《小さなヒカリの語》10ページ目
どうしてだ? 言葉が二回ループしたところで、やっと脳が現実に追いついた。
今俺が見たのは確かに……
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
のどにつばがつっかえて聲が裏返った。はすでに歩き始めていて結構距離が開いている。聲は屆いてないようだ。俺は立ち上がり、腰が抜けたその足で金髪のを追いかけた。足がもつれて途中何度も転びそうになった。けれど何とかもちこたえ、の前に立って自分への注意を促した。
「どういうことなんだ、さっきのは! 戦ってたぐらいだから何か知ってるんだろ?」
俺がそう言うと、青く澄んだのきれいな瞳が俺の顔を見た。
は信じられないとでも言うように目を大きく見開いた。そして俺の足元から髪のの先までと、上下にせわしなく目をかし始めた。
「……」
「……」
は俺の問いに答える気がないのか口を開こうとしない。沈黙に耐え切れなくなった俺は再び確認をとるように控えめに聲を出す。
「……え? えっと、あの……もしもし?」
そう言った時、の顔が急にふっと持ち上がって俺は々面食らってしまった。
洋風金髪は俺の眼をまっすぐに見つめて、
「あなた、見えるの?」
「……はい?」
何のことですか?という言葉を俺が口にするより早く、
「だから、私が見えてるのかって聞いてるの」
がやや語気を強めて問いかけてきた。
「はぁっ!?」
このときの俺は鳩が豆鉄砲でもくらったような顔をしていたに違いない。なぜならの質問容が今までにないほど斬新過ぎたからだ。予想だにしないの言葉に不意を突かれて返答に窮した。
「……見えるっていうか、いや、見えるけど……何で?」
そう言葉を言い切らないうちに後ろのほうから発音が聞こえ、會話はそこで遮られてしまった。二人ほぼ同時に発のほうへ目をやると、そこには濃い紫をしたさっきのが瓦礫の山から姿を現していた。半分に割れたはずのはいつの間にか元の球に戻っている。
「あぁもう! いったいあれはなんだよ!」
あの、心臓が止まるような覚を思い出して、再びの気が引いていく。もうすでに心臓が先ほどの慌ただしさを取り戻している。頭の中で赤いランプの警告音が鳴り響く。どうやら二回目の斷末魔は避けられないようだ。
「あぁぁぁ!」
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