《栴檀禮賛》件の男を尾行するネコ

帰路、電車にて俺は件の彼とハヤテを見かけた。仲良さそうに談笑している様子を遠巻きに眺めながら、俺はクマとワビに目線を送って、顎で2人の方にクイクイっとジェスチャーした。

「お、あれがお前の好きな子?」

クマが小さい聲で聞いてきたので、俺は靜かにコクコクと頷いた。その後、2人はハヤテと彼の方に視線を移した。

「つか、あれハヤテじゃね?」

「知ってるのか?」

「ああ、ショウタの連れだよ。」

は? 鬼神 松太オニカミ ショウタの連れだと? あのハヤテとかいう男、ますます何者か分からなくなってきた。

「いやぁネコちゃん、流石にショウタの連れが仲良くしてるの子に、手を出すのはオススメしないぜ?」

「いや、まだハヤテのと決まったワケじゃないだろ?」

「さーて、どうかね?」

その日は取りあえず話しかけるような事もせず、そのまま最寄りの駅で降りて帰った。

帰宅後、風呂にりボーッと考えてみた。もしかしたら、俺はトンデモないようなヤツを相手にバトルしなくてはならないのかもしれない。

ハヤテ......底知れぬ男だ。パッと見フツーの男のクセして、どう考えても普通じゃない友関係を持っているようだ。

あんな綺麗なと登下校し、更にはワビやクマがいつも一緒に居るクソヤンキーショウタとも仲が良いとあっては、なかなか太刀打ち出來ない気がしてきた。

「なんなんだよアイツ......」

俺は湯船にジャボンと潛った。そして極限まで肺の酸素を使い切ってから、顔を湯船の外に出した。

「ストーカーみたいで気に食わねぇが、見かけたらチト追ってみるか。」

翌朝、早速ハヤテを見かけた。ショウタと共に登校しているようだ。俺は早速つけて見ることにした。

俺が通う高校は、まぁ俺の人格やら『ああいうこと』をしてるワビやクマが通ってるという事を考えれば、所謂『普通の高校ではない』って言える。簡潔にいえばヤンキー共が集まる底辺校だ。

だから、まぁちょっと一日サボった所で、別にどうとも思われないのが、悪い所でもあり良い所でもある。

「ハヤテ......お前は一ナニモンだ。」

俺は注意深く見張った。ハヤテがショウタと話す雰囲気、態度、視線など諸々を注意深く見張った。そして數分後、俺は更なる衝撃をけることとなる。

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