《栴檀禮賛》二兎追う鷹とあの二人

休日、マキはアミに々と言われた心の傷を完治できぬまま、何かに縋るような思いを心にめてアキバの病室を訪ねた。

「タイヨウ......」

「あ、マキか。來てくれてありがとう。」

「うん......」

マキは、きっとアキバはお見舞いに來てくれたのだろうと思い込んでると思った。しかし違うのだ、マキはアキバに縋るために來たのだ。

「いやぁ流石の俺も事故ったときはヒヤッとしたよね。死んだかと思ったもん。」

「うん......」

「どうした? 元気ないじゃん。」

「うん......」

「あぁ......そうか大分かった。」

「え?」

「アミちゃんのこと責め立てて、そしたら思わぬ反撃食らったんだろ?」

「なんで分かるの?」

「マキのしそうな事じゃん。」

「......ごめん......」

「え?」

「私......周りのこと見えてなかった。タイヨウは自分だけのものとか思ってた......でもそうじゃない。タイヨウはタイヨウなりにんな人と関わりあってて、私だけ見ててっていうのは難しい事なんだって......タイヨウが事故に遭うまで追い詰めた......」

「マキは悪くないよ。」

「へ?」

「確かに、マキの所に行くか、野球部の所に行くかで悩んでたけど、そうじゃない。俺はマキも野球部もどっちも大切にしたいんだ。」

「それって......」

「マキにも勉強は教えてしい、だけど野球部のヤツらともアミの特別補講をけたい。だから、放課後の特別補講には行くけども、その後の空いてる時間とかにマキが勉強を教えてよ。」

「わかった。」

今日は所用があって、隣町までやって來た。用は済んだのだが、せっかく隣町まで出てきたのだからと思い、駅前をブラブラしてた。

何やら駅ビルでイベント的な何かをやってると、道行く子高生の會話から報を拾い、駅ビルに向かうことにしてみた。

その時、いきなりドンと誰かにぶつかった。「すみません」と一言だけ言って立ち去ろうとしたのだが、相手はガシッと僕の腕を摑んできた。

「な?」

僕はビックリして相手の顔を見た。するとそこには、この前ショウタと一緒にコンビニにってきたノッポとデブが居た。

「よォ......ショウタがお前さんのこと探しててな、ちょこっと顔貸してもらうぜ。」

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