えて貰ってるの? 別に勉強で困ったら私が教えるって言ったよね?」

「いや、そりゃ俺1人だったらそうしたよ? でも野球部のヤツら全員となったら、流石にマキでも面倒見切れないだろ?」

「なに? タイヨウは、私があの子より劣ってるって言いたいワケ?」

「違う、そうじゃない。」

「何が違うの?」

「マキに迷をかけたくないだけなんだ。」

「じゃあアミになら迷かけても良いの? 迷かけても良いぐらいに仲が良いの?」

「......なんか、ごめん。」

「謝んないでよ。私が悪いみたいじゃん。」

「いや、マキに嫌な思いをさせた時點で、全面的に俺が悪いよ。ほんとにごめんね。」

僕は、休日明けの特別補講に使うためのテキストを、父親に頼んで印刷してもらった。

「なぁハヤテ、ちょっと良いか?」

「なに父さん?」

「まぁちょっと座れ。」

僕は父に促されるままに、居間の自分のいつものポジションに座った。同時に父もいつものポジションに座り、テーブルを挾んで向かい合う形になった。

「母さんから話は聞いたぞ。」

「なんの事?」

「アミちゃんの事だ。」

「あぁ、僕も一応自力で調べて、知るべきことは知ったよ。」

「その事についてちょっと話そうか。」

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください