《栴檀禮賛》アキバの苦手科目

「はぁ?」

「だーかーら、分かってないって言ったの。」

「何が分かってねぇんだよ。」

「タイヨウ......ホントに分かってないの? 私は貴方と一緒にいたいから! 彼だからしは獨占したいから! ああやってアソコから引き剝がしたんじゃないの!」

「あぁ......」

「何が『あぁ......』よ。人の気持ちも知らないくせに! 彼氏が他のから勉強教えて貰ってるなんて聞いたら、妬くのが普通でしょう?」

「なるほど......」

「なるほど、とか言わないでよ。何も私の気持ちを理解してなかったクセに! 」

マキは機の上に置いてあった英語の辭書を、に任せてアキバに投げつけた。アキバは何も言い返す事が出來ず、ただ投げつけられた英語の辭書を持ったまま、その場に立ち盡くす事しか出來なかった。

「早く行って。そんなに部活のヤツらと他のから勉強教わりたいならさ、さっさと私の前から消えてよ。」

マキはピシャッと冷たく言い放った。アキバはもうどうして良いか分からず、そのままフラフラとその場を後にした。

「馬鹿野郎が......」

アキバが行ってしまった後、マキは1人靜かにその場で泣き崩れた。マキの手のひらには、2人が付き合うキッカケとなった短冊が握られていた。

取り敢えず無事に今回の特別補講も終わり、先輩達も徐々に問題を解けるようになって來て上達をじている様子であった。

「それじゃあ今回はコレで。」

「「「ありがとうございました!」」」

僕はアミと一緒に荷を纏めて教室から出て行った。すると、何かムシャクシャした様子のケンジ先輩がコッチに向かって來るのが見えた。

「ケンジ先輩!」

「あぁ......アミ、ハヤテ、悪ぃな、アキバのこと連れて帰って來れなかったわ。」

「いえいえ、良いんです。そもそもこの特別補講そのものは自由參加なんですから。」

「あぁ......だけどよ、甲子園に行くっつー事は、この仲間たちで頑張ってくって事なんだ。だから勉強ひとつ取っても、この仲間たちで頑張れなきゃ意味がねぇと思うんだ。」

「ケンジ先輩......素晴らしいです、その考え方。そこまで辿り著けたなら、甲子園に行く事だって出來るはずです。」

「あぁ、ちょっと前まであんなに分からなかった問題も、お前たちのおで、アイツらも俺も何となく解けるようになって來てる。この壁を乗り越えたっつー財産は、きっと一生モンだろうよ。」

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