《彼たちを守るために俺は死ぬことにした》5/25(月) 小鳥遊 知実①
親に心配されたがとりあえず野中と約束したし、學校には行くことにした。
病院でもらった薬を飲み、カバンの中にもれる。
そしてでかい弁當箱を持ち、いつもどおりドアを開けて目の前の海を……
「おはよーございます」
「……おはよ」
玄関の前に日野が立っていた。
バイトに來てくれていたけど、會うのは水曜の俺が倒れたとき以來だ。
「そうだ。じゃーん! 弁當」
わざと明るい口調で日野の分の弁當を渡す。
「ありがとうございます、あの……」
「先週はびっくりしたよな。ちょっと調悪化したみたいでさ。だからって院って大げさだよなー。心配かけてごめんっ! つーわけで音和呼んでこようぜ!」
なにか言いかけた彼を遮って早口でまくしたて、ささっと歩き出す。日野は小走りで追いかけてきた。
隣の家の前で音和の支度をし待つことになった。
日野がチラチラと俺を伺う。やっぱりまだ勘ぐってるよな……しかたない。
「……敬語やめていいよ?」
「え?」
「タメなんだし。それ気にしてこっちチラチラ見てんだろー?」
「あ、違……」
彼はあたふたしはじめる。
「えっと、そうじゃなくてですねっ」
「敬語」
「あっ! すみません」
「敬語」
「ああああたしったら! ごめんなさい!」
「敬語」
「えっ、これもですか!? ……じゃなくて、これもなんですか!? じゃなくて、あの、えっと! ごめん、ですかね! あれっ、またっ!?」
しばらくそうやってヒマをつぶした。
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