《栴檀禮賛》ワビイチとネコちゃん

俺の名前は鯖渕 嶺貓サバブチ ネネコ。高1。よくんな人から、男のクセにみたいな名前だとバカにされる。

自己紹介はこれくらいにして、俺には最近気になっている子が居る。他校の制服で、名前も知らないが、ちょくちょく帰りの電車で見かけるのだ。

皎然たる髪、薄紅梅の、水晶のような瞳、全てがしく、俺の心に突き刺さってきた。

なんかストーカーじみてきたから、この辺でやめておくが、ホントに「に落ちるとはこういうことか」という覚を教えてくれた。

しかしながら、俺は彼に話しかけるという段階に至ってない。それは俺が元來コミュ障ぎみというのもあるのだが、それとは別に彼はいつも男を侍らせている。

男の方の名前は知っている。ハヤテとかいう名前だ。このハヤテとかいう男、なかなかに謎に満ちている。

容姿や話しているじ、オーラ等ありとあらゆる彼のステータスは『The普通』なのだ。

至って凡人、究極的に平均的、何もトガったものをじさせない、道ですれ違ったなら3秒で顔を忘れるようなじの男だ。

そんなヤツが何故、あんな容姿端麗なと共に歩いているのだ? 財布か何かか?

「おいネネコ! 聞いてるんか!」

「お、あっ、すみません!」

瞬間、現実に引き戻された。そう言えば今は世界史の授業中だった。世界史の先生、フツーに授業やってるじで、振り向きざまに流れでヌルッと怒ってくるから油斷できない。

「ったく、集中しろよ?」

「は、はい。」

授業終了後、俺の前の席の友人が、くそニヤニヤした顔で俺の方に振り向いてきた。

「ネコ......怒られたな?」

「ちっ、あのジジイ普通に授業やってる流れで怒ってくんなよな......」

「なに考えてたんだよ?」

「ワビに言うようなことじゃねーよ。」

「なんだ? オンナか?」

「だっ、なわけねーだろ!」

「あ〜! オンナだな! クマに言ってやろ。」

「広めんなバカ!」

「広めんなってことは、図星だな?」

「あっ! てめ!」

「ネコちゃん発期ですかにゃ?」

「ワビ、てめぇこのやろ!」

俺はワビイチのことを捕まえようとしたが、スルりと躱されてしまった。俺は悔しさパワーを眉間に溜め、ワビイチのことを睨んだ。

「オーオー、発期のネコちゃんは暴れん坊で怖いにゃ〜!」

「ワビ!」

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