をオヤジっぽい目線で見てたから、事実を述べても言い訳に聞こえそうだ。そのことが俺の焦りを増長していく。

どうする、どうする俺！？　どうすんだよ！　次の瞬間にはほら、平手打ちがとんできて、

「……オウムがいない」

「……へ？」

は俺ではなく自分の頬をぺちぺちと叩き、服についた砂を取り払いながら立ち上がった。そして、俺に構うことなく、辺りをきょろきょろ見回し始めた。

（オウム？　なんだそれ、鳥か？　あの夜鳥か？）

俺はの行を不思議に思いながらも、もしかしたら、この人変態ですと助けを求める相手を探してるんじゃないかと心焦っていた。が、すぐにそんな心配は吹き飛んだ。

の立ち上がった姿を見て、俺はそれに気づいてしまった。

青い炎。

の右手。

その手には青い炎を纏った大剣があった。

の細腕では到底振り回せるとは思えない代。

俺は、が大剣を持つその姿に思わず息を呑んだ。

のどがごくんと鳴り、見開いた両目はの異様な雰囲気にただ圧倒されている。

金髪のの、青く澄んだ瞳は校舎を視界にとらえていた。

俺もつられて校舎を見る。

が、これといって変哲はないようだが。ん？　もっと上か？

もう一度の見據える先を正確に追う。

（屋上……か？）

にわかに普段使わない脳細胞がフル稼働し始め、一つの推測をたてる。

それは、もしかしてこのは屋上から落ちてきたんじゃないかということ。

……いやいやそんなまさかな。馬鹿か俺は。自分でたてて即座に否定する。

子供には無限の可能がめられているのです、と大人は聲高に説くけれど學校の屋上から落ちて助かる可能はさすがにない。萬が一、仮に一命を取り留めたとしても病院行きは確実だろう。はぴんぴんしてるから妄想の領域にる俺の推測は卻下だ。

あ、でも気になることがある。なんでさわれないんだろ？　ということだ。いや、さわりたいとかは別としてだ。

突如、數メートル先で雷でも落ちたかのようなものすごい轟音が響き渡り、何の前れもない突然の音は俺の目を強制的にそちらへと向けさせた。

「何だ？　何だ？」

土煙が舞い上がって中の様子が見えない。いったい何が起きたんだ？