《小さなヒカリの語》5ページ目
言った後し後悔した。
寂しさを紛らわせようとしてやったことだが、余計に切なさが殘ってしまった。
「っと……あれ?」
視界の端にゆらり人影がちらついた。
もし見られてたら、間違いなく変人と思われただろうなぁ。恥ずかしさを覚えつつ目を細め、遠くを見やる。が、焦點が合う前に人影は東門のほうから校舎裏へ姿を消してしまった。
こんなに早く來る奴はねじが何本か外れた特異な奴に違いない。
暇を持て余している俺としては、その変な奴を一目見てしでも時間つぶしが出來ればそれでいいと思った。もちろん興味本位で、というも否定できない。
この時俺は、もしそれがここの先生だったら挨拶でもして、好度を若干でもあげとこうかなくらいの軽い気持ちでいた。特に意味を持たない考えを心に持參して、俺は中庭に足を運んだ。
行ってまず目を引いたのはミステリーサークルのような不思議な場所。
木や草で作られた円が何重もあって、外からへとしずつ小さくなっており、円と円の間には道が出來ている。下に向けて段ごとに深くなっていき、中心には何かを祀っているのであろう燈篭のようなものが置かれていた。
素人目から判斷しても、特別な価値がありそうなその場所は、一質違った獨特の雰囲気を漂わせている。加えて、その場所が中庭の広さの十分の一にも満たないことが、俺には信じられない。
「あれ、どこいったんだ……?」
ざっと見渡してみるが、それらしき人影はないようだ。
すぐに追いかけてきたから、もう別のところに向かったというはずはないのだが。
まだ向こう側には手れされた緑の土地が広がっている。といっても起伏のない平坦な芝生なので探そうにも目で見通すだけで人はいないと分かった。
見渡して再度思ったのは、ただ、広いということだ。この學校の中庭は通っていた學校のそれの軽く三倍はある。いくら公立と私立で経済力に違いがあると言えどここまでの差はもう驚くしかない。晝食をとるというよりもランチをするというほうが合うパラソル式のテーブルや長椅子も見て取れる。それだけで十分豪華な設備だと俺には思えた。
この學校のことを今日現在この地點までよく知らなかったが、ふふん見方が変わった。
なんて素晴らしい高校だと、なんて生徒想いの高校だと。周りの評判はあながち間違いじゃなかったようだ。周りに流されて良かったと、己の短所までよく思えてきた。
満足に浸って人影なんてどうでもよくなって忘れかけてきた頃。
俺の目の前に現れたそいつは、止まっていた俺の人生の歯車を驚くほど強引にかしやがった。
「う……ぅ……ん?」
気がつけば俺は、地面に背をつける形で空を見ていた。
[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者少女を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!
ホビージャパン様より書籍化することになりました。 書籍化作業にあたりタイトルを変更することになりました。 3月1日にhj文庫より発売されます。 —————— 「俺は冒険者なんてさっさと辭めたいんだ。最初の約束どおり、俺は辭めるぞ」 「そんなこと言わないでください。後少し……後少しだけで良いですから、お願いします! 私たちを捨てないでください!」 「人聞きの悪いこと言ってんじゃねえよ! 俺は辭めるからな!」 「……でも実際のところ、チームリーダーの許可がないと抜けられませんよね? 絶対に許可なんてしませんから」 「くそっ! さっさと俺を解雇しろ! このクソ勇者!」 今より少し先の未來。エネルギー資源の枯渇をどうにかしようとある実験をしていた國があった。 だがその実験は失敗し、だがある意味では成功した。當初の目的どおり新たなエネルギーを見つけることに成功したのだ──望んだ形ではなかったが。 実験の失敗の結果、地球は異世界と繋がった。 異世界と繋がったことで魔力というエネルギーと出會うことができたが、代わりにその異世界と繋がった場所からモンスターと呼ばれる化け物達が地球側へと侵攻し始めた。 それを食い止めるべく魔力を扱う才に目覚めた冒険者。主人公はそんな冒険者の一人であるが、冒険者の中でも最低位の才能しかないと判斷された者の一人だった。 そんな主人公が、冒険者を育てるための學校に通う少女達と同じチームを組むこととなり、嫌々ながらも協力していく。そんな物語。
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【第2章完結済】 連載再開します! ※簡単なあらすじ 人型兵器で戦った僕はその代償で動けなくなってしまう。治すには、醫務室でセーラー服に白衣著たあの子と「あんなこと」しなきゃならない! なんで!? ※あらすじ 「この戦艦を、みんなを、僕が守るんだ!」 14歳の少年が、その思いを胸に戦い、「能力」を使った代償は、ヒロインとの「醫務室での秘め事」だった? 近未來。世界がサジタウイルスという未知の病禍に見舞われて50年後の世界。ここ絋國では「女ばかりが生まれ男性出生率が低い」というウイルスの置き土産に苦しんでいた。あり余る女性達は就職や結婚に難儀し、その社會的価値を喪失してしまう。そんな女性の尊厳が毀損した、生きづらさを抱えた世界。 最新鋭空中戦艦の「ふれあい體験乗艦」に選ばれた1人の男子と15人の女子。全員中學2年生。大人のいない中女子達を守るべく人型兵器で戦う暖斗だが、彼の持つ特殊能力で戦った代償として後遺癥で動けなくなってしまう。そんな彼を醫務室で白セーラーに白衣のコートを羽織り待ち続ける少女、愛依。暖斗の後遺癥を治す為に彼女がその手に持つ物は、なんと!? これは、女性の価値が暴落した世界でそれでも健気に、ひたむきに生きる女性達と、それを見守る1人の男子の物語――。 醫務室で絆を深めるふたり。旅路の果てに、ふたりの見る景色は? * * * 「二択です暖斗くん。わたしに『ほ乳瓶でミルクをもらう』のと、『はい、あ~ん♡』されるのとどっちがいい? どちらか選ばないと後遺癥治らないよ? ふふ」 「うう‥‥愛依。‥‥その設問は卑怯だよ? 『ほ乳瓶』斷固拒否‥‥いやしかし」 ※作者はアホです。「誰もやってない事」が大好きです。 「ベイビーアサルト 第一部」と、「第二部 ベイビーアサルト・マギアス」を同時進行。第一部での伏線を第二部で回収、またはその逆、もあるという、ちょっと特殊な構成です。 【舊題名】ベイビーアサルト~14才の撃墜王(エース)君は15人の同級生(ヒロイン)に、赤ちゃん扱いされたくない!! 「皆を守るんだ!」と戦った代償は、セーラー服に白衣ヒロインとの「強制赤ちゃんプレイ」だった?~ ※カクヨム様にて 1萬文字短編バージョンを掲載中。 題名変更するかもですが「ベイビーアサルト」の文言は必ず殘します。
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8 156現代転生で運極振りするとこうなります
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